デング熱流行状況 -アジア WPRO (更新2)

2014年3月25 日 WPRO (原文[英語]へのリンク

デング熱の活動性は国によって異なっています。オーストラリア、マレーシア、シンガポールでは、2014年は2013年の同時期に比べ、より多くの患者数が報告されました。最近、カンボジア、ラオス、ニューカレドニア、フィリピン、ベトナムでは減少傾向が続いています。

アジア

マレーシア

デング熱が流行しています。2014年におけるデング熱の活動性は、2013年の同時期に比べて約4倍以上高いと報告されています。

シンガポール

デング熱の活動性が増加しています。2014年におけるデング熱の活動性は、2013年の同時期に比べて1.2倍高いと報告されています。

太平洋州

フィジー、ニューカレドニア、フランス領ポリネシアでは、デング熱の活動性が高い水準でみられています。

フィジー

15,000人以上のデング熱が疑われる患者と、デング熱による死亡者が12人発生しました。死亡者のうち1人は医療従事者でした。ほとんどの患者は中央地域からの発生でしたが、西部、北部地域で患者が増加しています。デングウイルス3型が分離されました。患者数は、今後も増加し続けると予想されています。WHO、オーストラリアの援助プログラム(フィジー保健セクター支援プログラム)、フィジー赤十字社、国際赤十字赤新月社連盟、アメリカ疾病予防センター、クイーンズランド工科大学、国際連合児童基金(UNICEF)と太平洋共同体(SPC)は流行の確認と対応を行うため、技術的支援及び経済的支援を提供してきました。例えばデングの検査キットがWHOによって提供されています。保健省は状況に対応し、デング熱のサーベイランス強化、疾病管理、デング熱診断報告と管理、公衆衛生対策の強化、流行時の協調・支援、コミュニケーションの向上を中心とした、国のデング行動計画を策定し、対策に取り組んでいます。

ニューカレドニア

2013年9月以降、3月19日までに、122人のデング熱患者が発生しました。2013年に14人、1月に16人、2月に58人、3月には24人発生しています。地域における高レベルの活動性とジカウイルス感染患者の増加に対し、アルボウイルスのサーベイランス及び公衆衛生対策が見直され、強化されています。デングウイルス1型(輸入例1例から分離)に加え、デングウイルス3型が患者から分離されています。

フランス領ポリネシア

2013年7月半ば以降、デング熱の患者数は増加した後、毎週報告される患者数は減少し、デング熱の状況は改善しているように見受けられます。2014年3月14日時点における患者数は1,811人でそのうち1名が死亡しました。デングウイルス1型とデングウイルス3型共に分離されています。


デングウイルス3型は、大洋州諸国の人口の大部分に感受性があるようで、最近この地域で検出されています。また、デングウイルス1型も流行しています。デングウイルス3型は、この約20年間、大洋州では発生していませんでしたが、いくつかの国・地域において、再流行しています。WHOは地域の状況を注意深く監視しています。

2014年3月25日更新

図.デング熱報告症例数

出典

WPRO:Dengue Situation Updates,25 March 2014
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/DengueSituationUpdates/en/