2013年のニュース

世界におけるインフルエンザ流行状況 (更新20)

2013年10月14日 WHO ( 原文〔英語〕へのリンク )

要約

ヨーロッパでは、多くの国でインフルエンザ様疾患(ILI)の活動性が高まり始めましたが、北半球の温帯地域におけるインフルエンザの活動性は依然としてシーズンオフの水準でした。

アジアの熱帯地域のほとんどでは、インフルエンザの活動性は低い水準でしたが、香港では、インフルエンザA(H3N2)に関連したインフルエンザの伝播の増加がみられました。

中米のカリブ海諸国と南米の熱帯地域では、インフルエンザの患者数は減少しました。しかし、カリブ海諸国と中米における急性呼吸器疾患には、依然として変化がみられませんでした。RSウイルスが優勢でしたが、RSウイルスの活動性は、依然として想定される季節性の水準内でした。

南米の温帯地域と南アフリカでは、インフルエンザの活動性は6月下旬にピークに達しました。南米の温帯地域における急性呼吸器疾患の活動性は、想定される季節性の水準内で、RSウイルスの活動性が大きく低下しました。

オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザウイルスの検出数とILIの割合はピークに達したようです。両国とも、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型がともに報告されました。

季節性のインフルエンザウイルス以外のインフルエンザウイルスに関する詳細な情報は、世界保健機関(WHO)のウェブサイトを参照してください。
http://who.int/influenza/human_animal_interface/HAI_Risk_Assessment/en/index.html

北半球の温帯地域

北米
 全体として、北米全域におけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準でした。カナダと米国におけるインフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。メキシコにおけるインフルエンザの活動性は、2か月間(7月から8月)に高まった後、依然として低い水準でした。

ヨーロッパ
 ヨーロッパにおけるインフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。9月10日から22日までの間に定点機関で採取された検体で、インフルエンザが陽性となった検体はありませんでした。しかし、多くの国では、ILIと急性呼吸器感染症(ARI)の受診率が増加したと報告され始めました。

アフリカ北部と西アジア
 アフリカ北部と西アジアにおけるインフルエンザの活動性は低い水準でした。カタールのみがインフルエンザの活動性を報告し、8月末以降、主にインフルエンザA型ウイルス(亜型は不明)が報告されました。

北アジア
 アジアの温帯地域におけるインフルエンザの活動性は、5月下旬以降、依然としてシーズンオフの水準でした。モンゴルでは、8月中旬以降、臨床的な活動性は増加し始めましたが、インフルエンザウイルスは検出されませんでした。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域
 全体として、カリブ海諸国と中米におけるインフルエンザの活動性は、全域で低い水準でした。全域でインフルエンザA型ウイルスの検出数は減少し、過去数週間でインフルエンザの伝播はほぼ終息しました。インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型ウイルスがともに伝播したと報告され、コスタリカ、エルサルバドル、ニカラグア、パナマでは、呼吸器疾患を起こすウイルスとしてRSウイルスが優勢と報告されました。

 南米の熱帯地域では、7月から8月にかけて、インフルエンザの活動性が高まった後、呼吸器疾患を起こすウイルスの活動性は低下し続けました。コロンビアでは、外来受診率、入院率、集中治療室(ICU)への入院割合は、例年の同時期と同様でした。ベネズエラにおけるARIと肺炎の水準は、この時期に想定される水準内と報告されました。エクアドルでは、8月にインフルエンザのピークに達した後、インフルエンザが陽性であった検体数は着実に減少しました。ペルーでは、7月以降、5歳未満の小児におけるARIが増加したと報告されましたが、例年と同様の水準でした。ボリビアでは、重症急性呼吸器感染症(SARI)に関連した入院率は、昨年の同時期のデータに比べ、増加したと報告されました。サンタ・クルス(Santa Cruz)県にある熱帯病研究所(CENETROP)の検査データによれば、10月初旬に解析されたSARI患者の182検体のうち、33%で呼吸器疾患を起こすウイルスが検出されました(前週から9%増加しました)。ブラジルでは、7月以降、インフルエンザの陽性検体数が減少し続けており、最近のインフルエンザ陽性検体では、亜型が不明のインフルエンザA型ウイルスとインフルエンザB型ウイルスが検出されました。

