志賀毒素産生大腸菌(STEC):EUにおけるアウトブレイクに関する更新

ECDC 2011年7月20日

EU/EEA加盟国内で過去10日以内(7月10日~7月19日) に発症した非HUS STEC報告症例は、ドイツ国内の2例にとどまりました。これらはいずれも可能性の高い症例(probable case) で、STEC O104の確認はまだなされていません。STEC O104の感染が確認された患者が最後に発症した日は、2011年7月7日であることがわかっています。全ての症例の中で最後に報告された発症日は2011年7月12日です。

本日の時点で、EU/EEA加盟国内においてSTECの感染が確認された累積症例数は900例です。これらの症例の内訳は、HUS STEC症例254例と、非HUS STEC症例646例です。さらに、現在のところSTEC O104:H4の確認がなされていない、514例の可能性の高い(probable) HUS STEC症例と2,505例の可能性の高い(probable) 非HUS STEC症例が報告されています。合計で、EU域内ではSTEC感染と確認されたもしくは可能性の高いと考えられる症例の中で42人が死亡しました。このうち26例はHUS-STEC症例で、16例は非HUS STEC症例でした。下の表は、国別の、可能性の高いもしくは確認されたSTEC累積症例数の分布を示したものです。

最終更新以降、ドイツ政府は3例の非HUS STEC症例と1例の非HUS STECによる死亡例を報告しました。下記参考リンクにて、ロベルトコッホ研究所の更新内容が掲載されております。他の加盟国は、前回の更新以降HUSおよび非HUS症例の報告を行っていません。

図.EU/EEA加盟国におけるHUSおよび非HUSのSTEC症例数及び死者数

補足:表に記載された数は、これまでにヨーロッパ域内(ECDC)で報告された症例報告の数を現しています。この数週間で報告される日あたりの症例数は着実に減少してきていますが、主として様々な段階における報告の遅れが原因で、累積患者数は増加し続けています。
疑い例(ドイツ:140 HUS症例(6例死亡)、フランス:5 非HUS STEC症例)は表の数値に含まれていません。

*:ボルドーでのアウトブレイクで新たに報告された症例
**:以前に報告された症例であって、ドイツへの渡航による疫学的リンクを有する症例

参考文献