Girondeにおける腸管出血性大腸菌(EHEC)による感染に関する最終結果

2011年07月26日
フランス公衆衛生院

6月22日、アキテーヌ(Aquitaine)地域疫学管轄部局に、ボルドーの2病院が、血性下痢6例(SD)および溶血性尿毒症症候群(HUS)の2例を報告しました。
疫学的調査が、このクラスター症例事例の感染源を特定し適切な管理措置をとるために、直ちに実施されました。

クラスター症例発生の初期段階

現在、疫学的調査、微生物学的調査、トレース調査が終了しました。その結果、このEHEC感染症クラスター発生例は、芽野菜の消費によって起こったことが示されました。この芽野菜は、2011年6月8日にオープンしたボルドーの幼児対象のレクリエーションセンター(CLPE)で発芽させたもので、オープンの日に消費されました。
このエピソードを引き起こしたEHEC流行株は、血清型O104:H4の菌株です。遺伝的に2011年5月~6月にドイツで、ドイツ北部の生産者によって広く配布された発芽用の種子の消費に起因して生じた、アウトブレイクの際の菌株に関連しています
欧州食品安全機関は、フランスとドイツのクラスターの有力な感染源についてのトレース調査を、協同で行った結果、エジプトから輸入され、芽野菜に使用されたフェヌグリーク種子のロットの一つが、2か国をリンクしている可能性が最も高いと結論づけました。この結果によって、2009年と2011年の間にエジプトから輸入された、他のフェヌグリークの他のロットが汚染されていることを除外できるものではありません。http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/176e.htm

流行に関する記載

合計15の感染症例が同定されました。内訳はHUS症例9例、出血性下痢症例4例、通常の下痢症例2例です。11人の患者が入院し、死亡例はありませんでした。
13例はCLPEのオープン日に芽野菜を食べていました。
2例の芽野菜を食べていなかった症例は、芽野菜を食べた症例の周囲で発生した、人からの感染に関連して生じた二次的な症例でした。

12例でEHEC O104:H4による感染が確認されました。15症例の内訳は、女性10人と男性5人でした。彼らの年齢は3~64歳(中央値37歳)です。
症状が発症した日付は6月11日から6月27の間に分布しており、患者はすべてボルドーやボルドー近隣に住んでいました。

流行症例の症状発症日の分布(EHEC O104:H4感染症クラスター症例、2011年6月ボルドー)

図.2011年6月ボルドーにおけるEHEC感染症クラスター症例の症状発症日の分布

CLPEオープン日の参加者169名に対して、6月29日~7月1日の間に実施されたコホート調査によると、オープン日のビュッフェで芽野菜を消費したことと、病気の発生の間に強い有意な関連性が示されています。〔RR = 4.2、95%CI 1.5~11.3]。他の食品の消費やオープン日に提供された活動への参加と、病気の発生の間には有意な関連性はみられていません。ビュッフェの食事を準備したた人は、いずれもイベント前の月に下痢があったという報告なく、また、最近ドイツに旅行したとか、ドイツに滞在した病人との接触もありませんでした。

実施された予防措置および規制措置

フランス競争消費違反取締総局(DGCCRF)とフランス保健総局(DGS)は、予防策として生の芽野菜を食べないこと、食べ物を準備する際や発芽種子を使用した後の台所用品はきれいに洗うこと、種子をあつかった後は常に手を洗うことなどを推奨しています。人から人への直接の二次感染、特に家族内感染を防ぐため、衛生対策を強化するための推奨事項がDGSで公開されています。

欧州連合(EU)は、エジプトから2009年と2011年に輸入されたフェヌグリーク種子の市場流通を停止させ、回収と廃棄を行うこと、ヨーロッパ連合で2011年7月7日までで販売せず、すべて加盟国の市場から撤去するように勧告しました。また、10月31日までエジプト産の発芽用の種子と豆の輸入を一時中止するよう勧告しています。

7月12日、DGCCRFは、エジプトから輸入したフェヌグリークの種子、特定の穀物や豆に適用される緊急措置を発令しました。これによると、2011年10月31日まで、2009年と2011年の間にエジプトから輸入されたフェヌグリークの種子の市場流通を停止し、回収および廃棄を行うように求めています。また、2011年7月7日までに欧州連合(EU)地域に流通した、エジプト由来の種子や豆(14種類のリスト)について、市場で販売することを一時停止することを求めています。