志賀毒素産生性大腸菌(STEC)のEUにおけるアウトブレイクについて

ECDC 2011年7月5日

7月4日11:00以降の更新内容:EUおよびEEA加盟国内では、これまでに33例の死亡例を含む897例のHUS症例と、17例の死亡例を含む3,314例の非HUS症例が報告されています。国ごとの数は下の表をご参照ください。

前回の更新以降、ドイツ政府は、6例のHUS感染と1名のHUSによる新たな死亡者、それに33例の非HUS STEC症を報告しました。直近の10日間(6月25日~7月4日)の間では、11例のEHEC患者と3例のHUS患者が発症しました。確認されたO104EHEC患者が最後に発症した日は、2011年6月26日です。全ての症例の中で(O104が確認されていないものも含む)最後に発症した日は、2011年6月29日でした。

フランス(ボルドー地方)におけるアウトブレイクに関しては、8例の血性下痢症と7例のHUSが7月2日に同定されています。HUSを呈している6名がO104:H4大腸菌に感染していることが確認されました。これらの患者のうち11人がBèglesでのイベントに参加しており、この11人のうち7人が女性で4人が男性であり、年齢は31歳から64歳です。10人が芽野菜を摂取していました。

HUS症例として確認されていたBèglesでのイベントとリンクのなかった1名については、検査の結果血清型がO104大腸菌ではなくO145大腸菌のものだったことから、アウトブレイクのHUS症例数から外す事としました。

徹底的な調査が行われています。フランス当局により検査された3名の患者から得られた株とドイツのアウトブレイクにリンクした患者から得られた株の比較が行われ、これらの2つの株は識別不能であることがわかりました。このことから、これら2つのアウトブレイクに関連した共通の感染源があるということを示しています。

図.EU/EEA加盟国ごとのHUSおよび非HUSのSTEC症例数ならびに死亡者数

補足:表に記載された数は、これまでにヨーロッパ域内(ECDC)で報告された症例報告の数を現しています。過去一週間において、日々報告される症例数が着実に減少してきていますが、主として様々な段階における報告の遅れが原因で、累積患者数は増加し続けています。

*:ボルドーでのアウトブレイクで新たに報告された症例

**:以前に報告された症例であって、ドイツへの渡航による疫学的リンクを有する症例