ルーマニアでウエストナイル熱が発生しました

フランス公衆衛生院 2011年7月27日

2011年7月21日、ルーマニア当局は、2010年以降初めてウエストナイルウイルスによる髄膜脳炎症例を確認したと報告しました。患者はガラティ県(ルーマニア東部、地図1,2参照)に居住する37歳の農家の女性です。入院後、髄膜脳炎の徴候が見られました。

今のところ、この地域で病気の鳥や死んだ鳥の徴候はありません。

図.ルーマニア地図

図.ガラティ県地図

地図1 ルーマニア地図 地図2 ガラティ県地図

ウエストナイルウイルスは、東ヨーロッパと地中海地域で土着流行と流行の両方を起こす疾患です。

温帯地域ではウエストナイル熱の発生率は季節性の変動を示し、蚊の活動期間(5月~10月)に優位となります。(http://www.invs.sante.fr/international/notes/west_nile_271006.pdf[PDF形式:499KB]参照)

1997年以来ルーマニア南部では人と動物のウエストナイルウイルス感染症例に関する能動的サーベイランスが行われており、1997年から2010年までの間に20例のヒト症例が報告されています。

2010年には、地中海地域でウマとヒトの症例が同定されたことから、ウエストナイルウイルスの循環がヨーロッパ内とこの地域内で増えていることが明らかになりました。(BHI264号[PDF形式:111KB]258号[PDF形式:112KB]を参照)。今回ルーマニアで最初の症例が検出されたことは、ウエストナイル熱のシーズンが始まる徴候といえます。