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世界におけるインフルエンザの流行状況について (更新6)

2014年4月7日 WHO (原文〔英語〕へのリンク

要約

 世界的にみて、北半球でのインフルエンザシーズンはほとんどの国でシーズンオフの水準に近づきつつあるようです。しかし、インフルエンザB型の診断される割合は多くの地域、特にアジア、中東、北米でわずかに増加しました。

北米におけるインフルエンザの水準は、減少傾向し続けており、インフルエンザのシーズンが終息に近づいています。シーズン終盤のインフルエンザB型の循環は続いていますが、全体的なインフルエンザの水準は低いままです。

ヨーロッパでは、インフルエンザの活動性は低下しており、ほとんどの国でインフルエンザの強度は低いと報告されました。北米と同様、ヨーロッパでもインフルエンザシーズンは終息しつつあるようです。インフルエンザA(H1N1)pdm09と比較するとインフルエンザA(H3N2)の検出される割合がいくらか増加しましたが、全体的な水準は低下しました。

東アジアでは、インフルエンザの活動性はシーズンオフの水準に近づいており、現在優勢なウイルスは、インフルエンザB型です。この地域での経過は、前回のインフルエンザの傾向と一致します。モンゴルにおけるインフルエンザの活動性は減少し始めましたが、高いままです。

アジアの熱帯地域では、インフルエンザの活動性は減少し続けており、世界的な季節的傾向と一致しました。一方タイでは、インフルエンザの活動性は高いままで、わずかな減少がみられました。

北アフリカと西アジアでは、インフルエンザB型が陽性となった検体の割合が増加し続けていますが、インフルエンザの活動性は全体的に低いままです。

カリブ海地域では、インフルエンザの活動性は低いままで、ほとんどの国でシーズンオフの水準でしたが、ガイアナとグアドループでのILI(インフルエンザ様疾患)活動性とインフルエンザ検出率は増加しました。

FluNet(4月3日時点)によれば、第11週から第12週(3月9日から3月22日)の間、96の国・地域にある国のインフルエンザ・センターやその他の国内のインフルエンザ研究施設からデータが報告されました。WHO世界インフルエンザサーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、65,498以上の検体を検査しました。インフルエンザが陽性となったのは10,986検体で、このうち7,407検体(67.4%)がインフルエンザA型で、3,579検体(32.6%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、2,747(57%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、2,072検体(43%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、222検体(87.1%)が山形系統で、33検体(12.9%)がビクトリア系統でした。

鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)に関する更新情報は、WHOのウェブサイトを参照してください。http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/

北半球の温帯地域

北米
 北米では、インフルエンザの活動性は全体的に減少し続け、指標はこの地域のインフルエンザのシーズンが終息に向かっていることを示しています。インフルエンザB型のシーズン終盤の循環が、主にカナダで続いています。しかしこの地域でのシーズン中の優勢なウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 カナダでは、インフルエンザの活動性は全体的に減少しました。現在のインフルエンザの活動性は例年のこの時期の水準であると推察されます。現在インフルエンザB型が優性のまま循環しており検出されるインフルエンザの75%を占めていました。しかしながら今シーズン全体で最も多く検出されたのはA(H1N1)pdm09でした。インフルエンザB型の影響を最も受けたのは65歳より高齢の人々で、A(H1N1)pdm09への罹患が多かったのは5-19歳でした。

 米国におけるインフルエンザの活動性は、わずかな減少が続き、指標はインフルエンザのシーズンが終息に向かっていることを示しています。肺炎およびインフルエンザによって死亡した人の割合は流行閾値を下回りました。ILI(インフルエンザ様疾患)で受診した外来患者の割合は1.6%で、国の閾値2.0%より低い水準でした。米国では今シーズン、インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢でした

