ギリシャにおけるマラリア

ECDC 2011年9月26日(ECDC[英語]へのリンク)

2011年6月以来、マラリア流行国への渡航歴のない三日熱マラリア患者16症例が、ギリシャで報告されています。うち10症例はエウロータスEvrotas(ラコニア県Lakonia prefecture)、2症例はカルキスChalkida(エヴォイア県Evoia prefecture)、2症例は東アッティカ県Eastern Attiki Prefecture、1症例はアギアAgia(ラリア県Larissa Prefecture)、1症例はオルコメノスOrchomenos(ヴィオティア県Viotia Prefecture)です。
これらの土着マラリア症例に加え、12症例が、パキスタン(10症例)やモロッコ(1症例)、ルーマニア(1症例)からの出稼ぎ労働者の間でラコニア県から報告されています。ルーマニアからの症例は、エウロータス(ラコニア県)で働き、ルーマニアへ帰国した後に診断されました。これらの多くの症例はエウロータスに数年前から住んでいるにも関わらず、ギリシャ国外で感染した可能性があります。
ギリシャのHellenic CDC(KEELPNO)による管理措置は、症例が出た地域のサーベイランスの強化、マラリアの早期診断と治療についてヘルスケアの専門家に知らせること、国民の意識を高めること、血液の安全性の強化が含まれます。蚊の対策も地方自治体によって行われています。
マラリアは、1974年にギリシャから根絶されました。それ以来、ギリシャは毎年30症例から50症例の報告がありますが、そのほとんどが流行国への渡航によるものでした。一方、渡航歴のない症例は、1991年、1999年、2000年と散発的に発生していました。三日熱マラリアの検査による確定症例が2009年には8症例、2010年には1症例がエウロータス(ラコニア県)で報告されています。症例の報告された全ての地域は、住民票のない移民(パキスタンやインドなど)農場労働者の人口が大きな地域で、観光都市ではありません。
現在、欧州の視点から状況を評価するために、2人の専門家がギリシャに赴いています。
マラリアは、マラリア原虫による感染症で、主にハマダラカによって感染します。潜伏期間は7日から15日ですが、数ヶ月の潜伏期間後に症例が発生する事例も、患者や原虫種によって指摘されています。マラリアは、発熱や悪寒・頭痛・筋肉痛・倦怠感といったインフルエンザ様症状によって特徴づけられます。これらの症状は間隔をおいて出現することがあります。さらなる情報は、ECDCのファクトシートに記載されています。