2013年のニュース

世界におけるインフルエンザ流行状況 (更新12)

2013年6月21日 WHO ( 原文〔英語〕へのリンク )

要約

北半球の温帯地域におけるインフルエンザの活動性は低い水準に低下しました。

 アジアの熱帯地域におけるインフルエンザの活動性も低下しましたが、スリランカとベトナムでは、インフルエンザA型の活動性が増加し続けています。

 中米とカリブ海諸国のインフルエンザの活動性は前週に比べ、依然として低いか同様ですが、キューバとドミニカ共和国ではインフルエンザの活動性が増加したと報告されました。

 南半球のインフルエンザ活動性は、南米と南アフリカで若干増加し始めましたが、オセアニアでは依然として低い水準です。南米では、RSウイルスが優勢ですが、インフルエンザが陽性になる割合が増加しました。

 中国のH7N9に関する情報はWHOのウェブサイトを参照して下さい.
  
WHOホームページ:鳥インフルエンザA(H7N9)

北半球の温帯地域

北米

 北米におけるインフルエンザの活動性は、ほとんどの地域で低い水準に低下しました。

 カナダでは、インフルエンザが陽性になる割合は低下し続けており、5月の最終週には3.4%となりました。依然として、インフルエンザB型が優勢です。国のインフルエンザ様疾患(ILI)の受診は過去8週間にわたって変動がありませんが、過去5週間、予想される範囲を上回っています。

 米国では、インフルエンザの活動性が低下し続けており、シーズンオフの水準に戻りました。全国的には、ILIの外来受診率は0.9%となり、国の閾値である2.2%を下回りました。協力センターでは2,746検体の検査が行われ、インフルエンザが陽性であったのは177検体(6.5%)でした。依然として、インフルエンザB型が優勢です。

 メキシコが過去数週間にわたってインフルエンザの活動性に変化はなく、大部分はインフルエンザA(H3N2)でした。5月中旬から6月第1週にインフルエンザが陽性であった検体は7.5%でした。インフルエンザが陽性であった検体のうち、71.5%がインフルエンザA(H3N2)でした。

ヨーロッパ

 ヨーロッパにおけるインフルエンザの活動性は低下し続けており、シーズンオフの水準となりました。ILIと急性呼吸器感染症(ARI)の受診率はヨーロッパのすべての国で低い水準となりました。定点機関で採取された98検体のうち、2検体(2%)がインフルエンザ陽性でした。5月20日以降、インフルエンザウイルスは116株検出されたと報告されており、66%がインフルエンザB型でした。

アフリカ北部と西アジア

 アフリカ北部と西アジアにおけるインフルエンザの活動性はシーズンオフの水準のようです。西アジアのほとんどの地域では、シーズン中インフルエンザA(H1N1)pdm09が主に検出されました。しかし、ヨルダンとパキスタンでは、特に最近数週間は、主にインフルエンザB型が検出されたと報告されました。

北アジア

 アジアの温帯地域では、ほとんどの地域でインフルエンザの活動性が過去数週間以上にわたって徐々に減少し、シーズンオフの水準に達しつつあります。

 中国では、5月30日現在、鳥インフルエンザA(H7N9)の患者が132人報告されており、そのうち39人が死亡しました。詳細な情報と更新情報は、WHOのウェブサイトを参照して下さい.
 WHOホームページ:鳥インフルエンザA(H7N9)

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域(中米、カリブ海諸国)

 カリブ海諸国と中米におけるインフルエンザの活動性は、前週に比べ、依然として低いか同様の水準です。しかし、キューバとドミニカ共和国では、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスの高い活動性が報告されました。この地域の国での急性呼吸器疾患は、依然として低いか予想された範囲内であり、重症急性呼吸器感染症(SARI)による入院の割合は2.6%でした。

 キューバでは、インフルエンザの活動性が増加したと報告されており、5月中旬以降、462検体のうち35.7%がインフルエンザ陽性でした。インフルエンザA型のうち、96%がインフルエンザA(H1N1)pdm09で、残りがインフルエンザA(H3N2)でした。キューバでは、ライノウイルスとパラインフルエンザウイルスも流行しています。ドミニカ共和国でも、インフルエンザの活動性が増加しており、インフルエンザが陽性となった検体の割合が、4週間前には14.6%でしたが、最近の週では、218検体のうち75%に増加し、検出されたのは、ほとんどがインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスでした。1月以降、インフルエンザA(H1N1)pdm09による死亡者が9人報告されましたが、そのうち4人は妊婦でした。

 南米の熱帯地域におけるARIの活動性は、依然として同様の水準ですが、コロンビアとベネズエラでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の伝播が続いています。

