ヨーロッパからポリオが排除されました

WHO 2011年8月25日

ポリオはヨーロッパから排除されましたが、ヨーロッパでポリオフリー(清浄)を維持するために今後も警戒が必要です。
欧州ポリオ撲滅審査委員会The European Regional Certification Commission for Poliomyelitis Eradication(RCC)は、2010年にヨーロッパに野生株ポリオウイルス1型が持ち込まれましたが、現在はポリオフリー(清浄)の状態にあると発表しました。
デンマークのコペンハーゲン行われた第25回会合で、ポリオウイルス感染拡大が阻止されていることが示され、加盟国が効果的な施策を行った結果、2010年9月以降新たな症例は報告されていません。

2010年にカザフスタン、ロシア、タジキスタン、トルクメニスタンの4カ国から475例(うち30例は死亡)の検査室確定診断(野生株ポリオウイルス1型)が報告されました。今回の会合ではWHOヨーロッパ地域の53カ国(2010年に野生株ポリオウイルス感染のある国を含む)すべての国が、地域のポリオフリー状態の持続性について専門家による評価を受けました。加盟国は各国の国民を守るためポリオウイルス拡散防止に対する努力、全国規模の予防接種キャンペーンを含む追加予防接種活動を行いました。

RCCは加盟国で予防接種実施率が十分に達成されており検体の輸送を含むポリオサーベイランスシステムを構築していると結論づけました。従ってWHOヨーロッパ地域や準地域の加盟国53カ国で再審査の必要はありません。

RCCはまたWHOヨーロッパ事務局の技術サポート、世界ポリオ撲滅戦略のパートナーとロシア、インド、米国国際開発庁(USAID)の貢献に感謝しました。

昨年のヨーロッパ地域でのポリオ輸入元であるインドではこの半年以上新たな症例が発生していないという重要な進展をみています。

世界ポリオ撲滅戦略(GPEI)はWHO、国際ロータリー、アメリカCDC、ユニセフが先頭に立っています。1988年に世界ポリオ撲滅戦略(GPEI)が始まった頃、世界125ヶ国で毎年350,000人以上の小児が弛緩性四肢麻痺に罹っていましたが、現在では99%以上の患者減少をみています。2011年は8月11日までに325例の患者発生があり流行国はアフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタンの4ヶ国までに制圧されています。