2013年のニュース

世界におけるインフルエンザ流行状況 (更新19)

2013年9月30日 WHO ( 原文〔英語〕へのリンク )

要約

北半球の温帯地域におけるインフルエンザの活動性は依然としてシーズンオフの水準でした。

アジアの熱帯地域のほとんどでは、インフルエンザの活動性は低下しましたが、香港と中国では、インフルエンザA(H3N2)ウイルスに関連した活動性が高まりました。

中米のカリブ海諸国と南米の熱帯地域では、インフルエンザのシーズンは終息に向かっているようです。急性呼吸器感染症は減少し続けました。今年5月以降、呼吸器疾患を起こすウイルスとして主に報告されたウイルスはRSウイルスが優勢で、このほか、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)が報告されました。

南米の温帯地域と南アフリカでは、インフルエンザの活動性は6月下旬にピークに達しました。これらの地域では、今シーズンにおけるインフルエンザの活動性は、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09が関係しましたが、7月以降はインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型の増加がみられました。

オーストラリアとニュージーランドのインフルエンザシーズンは、例年よりも遅く、8月に始まりました。オーストラリアでは、9月中旬にインフルエンザの活動性が低下したようです。両国とも、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザB型がともに報告されました。

季節性のインフルエンザウイルス以外のインフルエンザウイルスに関する詳細な情報は、世界保健機関(WHO)のウェブサイトを参照してください。
 http://who.int/influenza/human_animal_interface/HAI_Risk_Assessment/en/index.html

北半球の温帯地域

北米

 全体として、北米全域におけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準でした。カナダと米国におけるインフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。メキシコにおけるインフルエンザの活動性は、2か月間(7月から8月)に高まった後、依然として低い水準でした。

ヨーロッパ

 ヨーロッパにおけるインフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。インフルエンザ様疾患(ILI)と急性呼吸器感染症(ARI)の受診率は、すべての国で低い水準でした。定点機関で採取された検体で、インフルエンザが陽性となった検体はありませんでした。

アフリカ北部と西アジア

 アフリカ北部と西アジアにおけるインフルエンザの活動性は低い水準でした。

北アジア

 アジアの温帯地域におけるインフルエンザの活動性は、5月下旬以降、依然としてシーズンオフの水準でした。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域

 全体として、カリブ海諸国と中米におけるインフルエンザの活動性は、全域で低い水準でした。キューバ、ドミニカ共和国、パナマ、ニカラグアでは、インフルエンザA型の減少がみられ、これらの国におけるインフルエンザの伝播は過去数週間で終息に向かっているようです。インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)がともに伝播したと報告され、ホンジュラスではインフルエンザB型が報告されました。

 南米の熱帯地域では、インフルエンザの活動性は全体的に低下し、この地域のインフルエンザシーズンの終息を示しました。コロンビアでは、外来受診率、入院率、ARIに関連した集中治療室(ICU)への入院割合は、前週から著しい変化はなく、全体として減少傾向を示しました。ベネズエラにおけるARIと肺炎の水準は、6月上旬にピークに達した後、この時期に想定される活動性の水準に戻りました。エクアドルにおける重症急性呼吸器感染症(SARI)に関連した入院患者の割合は前週と比べて変化はありませんでしたが、昨年の同時期に比べて高い水準でした。スリナムでは、SARIによる入院の割合は過去数週間に比べて増加し、今年2月から8月までにSARIの患者が10人死亡したと報告されました。ボリビアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型がともに伝播し続けましたが、過去数週間にわたってインフルエンザの伝播は減少しました。ブラジルは、この地域の他の国と同様で、ILIやSARIの患者からのインフルエンザウイルスの検出は減少しました。

中部アフリカの熱帯地域

 コートジボワール、ガーナ、ケニアでは、インフルエンザウイルスが伝播していると報告されました。コートジボワールにおけるインフルエンザの伝播はインフルエンザB型が優勢と報告されたのに対して、ガーナではインフルエンザA(H3N2)がより多く検出されました。ケニアでは、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザB型がともに伝播したと報告されました。カメルーンにおけるインフルエンザの活動性は低い水準と報告されました。マダガスカルにおけるインフルエンザの活動性は、5月末にピークに達した後、過去数週間でわずかに高まり、現在は、インフルエンザB型のみが検出されています。

