溶血性尿毒症症候群(HUS)の群発例について(フランス)

2011年6月24日:フランス公衆衛生院

6月22日、アキテーヌ地域圏のボルドーにある2つの病院が6例の血性下痢症と2例の溶血性尿毒症症候群(HUS)の症例を報告しました。地域保険局(LRA)と共同で疫学的調査が実施されています。

6月24日現在、合計10例の血性下痢症とHUSがフランス国内で確認されています。8例は、地理的にも近接しており、7例はボルドー郊外の同一の住宅区域に在住しており、残り1例はボルドーに近いNansouty 区域に在住しています。これら8症例のうち5例がHUSで、3例が血性下痢症です。8例中6例が女性で2例が男性で、年齢は31歳から78歳に分布しています。全員が入院しました。

これら8症例からなるクラスターのうち7症例につき、問診が行われました。7人全員が6月8日のBèglesレクリエーションセンターでの食事会に参加しており、そのうち6例がそこでガスパッチョ(冷たいスープ)に飾りつけられた芽野菜を食べていました。このレクリエーションセンターで食事をした7人めが芽野菜を食べたかどうかはわかっていません。8例めについては疫学的調査が進められています。

5例についてはEHEC感染症であることが確認され、2例よりO104:H4系統で多剤耐性の大腸菌が分離されました。その他の症例に関する微生物学的診断の結果はまだ出ていません。

レクリエーションセンターでの患者によって摂取された芽野菜の産地へのトレースが県の防疫部門によって行われています。

HUSを呈している1患者から分離された1系統の大腸菌は、2011年5月~6月にドイツで芽野菜の摂取を原因とした大規模なEHECの流行を引き起こした株と同じ特徴を有しています。