米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて(更新5)

2012年8月17日 CDC (原文〔英語〕へのリンク

2011年8月以降、米国では変異型のインフルエンザA型ウイルスに感染した患者が確認されており、主に、H3N2の変異型ウイルス(H3N2v)に感染していました。H3N2vは、インフルエンザA(H1N1)09pdm由来のM遺伝子を持っており、この遺伝子があることで、他の変異型のインフルエンザに比べて、人に感染しやすくなっているかもしれません。このウイルスは、多くの州の豚からも検出されています。

2012年8月17日に公表されたCDCの情報によりますと、新たに71人の患者が報告され、今年の7月以降に報告された患者数は合計224人になりました。これまでに、8人が入院していますが、全員、回復しており、死亡者はいません。CDCは状況を注視しており、確定患者は豚との接触に関連していると報告しています。新たな患者の報告があった州は、イリノイ州(2人)、インディアナ州(18人)、ミシガン州(1人)、オハイオ州(41人)、ペンシルバニア州(4人)、ウエストバージニア州(3人)、ウィスコンシン州(2人)です。

州別のH3N2v報告数 2011年の感染者数 2012年の感染者数
ハワイ 1
イリノイ 3
インディアナ 2 138
アイオワ 3
メイン 2
ミシガン 1
オハイオ 72
ペンシルバニア 3 4
ユタ 1*
ウエストバージニア 2 3
ウィスコンシン 2
合計 12 225

*ユタ州の感染者は2012年4月に発生しており、最近の感染者ではありません。

季節性インフルエンザの予防と同様に、いつも、手洗いや咳エチケットなどの衛生習慣を実行することが重要です。小児、妊婦、65歳以上の高齢者、免疫抑制状態にある人は、動物が周囲にいる時には、特に注意が必要です。豚との濃厚接触がある人は、豚と人との間にインフルエンザが伝播するリスクを減らすために手指衛生や咳エチケットなどの感染予防対策が勧められます。可能であれば、病気のようにみえる動物や病気の動物との濃厚接触を避けるべきです。また、インフルエンザのような症状が出た人は、豚との接触を避けるべきです。

出典

CDCInformation on Influenza A(H3N2)Variant Viruses(“H3N2v”)(2012年8月17日更新)http://www.cdc.gov/flu/swineflu/influenza-variant-viruses-h3n2v.htm

CDC More H3N2v Cases Reported, Still Linked to Pig Exposure(2012年8月17日)
http://www.cdc.gov/flu/spotlights/more-h3n2v-cases-reported.htm

参考

FORTH 最新ニュース

米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて(更新4)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08141105.html

米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて(更新3)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08131022.html

米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて(更新2)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08101410.html

米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて(更新1)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08061321.html

米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/07261538.html

限定的な新型インフルエンザA(H3N2)ウイルスのヒト-ヒト感染(アイオワ州、2011年11月)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2011/11251635.html