O104:H4感染のアウトブレイクについて:WHO/Europeが公衆衛生上の勧告を行いました。

WHO/Euorpe 2011年7月1日

フランスのボルドー南部では、O104:H4大腸菌のアウトブレイクが発生しており、8名が溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し、8名が血性下痢症を発症したことが報告されています。この稀な感染症は、最近ドイツ5月にはじまり、猛烈なアウトブレイクをおこした細菌と血清型が同じであり、おそらく同じ系統の細菌により引き起こされたものです。

発芽した種子および豆(芽野菜)を食べたことが両アウトブレイク関係しています。このアウトブレイクの感染源を特定するための疫学的、微生物学的調査およびトレースバック調査が継続して行われています。欧州食品安全期間(EFSA)は、専門調査委員会を発足させ、それには、欧州委員会、欧州疾病予防対策センター(ECDC)、WHOおよび加盟国が参加し、協力して主要な感染源を追及するための調査を進めることになっています。

各セクターおよび各国で起こったアウトブレイクの性質を考慮し、WHOは加盟国に対し重症の下痢、特に血性の下痢症に対するサーベイランスを強化し、各国の各セクターおよび全てのレベルで迅速に情報を共有するよう勧告します。各国レベルにおいては、各国間の外交連絡ルートを用いて情報共有等が行われるべきで、国際保健規則(IHR)や欧州連合における連絡手順を最大限に活用するようにしてください。調査を行う上で、専門のレファレンスラボラトリーや協力研究機関を最大限に活用してください。

勧告

調査が終了するまでは、WHOはWHO欧州領域内の消費者に対し、購入したものであるか家庭内で栽培したものであるかを問わず発芽豆類および発芽種子類(芽野菜類)を食べるときは完全に調理したものを食べるように勧告します。大腸菌は70℃で調理することにより死滅します。発芽豆類および発芽種子(芽野菜類)の温度を測定することは困難ですので、単に温めるだけではなく、湯気が出るまで熱を加えて調理するようにしてください。さらに、種蒔きや発芽させるために芽野菜類の種を触った人は手を洗って下さい。

さらに、全ての人は通常食品を衛生的に取り扱う手順に従ってください。果物および野菜は清浄な流水によってよく洗浄し、トイレを使用した後や食品を取り扱う前後はよく手を洗浄し、生の食品と調理済みの食品は分けて保管し、生の食品と調理済み食品を取り扱う用具は別のものにし、食品を調理するときは十分に調理するようにしてください。

血性下痢を呈している人は直ちに適切な医療処置を受けてください。