2013年のニュース

世界におけるインフルエンザ流行状況 (更新13)

2013年7月5日 WHO ( 原文〔英語〕へのリンク )

要約

北半球の温帯地域におけるインフルエンザの活動性は依然としてシーズンオフの水準でした。

    アジアの熱帯地域のほとんどではインフルエンザの活動性は低下しましたが、スリランカとベトナムでは、依然としてインフルエンザA型の活動性が比較的高い水準でした。

  中米とカリブ海諸国のインフルエンザの活動性は前週に比べ、依然として低いか同様でしたが、キューバとドミニカ共和国ではインフルエンザの活動性が高く、コスタリカ、エルサルバドル、パナマでは増加し始めたと報告されました。

  南半球のインフルエンザ活動性は、南米と南アフリカでかなり増加しましたが、オセアニアでは依然として低い水準でした。南米では、依然としてRSウイルスが優勢ですが、インフルエンザが陽性になる割合が増加し続けました。

   7月5日時点で、中国でH7N9に感染した患者は133人と報告されました(132人は中国の国家衛生・計画出産委員会から報告され、1人は衛生署疾病管制局から報告されました)。このうち43人が死亡しました。詳細な情報や更新情報はWHOのウェブサイトを参照して下さい。
 
WHOホームページ 

北半球の温帯地域

北米

 北米におけるインフルエンザの活動性は、ほとんどの地域で低い水準に低下し続けました。

 カナダでは、インフルエンザが陽性になる割合は低下し続けており、6月第2週には1.1%となりました。国のインフルエンザ様疾患(ILI)の受診率は過去10週間にわたって変動がありませんが、過去7週間、予想される範囲を上回りましたが、ほとんどはライノウイルスによるものと考えられています。

 米国では、インフルエンザの活動性は依然として低く、シーズンオフの水準でした。全国的には、ILIの外来受診率は0.8%となり、国の閾値である2.2%を下回りました。6月16日以降、1,925検体の検査が行われ、インフルエンザが陽性であったのは3.5%で、前週よりも減少しました。米国では、最近、インフルエンザA(H3N2)vウイルスに感染した患者が4人報告されました。詳細な情報は、米国疾病予防管理センター(CDC)のウェブサイトを参照してください。
 http://www.cdc.gov/flu/spotlights/h3n2v-firstcases-2013.htm

 メキシコでは、過去数週間にわたってインフルエンザの活動性に大きな変化はなく、大部分はインフルエンザA型でした。5月の最終週から6月第3週にインフルエンザが陽性であった検体は7.6%でした。インフルエンザが陽性であった検体のうち、51.5%がインフルエンザA(H3N2)で、39.4%がインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。前週に比べ、急性呼吸器感染症(ARI)の患者は若干増加し、肺炎の患者は減少し、全体的にはどちらも減少傾向を示しました。

ヨーロッパ

 ヨーロッパにおけるインフルエンザの活動性は依然としてシーズンオフの水準でした。ILIとARIの受診率は、ヨーロッパのすべての国で低い水準でした。定点機関で採取された検体でインフルエンザが陽性となった検体はありませんでした。5月20日以降、インフルエンザウイルスは231株検出されたと報告されており、55%がインフルエンザB型でした。

アフリカ北部と西アジア

 アフリカ北部と西アジアにおけるインフルエンザの活動性は低い水準です。西アジアのほとんどの地域では、シーズン中、インフルエンザA(H1N1)pdm09が主に検出されました。しかし、ヨルダンでは、大部分がインフルエンザB型であったと報告されました。

北アジア

 アジアの温帯地域では、ほとんどの地域でインフルエンザの活動性が過去数週間以上にわたって徐々に減少し、シーズンオフの水準に達しつつあります。

 中国では、7月5日現在、インフルエンザA(H7N9)の患者が133人報告されており、そのうち43人が死亡しました。詳細な情報と更新情報は、WHOのウェブサイトを参照して下さい。
 WHOホームページ : 鳥インフルエンザA(H7N9)

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域(中米、カリブ海諸国)

 カリブ海諸国と中米におけるインフルエンザの活動性は、前週に比べ、低いか同様の水準が続きました。しかし、キューバとドミニカ共和国では、インフルエンザA(H1N1)pdm09の高い活動性が続いたと報告されました。また、コスタリカではインフルエンザA(H1N1)pdm09の活動性が増加し、エルサルバドルとパナマではインフルエンザA(H3N2)が増加したと報告されました。

 キューバにおけるインフルエンザの活動性は依然として高く、5月末以降、604検体のうち35.3%がインフルエンザウイルス陽性でした。インフルエンザA型のうち、86.8%がインフルエンザA(H1N1)pdm09で、13.2%がインフルエンザA(H3N2)でした。キューバでは、ライノウイルスとパラインフルエンザウイルスも流行しています。ドミニカ共和国でも、インフルエンザの活動性は依然として高く、インフルエンザが陽性となった検体の割合が、6週間前には14.6%でしたが、最近の週では、166検体のうち45.9%に増加し、検出されたのは、ほとんどがインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 コスタリカはインフルエンザの活動性が増加していると報告し、インフルエンザウイルスが陽性となった検体の割合は、5月末は5%でしたが、最近の週では42%でした。インフルエンザA(H1N1)pdm09が主に流行しているウイルスです。エルサルバドルとパナマもインフルエンザの活動性が増加していると報告しました。両国とも、過去3週間にインフルエンザが陽性となった検体はすべてインフルエンザA(H3N2)でした。