中部アフリカの熱帯地域
 コートジボワール、ガーナ、ケニアでは、インフルエンザウイルスが伝播していると報告されました。コートジボワールとガーナでは、インフルエンザB型とインフルエンザA(H3N2)が優勢と報告されました。ケニアでは、インフルエンザの活動性は低く、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型がともに伝播したと報告されました。

アジアの熱帯地域
 南アジアと東南アジアのほとんどの国で、インフルエンザの伝播は低い水準でした。この地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)ウイルスがともに報告されました。7月初旬以降、香港ではインフルエンザの伝播の増加がみられました。香港におけるインフルエンザの伝播はインフルエンザA(H3N2)が優勢でした。この伝播の増加によって、この地域におけるインフルエンザに関連した入院率も増加しており、先月以降、主に0歳から4歳までの年齢層における入院率が増加しました。中国南部では、インフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。しかし、昨年と比べ、シーズンオフの期間におけるインフルエンザウイルスの検出数は高い水準でした。

南半球の温帯地域

南米の温帯地域
 南米の温帯地域におけるARIの活動性は、この時期に想定される水準であったと報告されました。アルゼンチンとチリでは、患者数は大きく減少したものの、呼吸器疾患を起こすウイルスは、依然としてRSウイルスが最も多く検出されたと報告されました。アルゼンチンでは、ILIの活動性は、今年6月と7月にピークに達した後、低下し続けました。チリでは、SARIに関連した入院率は減少し続けました。パラグアイでは、ILIの受診率はこの時期に想定される水準よりも高い水準でしたが、インフルエンザウイルスや他の呼吸器疾患を起こすウイルスの検出数は減少しました。ウルグアイでは、SARIに関連した入院率は先週に比べ、増加しましたが、ICUへの入院率は低下し続けました。

南アフリカの温帯地域
 南アフリカでは、6月にインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動性がピークに達した後、過去数週間でインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型の伝播が増加したことによる小さな2番目のピークがみられました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 全体的に、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島におけるインフルエンザの活動性はピークに達したようです。

 オーストラリアでは、8月30日から9月13日までの期間におけるインフルエンザの型と亜型の構成割合は地域によって異なりました。西オーストラリア州では、依然としてインフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、インフルエンザA(H1N1)pdm09の割合が増加しました。ビクトリア州では、報告されたインフルエンザの半数以上が、依然としてインフルエンザB型でした。クイーンズランド州と南オーストラリア州では、最近数週間でインフルエンザB型ウイルスの割合が増加しました。インフルエンザの陽性率は、国内定点研究所サーベイランスの15%(2,114検体中309検体)からオーストラリア定点実地研究ネットワーク(ASPREN)の28.1%(199検体中56検体)まで幅がありました。インフルエンザの合併症を警戒するネットワーク(FluCAN)の定点病院サーベイランスシステムでは、インフルエンザに関連した入院率は、8月中旬以降、概ね安定していると報告されました。インフルエンザに関連した入院患者の約15%がICUに直接入院しました。入院患者の年齢分布は、0歳から9歳までと60歳以上の年齢層にピークがみられました。

 ニュージーランドでは、ILIの活動性は9月初旬にほぼ閾値に達し、その後、減少しました。先週受け取られた303検体のうち161検体(53%)でインフルエンザが陽性でした。このうち49検体がインフルエンザB型、16検体がインフルエンザA(H3N2)、22検体がインフルエンザA(H1N1)pdm09、74検体がインフルエンザA(亜型不明)でした。オークランドとカウンティーズマヌカウ地区保健局(Counties Manukau District Health Boards)管内では、地域サーベイランスと病院サーベイランスで、インフルエンザの活動性が低下したと報告されました。

出典

Influenza update  14 October 2013- Update number 196 http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP
_surveillance/en/index.html