 コロンビアでは、SARIによる入院とSARIによるICU(集中治療室)への入院割合が増加し続けています。過去2週間に436検体が解析され、呼吸器疾患を起こすウイルスが検出された割合は27%でした。検出された呼吸器疾患を起こすウイルスのうち、48%が、インフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 ベネズエラでは、ARIの活動性が増加し、この時期における流行閾値を超え、過去数週間で肺炎患者も増加傾向にあるものの予想された範囲内であると報告されました。インフルエンザが陽性となった検体のうち、84.2%がインフルエンザA(H1N1)pdm09で、次いでインフルエンザA(H3N2)が多く検出されたと報告されました。

中部アフリカ

 中部アフリカの熱帯地域の多くの国では、過去数週間にわたって、活動性は低い水準と報告されていますが、カメルーン、コートジボワール、ケニア、マダガスカルは例外です。カメルーンとコートジボワールではインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型がともに伝播しており、ケニアでは、インフルエンザB型とインフルエンザA(H3N2)が検出されています。

アジアの熱帯地域

 東南アジアにおけるインフルエンザの伝播は徐々に減少し、南アジアにおける伝播は過去数週間にわたって低い水準が続いています。しかし、どちらの地域も、検査されたウイルスのうち、インフルエンザA型の占める割合がインフルエンザB型に比べて増加しました。東南アジアにおけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準ですが、ベトナムでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスの増加が報告されました。南アジアでは、スリランカで、過去数週間にわたって、インフルエンザA型の活動性がインフルエンザB型に比べて増加しました。インドでは、インフルエンザA(H3N2)が優勢で、数週間前に比べ、インフルエンザA(H1N1)pdm09は非常に少数でした。イランとパキスタンは低い水準の活動性です。中国南部におけるインフルエンザの活動性も依然として低い水準です。

南半球の温帯地域

南米の温帯地域

 南米の温帯地域では、急性呼吸器疾患の活動性は増加し続けており、南回帰線以南の地域では、流行閾値に近づいているか、閾値に達したと報告されました。ILIとSARIの活動性の増加は、主にRSウイルスによるものですが、インフルエンザが陽性になる割合も増加しており、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が検出されています。

 アルゼンチンにおけるインフルエンザの活動性は、この時期として予想される曲線を示しています。6月1日以降、2,445検体が解析され、このうち43%で呼吸器疾患を起こすウイルスが検出されました。検出されたウイルスのうち、57%がRSウイルスで、18%がインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 チリにおけるインフルエンザの活動性も増加していますが、依然として、RSウイルスが高頻度に検出されています。国のILIの受診率は増加傾向を示しており、流行閾値に達しています。採取された2,405検体のうち、31%で呼吸器疾患を起こすウイルスが検出されました。検出されたウイルスのうち、40%がRSウイルス、18%がパラインフルエンザウイルス、17%がインフルエンザA(H1N1)pdm09、12%が亜型不明のインフルエンザA型でした。

 パラグアイはILIの受診率が増加したと報告しました。6月1日以降に解析された289検体のうち、35%で呼吸器疾患を起こすウイルスが検出されました。検出されたウイルスのうち、76 %がRSウイルス、15%がインフルエンザA(H3N2)、次いで、インフルエンザA(H1N1)pdm09が多く検出されました。SARI患者から採取された109検体のうち、RSウイルスが最も多く検出されました。

 ウルグアイでは、過去数週間にわたって、SARIによる入院とSARIに関連したICUへの入院の割合が増加しました。6月1日以降に解析された46検体のうち、26%で呼吸器疾患を起こすウイルスが検出され、インフルエンザウイルスは4%でした。RSウイルスが最も多く検出されたウイルスでした。

南アフリカの温帯地域

 南アフリカでは、ILIとSARIの患者数が増加傾向にあると報告されました。インフルエンザの活動性は4月下旬以降、増加し続けています。インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢であり、9か所の地域の定点機関で採取された464検体の35.6%から検出されました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア

 オーストラリア、ニュージーランドや太平洋諸島におけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準と報告されました。

 オーストラリアでは、6月2日から8日に受け取られたILI患者の検体数は234検体で、インフルエンザA(H1N1)pdm09が3検体、インフルエンザA(H3)が3検体、インフルエンザB型(系統不明)が1検体でした。ニュージーランドでは、6月3日から9日、インフルエンザの活動性は、依然として閾値を下回っています。202検体のうち15検体がインフルエンザ陽性であり、インフルエンザB型(系統不明)が12検体、インフルエンザA(H1N1)pdm09が1検体、インフルエンザA型(亜型不明)が2検体でした。

出典

Influenza update  21 June 2013 – Update number 188
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_
surveillance/en/index.html