アルゼンチンにおけるセントルイス脳炎の流行

フランス公衆衛生院 2011年04月07日

  • 2011年3月31日、アルゼンチンの保健当局は11例のセントルイス脳炎(SLE)症例を報告しました(確定例5例と疑い例6例)。
  • これらの症例は、2011年1月31日から3月24日にかけて、アルゼンチン西部のサン・フアン州 (San Juan)、サン・フアン市で発生しました。 これは、この州でのセントルイス脳炎の初めての発生報告になります。

図.アルゼンチンにおけるセントルイス脳炎の流行

  • これら11症例の中の7例が入院し、2例が死亡しました。
  • さらに、数例の散発例について他の州で調査が行われています

フランス公衆衛生院のコメント

セントルイス脳炎(ESL)ウイルスは、イエカ(Culex)によって媒介されるフラビウイルスです。
症候性の感染となるのは1%未満です。 重症化したり、死に至ることもありますが、そのほとんどが年配の方で、致死率は5~20%に及びます。
セントルイス脳炎は、アメリカ大陸でカナダから南アルゼンチンまで広い範囲に存在します。 合衆国では地域感染症としての発生も流行も見られますが、他国においては、めったに流行しません。

2005年、アルゼンチンでは、コルドバ州において9名の死を含む47名の確定症例が報告されています。(これが、ラテンアメリカで報告された最初のアウトブレイクでした)。 以来、サーベイランスを強化していますが、アルゼンチン中央部の州(特にコルドバ州、エントレ・リオス州、およびサンタフェ州)で散発的に発生しています。
2010年には、22例(確定症例11例と疑い症例11例)が、初めてブエノスアイレス州で、また、14例(うち2例が確定症例)がブエノスアイレス市で報告されました。(BHI No.236[PDF形式:108KB])