アジアにおける手足口病について(2)

2011年10月11日 WPRO(原文[英語]へのリンク)

2011年10月2日現在、最新のデータは、国によって様々です。
べトナムは、手足口病(HFMD)の活動がいまだ継続しています。中国、日本、マカオ、韓国では、HFMDの症例報告数は、減少傾向にあります。シンガポールでは、低い活動が継続しています。HFMD症例の多くは、日本では、コクサッキーウイルスA6群(CA6)ですが、ベトナムやマカオでは、エンテロウイルス71(EV71)の比率が高くなっています。

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中国
2011年1月から9月まで1,217,768名(うち死者399名)のHFMD症例が報告されています。6月をピークとして、毎月の報告数は減少しています。8月の報告数が132,154名だったのに対し、9月は120,802名となっています。

香港(中国)
2011年10月1日時点で、342名の入院患者が報告されています。定点報告に基づき、一般外来診療所では1,000受診者数当たり0症例、一般開業医では1000受診者数当たり1.6症例となっています(10月1日終了週)。

マカオ(中国)
2011年1月から8月にかけて、914名のHFMD症例が報告されています。ここ数ヶ月間、症例報告数が減少しています(6月は356名、7月は184名、8月は83名)。399名のHFMD症例中、106名からウイルスが検出されており、54名(51%)はエンテロウイルス71(EV71)、40名(38%)はコクサッキーウイルスA群、2名(2%)がコクサッキーウイルスB群、10名(9%)がエコーウイルスでした。

日本
HFMDサーベイランスは、定点報告により実施されています。306,944症例が、2011年10月2日の週までに報告されています。症例報告数の傾向は、過去3週間で減少しています。9月26日から10月2日で、8,030症例(定点あたり2.57件)が報告されています。2011年(9月11日現在)にウイルスが検出された988件のHFMDサンプルの中で、56%がコクサッキーウイルスA6群(CA6)、16%がコクサッキーウイルス群A16(CA16)、0.3%がエンテロウイルス71(EV71)、他は別のウイルスでした。

韓国
HFMDサーベイランスは、定点報告により実施されています。定点報告に基づいて、9月18日から9月24日の間で、外来患者1,000人あたり1.6症例、2011年9月24日の最終週までに、外来患者1,000人あたり10.2症例です。

シンガポール
2011年10月1日時点で、14,146名のHFMD症例が報告されています。警戒レベルを下回り、低い活動性が続いています。9月25日から10月1日までに559名の症例が発生しています。

ベトナム
2011年1月1日から9月30日までで、61,805名(うち死者114名死亡)が報告されています。死亡数の四分の三は3歳未満の小児です。毎週新規患者が2,000例から報告され、活動性が持続しています。症例発生や死亡のほとんどが、国内南部地域で発生しています。2011年9月30日時点で、HFMDの総数のうち、EV71が半数近く(42.8%)を占めています。現在の対応:(1)HFMDに対する予防対策について情報提供の強化(2)サーベイランスの強化、早期発見、早期治療(3)教育省と保健省が協力し、幼稚園教員と医療従事者に、HFMDの予防の訓練を身につけさせること(4)幼稚園や学校などを閉鎖することで暴露を減らすこと(5)症例の臨床管理や院内感染制御についての再検討(6)ホーチミン市とニャチャン・パスツール研究所へ22,415kgのChloraminBの配分

出典

WPRO:「Hand, Foot and Mouth Disease(HFMD)」

http://www.wpro.who.int/health_topics/hfmd/