アジアにおける手足口病について(7)

2011年12月20日 WPRO(原文[英語]へのリンク

2011年12月16日現在、最新データは、国により様々です。

ベトナムは、手足口病(HFMD)の活動性が若干減少しています。シンガポール、香港、マカオ、日本、韓国で、HFMDの活動性は低いままです。中国では、HFMDの症例報告数が2011年10月からわずかに増加しています。日本のHFMD症例のほとんどは、コクサッキーウイルスA6群(CA6)ですが、ベトナムやマカオでは、HFMDに関連するエンテロウイルス71(EV-71)の割合が高くなっています。

図.アジアにおける手足口病について

中国

2011年1月から11月までに、1,512,064人(うち470人死亡)のHFMD症例が報告されています。毎月の症例報告数は6月がピークですが、11月にその増加が見られました。報告数は、9月が120,802人、10月が122,491人であるのに対し、11月が171,805人でした。

香港(中国)

2011年12月10日時点で、420人の入院患者が報告されています。12月4日から10日までの週の定点報告では、一般外来診療で1,000受診者数当たり0.0症例、一般開業医で1,000受診者数当たり1.1症例となっています。

マカオ(中国)

2011年1月から12月16日までに、1,181人のHFMD症例が報告されています。全体的な水準は低いままです。

日本

HFMDのサーベイランスは、定点報告により実施されています。2011年12月11日時点で、342,056症例が定点報告されています。症例報告数の動向としては、減少が続いており、2011年12月5日から11日までの週には、2,397症例が報告されています(定点当たり0.76症例)。

韓国

HFMDのサーベイランスは、定点報告により実施されています。定点報告に基づいて、11月26日から12月3日までの週で、外来患者1,000人当たり0.6症例、2011年11年19日までの週で、外来患者1,000人当たり7.7症例です。

シンガポール

2011年12月10日時点で、19,654人のHFMD症例が報告されています。2011年12月4日から10日まで464症例で、警戒レベルを下回っています。

ベトナム

2011年1月1日から12月14日までに、106,508人(うち162人死亡)のHFMD症例が全63の省レベルから報告されています。2011年12月8日から14日までの間に、2,308症例が報告されていますが、前の週に比べて1.7%の減少が見られます。

タイ

2011年1月1日から12月3日までに、16,304症例(うち4人死亡)が77の県レベルから報告されており、中央地域でもっとも症例数が多くなっています(7,136症例)。症例の大多数は、1歳から3歳の小児です。

台湾

HFMDの活動性の上昇は、台湾中央部と南部で報告されています。2012年1月9日までにEV-71による56の重症症例(うち3人死亡)が報告されています。

出典