 メキシコでは、インフルエンザの活動性は減少し続け、肺炎の割合はこの時期として予想される水準でした。インフルエンザが陽性となった検体のうち、76%がインフルエンザA型で、インフルエンザA(H1N1)pdm09が48%、インフルエンザA(H3N2)が40%、亜型不明が8%でした。残りの24%はインフルエンザB型でした。インフルエンザB型の割合は3月上旬から3月中旬にかけて10%から24%へ増加しました。インフルエンザ関連死亡者の90%以上がインフルエンザA(H1N1)odm09に関連していました。 

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、インフルエンザの活動性は、全体的に減少しました。ほとんどの国でインフルエンザの活動性は安定しているか、減少しているか低い水準でした。ILIやARI(急性呼吸器感染症)での外来受診者の割合はほとんどの国で基準値まで戻り、インフルエンザが陽性となったSARI(重症呼吸器感染症)患者の割合は3週間連続で減少しました。ごく少数の国で増加の報告がありました。ロシアではインフルエンザ活動性がいくらか増加し、主にA(H3N2)ウイルスによるものでした。前週と比較しヨーロッパでは、A型と診断されたウイルスの中でA(H3N2)ウイルスの割合が増加しBgatano 循環の報告はほとんどありませんでした。

アフリカ北部、西アジア、中央アジア
 中央アジアと西アジアでは、インフルエンザの活動性は低いままで、例年のこの時期の傾向と一致します。イラン、パキスタン、トルコを含む中東ではインフルエンザの活動性は減少し最も優勢なウイルスはA(H1N1)pdm09からインフルエンザB型へ入れ換わり始めました。イスラエルでの活動性はこの数週間で高まり、3つの亜型が循環していますが、検出数は徐々に減少し始めています。

東アジア
 東アジアでは、インフルエンザの活動性は減少し続けています。インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型ウイルスがともに伝播しましたが、インフルエンザB型がA(H1N1)pdm09を超えて優勢なウイルスとなりました。中国では、インフルエンザ陽性の検体数が減少し続けました。また中国ではシーズンオフの水準に近づき、これまでのシーズンにおける傾向と一致しました。香港では、インフルエンザの活動性は3月の上旬から徐々に減少していますが、インフルエンザB型が比較的高い水準のままでした。

 モンゴルでは例年と比べILIと肺炎症例数が増加しました。モンゴルでのILI活動性は、2月中旬から著しく減少しましたが、外来受診者に占めるILI症状の割合は国の許容限界の60%を超えたままでした。インフルエンザ陽性検体の割合と肺炎での入院患者の割合はともに減少しました。 

 日本では、ILIの患者数は減少し続けており、3月上旬と比べ陽性検体数の割合は減少し、ILI症例も減少したと報告されました。韓国では、インフルエンザB型の優勢が増加したものの、ILIとインフルエンザの活動性は2月にピークに達した後、ずっと減少しました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 中米、南米の熱帯地域におけるインフルエンザの活動性は、全体として低い水準でした。カリブ海諸国の数カ国ではインフルエンザシーズンの始まりの警報となるウイルスの検出率がわずかに増加したと報告されました。ガイアナではILI活動性が増加し始め、例年この時期の予測値を超えました。インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型のすべてが循環しました。他のフランス領国ではグアドループでもインフルエンザシーズンが始まったと宣言されました。カリブ海諸国の残りの国々からは今回、低い活動性の報告が続きました。

中部アフリカの熱帯地域
 アフリカでは、インフルエンザの活動性は全体的に低い水準でした。西アフリカでは低い水準でインフルエンザB型が循環しました。モーリシャスでは、インフルエンザの活動性がわずかに減少しましたが依然として高い水準でした。検出されたほとんどがA(H1N1)pdm09でした。

アジアの熱帯地域
 東南アジア諸国におけるインフルエンザの活動性は全体的に低い水準で、ベトナムとシンガポールでは活動が減少したと報告されました。タイでは、最近の数週間と比較しインフルエンザの高い活動性が続きました。

南半球の温帯地域 

 南半球におけるILIの活動性は、依然として比較的低い水準が続いており、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型ウイルスが低い水準で検出されました。

出典

Influenza update 7 April 2014 - Update number 207
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_
GIP_surveillance/en/