アジアの熱帯地域

 南アジアのほとんどの国で、インフルエンザの伝播は低い水準でした。この地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)ウイルスが報告されました。先月以降、香港と中国で、インフルエンザの伝播の増加がみられました。香港におけるインフルエンザの伝播はインフルエンザA(H3N2)が優勢でした。この伝播の増加によって、この地域におけるインフルエンザに関連した入院率にも増加がみられており、先月以降、主に0歳から4歳と65歳以上の年齢層における入院率が増加しました。

 東南アジアでは、全体的に、インフルエンザの活動性は低下しました。タイでもインフルエンザの伝播は過去数週間にわたって減少傾向を示しましたが、依然としてインフルエンザA(H3N2)ウイルスの伝播が報告されました。タイでは、先週、ILIの患者数も閾値を下回りました。

南半球の温帯地域

南米の温帯地域

 南米の温帯地域では、南米の熱帯地域と同様に、インフルエンザシーズンは終息に向かいました。南米の温帯地域におけるインフルエンザとARIの活動性は、この時期に想定される水準にあると報告され、検出された呼吸器疾患を起こすウイルスは、依然として、主にRSウイルスでした。チリでは、ILIに関連した病院の緊急事態の割合は、昨年の同時期の割合よりも低い水準でした。呼吸器疾患を起こすウイルスは、依然として、主にRSウイルスが検出されました。アルゼンチンでは、ILIとSARIの活動性は低下傾向を示しています。パラグアイでは、インフルエンザの伝播は7月上旬以降減少し、最近数週間は、ほとんどがインフルエンザB型でした。一方、ILIの活動性は、依然として高い水準でした。ウルグアイでは、SARIに関連した入院の水準は9月上旬に報告された水準から減少しましたが、昨年同時期に比べ、高い水準を保ちました。

南アフリカの温帯地域

 南アフリカでは、6月にインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動性がピークに達した後、過去数週間でインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型の伝播が増加したことによる小さな2番目のピークがみられました。このインフルエンザ亜型の変化は、ILIの患者とSARIの患者でもみられています。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア

 オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島におけるインフルエンザシーズンの始まりは8月の上旬と非常に遅く、ほとんどの地域では9月中旬に減少しました。

 オーストラリアでは、インフルエンザの活動性は8月に高まり、NNDSS(国の届出疾患サーベイランスシステム)による報告によれば、9月中旬以降低下しました。8月17日から30日までの期間におけるインフルエンザの型と亜型の構成割合は地域によって異なりました。西オーストラリア州では、依然として、インフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、インフルエンザA(H1N1)pdm09の割合が増加していました。ビクトリア州では、依然として、報告されたインフルエンザの半数以上がインフルエンザB型でした。南オーストラリア州、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州では、最近数週間でインフルエンザB型の割合が増加していました。インフルエンザの陽性率は、国内定点研究所サーベイランスの19%(2,114検体中401検体)からオーストラリア定点実地研究ネットワーク(ASPREN)の25.1%(195検体中49検体)まで幅がありました。インフルエンザの合併症を警戒するネットワーク(FluCAN)の定点病院サーベイランスシステムでは、8月最終週に、インフルエンザに関連した入院患者の季節性の増加率は安定したと報告されました。インフルエンザの患者の約15%がICUに直接入院しています。入院患者の年齢分布は、0歳から9歳までと60歳以上の年齢層でピークがみられました。

 ニュージーランドにおけるインフルエンザの活動性は、ほぼ閾値に達し、9月中旬に、依然として増加傾向を示しました。先週受け取られた410検体のうち194検体(47%)でインフルエンザが陽性でした。このうち69検体がインフルエンザB型、65検体がインフルエンザA(H3N2)、23検体がインフルエンザA(H1N1)pdm09、37検体がインフルエンザA(亜型不明)でした。ワイテマタ地区保健局(Waitemata District Health Board)管内におけるインフルエンザの活動性は特に高く、患者10万人当たりのILI患者数は400人を超えました。オークランドとカウンティーズマヌカウ地区保健局(Counties Manukau District Health Boards)管内では、地域サーベイランスと病院サーベイランスで、インフルエンザの活動性が高まりました。

出典

Influenza update  30 September  2013 – Update number 195
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_surveillance
/en/index.html