 南米の熱帯地域におけるARIの活動性は、依然として同様の水準ですが、コロンビア、ブラジル、ベネズエラでは、活動性が増加したようです。

 コロンビアでは、重症急性呼吸器感染症(SARI)による入院とSARIによるICU(集中治療室)への入院割合が、前週に比べて増加し続けています。過去2週間に125検体が解析され、呼吸器疾患を起こすウイルスが検出された割合は31%でした。検出された呼吸器疾患を起こすウイルスのうち、28%が、インフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 ベネズエラでは、ARIの活動性が増加し、この時期における流行閾値を超え、過去数週間で肺炎患者も増加したと報告されました。インフルエンザが陽性となった検体のうち、90.8%がインフルエンザA(H1N1)pdm09で、次いでインフルエンザA(H3N2)が多く検出されたと報告されました。

 ブラジルでは、ILIの患者とSARIの患者が増加傾向にあると報告され、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型の伝播が関連しました。

中部アフリカ

 中部アフリカの熱帯地域の多くの国では、過去数週間にわたって、活動性は低い水準と報告されましたが、カメルーン、コートジボワール、マダガスカルは例外でした。カメルーンとコートジボワールでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型がともに伝播したと報告されました。マダガスカルにおけるインフルエンザの活動性は、5月末にピークに達した後、減少し始めましたが、インフルエンザが陽性となった検体の割合は43%であり、依然として高い水準でした。

アジアの熱帯地域

 東南アジアにおけるインフルエンザの伝播は徐々に減少し、南アジアにおける伝播は過去数週間にわたって低い水準が続きました。どちらの地域も、インフルエンザA型がインフルエンザB型よりも高い割合でした。東南アジアにおけるインフルエンザの活動性は、ほとんどの地域で依然として低い水準でしたが、ベトナムでは、過去数週間にわたって、主にインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザA(H1N1)pdm09がともに伝播しました。タイも過去数週間に比べ、インフルエンザA(H3N2)が若干増加したと報告しました。南アジアでは、スリランカで、過去数週間にわたって、インフルエンザA型の活動性がインフルエンザB型に比べて増加しました。インドでは、インフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、数週間前に比べ、割合は減少しました。イランとパキスタンも低い水準の活動性でした。中国南部におけるインフルエンザA(H1N1)pdm09の活動性は徐々に減少しました。

南半球の温帯地域

南米の温帯地域

 南米の温帯地域では、急性呼吸器疾患の活動性は高く、増加傾向を示しました。ILIとSARIの活動性の増加は、主にRSウイルスによるものですが、インフルエンザが陽性になる割合も増加しており、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)がともに伝播しました。

 アルゼンチンでは、ILIとSARIの活動性が流行閾値を超え、増加傾向を示しました。今シーズンは、これまでに、呼吸器疾患を起こすウイルスが陽性となった検体の半数以上はRSウイルスでしたが、インフルエンザウイルスの検出数は増加しており、過去のシーズン(2009年を除く)に比べ、陽性検体数の増加が早期にみられました。5月以降736検体が検査され、インフルエンザA型が99%(728検体)、インフルエンザB型が1%(8検体)でした。インフルエンザA型陽性検体で、亜型が解析された574検体のうち、89%(509検体)がインフルエンザA(H1N1)pdm09で、11%(65検体)がインフルエンザA(H3N2)でした。10歳以下の小児では、主に検出されたウイルスはRSウイルスでしたが、15歳より高い年齢層では、インフルエンザウイルスが主に検出されました。

 チリにおけるインフルエンザの活動性も増加していますが、依然として、RSウイルスが高頻度に検出されました。国のILIの受診率は増加傾向を示しており、過去数週間で流行閾値に達しました。採取された3,060検体のうち、36%で呼吸器疾患を起こすウイルスが検出され、インフルエンザウイルスが陽性となったのは12%でした。検出されたウイルスのうち、48%がRSウイルス、29%がインフルエンザA(H1N1)pdm09または亜型不明のインフルエンザA型でした。

 パラグアイはILIの受診率、ILIの割合、SARIに関連した入院の割合は、過去数週間と同様で、増加傾向にあると報告しました。6月9日以降に解析された463検体のうち、57%で呼吸器疾患を起こすウイルスが検出され、インフルエンザウイルスが陽性となったのは16%でした。検出されたウイルスはRSウイルス(69 %)とインフルエンザA(H3N2)(23%)が多くを占めました。SARIの患者から採取された148検体では、RSウイルスが最も多く検出されました。

 ウルグアイでは、SARIによる入院とSARIに関連したICUへの入院の割合が増加し続けましたが、SARIによる死亡は過去3週間で減少しました。6月9日以降に解析された77検体のうち、34%で呼吸器疾患を起こすウイルスが検出され、インフルエンザウイルスは18%でした。インフルエンザが陽性となった検体の割合は増加し、RSウイルスは優勢ではなくなりました。26検体の陽性検体のうち、12検体(46%)はインフルエンザA(H1N1)pdm09で、9検体(35%)がRSウイルスでした。

南アフリカの温帯地域

 南アフリカでは、ILIとSARIの患者が増加傾向にあると報告されました。インフルエンザの活動性は4月下旬以降、増加し続けました。依然としてインフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢ですが、インフルエンザA(H3N2)も報告されました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア

 オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島におけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準と報告されました。

 オーストラリアでは、6月16日から22日に受け取られたILI患者の検体数は278検体で、インフルエンザA(H3)が陽性であったのは4検体でした。ニュージーランドでは、6月7日から23日、インフルエンザの活動性は、依然として閾値を下回っていましたが、増加傾向にありました。226検体のうち22検体がインフルエンザ陽性であり、インフルエンザB型(系統不明)が11検体、インフルエンザA(H3N2)が6検体、インフルエンザA(H1N1)pdm09が3検体、インフルエンザA型(亜型不明)が2検体でした。

出典

Influenza update  5 July 2013 – Update number 189
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_
GIP_surveillance/en/index.html