米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて(更新7)

2012年8月31日 CDC (原文〔英語〕へのリンク

2011年8月以降、米国では変異型のインフルエンザA型ウイルスに感染した患者が確認されており、主に、H3N2の変異型ウイルス(H3N2v)に感染していました。H3N2vは、インフルエンザA(H1N1)09pdm由来のM遺伝子を持っており、この遺伝子があることで、他の変異型のインフルエンザに比べて、人に感染しやすくなっているかもしれません。このウイルスは、多くの州の豚からも検出されています。

2012年8月31日に公表されたCDCの情報によりますと、先週、新たに12人の患者が報告され、今年の7月以降に報告された患者数は合計288人になりました。これまでに、入院した患者は15人と報告されています。また、オハイオ州から報告された患者1人が死亡しました。死亡したのは複数の基礎疾患を有していた高齢者で、農業フェアで豚に直接接触していたと報告されています。

新たに、ミネソタ州(1人)、オハイオ州(3人)、ペンシルバニア州(1人)、ウィスコンシン州(7人)から患者が報告されました。

現時点では、人-人感染は限られており、持続的な人-人感染は確認されていません。

2011年8月以降に報告されたH3N2vの感染者数(州別)
2011年の感染者数2012年の感染者数
ハワイ1
イリノイ4
インディアナ2138
アイオワ3
メイン2
メリーランド12
ミシガン5
ミネソタ2
オハイオ101
ペンシルバニア37
ユタ1*
ウエストバージニア23
ウィスコンシン15
合計12289

*ユタ州の感染者は2012年4月に発生しており、最近の感染者ではありません。

季節性インフルエンザの予防と同様に、いつも、手洗いや咳エチケットなどの衛生習慣を実行することが重要です。小児、妊婦、65歳以上の高齢者、免疫抑制状態にある人は、動物が周囲にいる時には、特に注意が必要です。豚との濃厚接触がある人は、豚と人との間にインフルエンザが伝播するリスクを減らすために手指衛生や咳エチケットなどの感染予防対策が勧められます。可能であれば、病気のようにみえる動物や病気の動物との濃厚接触を避けるべきです。また、インフルエンザのような症状が出た人は、豚との接触を避けるべきです。

出典

参考

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