メディカル(医療)ツーリズム—外国で医療を受ける

2012年2月27日 CDC特別記事 (原文〔英語〕へのリンク

ご注意:本内容は米国CDCの見解です。参考としてお読み下さい。

外国で医療を受けることにはリスクが伴う可能性があります。そのリスクを理解し極力少なくするようにしましょう。

医療を受けるために外国へ渡航する

“メディカルツーリズム”は医療行為を受けるために外国へ渡航することを意味します。毎年750,000人もの米国住民が医療のために外国へ渡航していると見積もられています。医療のために渡航する多くの人々は外国での医療費が安価なので渡航します。またメディカルツーリズムの多くは治療のために母国へ帰る米国移民です。メディカルツーリズムに出かける人々が受ける医療行為の多くは、美容外科、歯科、心臓外科などです。

メディカルツーリズムのリスク

メディカルツーリズムの特殊なリスクは訪れる地域と受ける医療行為によりますが、一般的な事柄もあります。

  • コミュニケーションが問題になるかもしれません。あなたが流暢に話すことのできない言語を使用する医療機関で医療を受けることは、医療に関する誤解を招く機会が増大します。
  • 医師が患者間で注射針を再使用するかもしれませんし、他の安全ではない注射手段を採るかもしれません。そのようなことで肝炎やHIVのような疾患を伝播させる可能性があります。
  • 国によっては薬剤が偽物であったり低品質である可能性があります。
  • 抗生剤耐性化も世界的な問題で、他の国では米国よりも耐性菌が多い可能性があります。
  • いくつかの国では輸血は主に売血由来でスクリーニングを受けていない可能性があります。それによりHIVや血液を介した感染症のリスクが生じます。
  • 術後の航空機移動は血栓のリスクが増大します。

あなたにできること

  • もし外国で医療行為を受けることを計画しているのなら、旅行の少なくとも4-6週間前には渡航医学専門医を受診し、健康な旅行に関する一般的な情報、医療行為に関する特殊なリスク、医療行為前後の旅行に関するリスクに関して面談を受けましょう。
  • 医療行為を行う医療従事者の資格をチェックし医療行為を受けようとする施設の証明書を確認しましょう。国際合同委員会(The Joint Commission International)(US基準)が特別な基準に基づき医療施設を認定しています。
  • 医療機関や旅行を手配する関係グループと書面で同意書をかわし、治療、備品、医療行為のどこまでが旅行費用として含まれるのかを定義して下さい。
  • もし医療行為で不都合が生じた場合、あなたがどのような合法的な行動がとれるのかをはっきりさせて下さい。
  • あなたの話さない言語圏の国へ行く場合は,前もって主治医や看護担当の人たちとどのようにコミュニケーションを取るのかを決めて下さい。
  • 検査データやケアを受けている健康状態に関する検査結果、可能性のあるアレルギーを含む医療記録のコピーを入手して下さい。
  •  商品名、一般名、製造会社、量を含めた全ての処方薬、全ての投薬された薬剤のリストのコピーを準備して下さい。
  • 出発前に、現居住地の医療機関でフォローアップケアの調整をして下さい。
  • 日光浴、飲酒、水泳、長期旅行など休暇活動を計画する前に、そのような行動が術後に可能なのかを確認して下さい。
  • 帰国前に全ての医療記録のコピーを入手して下さい。         

専門機関からの手引き書 (以下リンク〔英文〕)

American Medical Association Guidelines on Medical Tourism [PDF形式:20KB]

Organization for Safety, Asepsis,& Prevention's Travelers Guide to Safe Dental Care

The International Society of Aesthetic Plastic Surgery Guidelines for Travelers 

Cosmetic Surgery Tourism Briefing Paper

CDC Yellow Book2012information on Medical Tourism

出典

CDC
Medical Tourism-Getting Medical Care in Another Country
https://www.cdc.gov/Features/MedicalTourism/