デング熱流行状況 -アジア WPRO (更新3)

2014年4月8日 WPRO (原文[英語]へのリンク

デング熱の活動性は国によって異なっています。マレーシアでは、2014年は2013年の同時期に比べ、より多くの患者数の報告が続いていますが、最近は減少傾向です。オーストラリアとシンガポールでは、2014年は2013年の同時期に比べて同様の報告です。ラオス、フィリピンでは減少傾向が続いており、カンボジアでは増加傾向にあります。しかし、2013年の同時期に比べると、はるかに低い数字です。

太平洋州

フィジー、ニューカレドニア、フランス領ポリネシアでは、デング熱の活動性が高い水準でみられています。

フィジー

2万人以上のデング熱疑い患者と、デング熱による死亡者が12人発生しました。患者の大半(70%)は中央地域からの発生でしたが、西部(20%)、北部(9.5%)、そして東部(0.5%)からも少数報告されています。デングウイルス3型が分離されました。WHO、オーストラリアの援助プログラム(フィジー保健セクター支援プログラム)、フィジー赤十字社、国際赤十字赤新月社連盟、アメリカ疾病予防センター、クイーンズランド工科大学、国際連合児童基金(UNICEF)、太平洋共同体(SPC)は流行の確認と対応を行うため、技術的支援及び経済的支援を提供してきました。例えばデングの検査キットがWHOによって提供されています。保健省は状況に対応し、デング熱のサーベイランス強化、疾病管理、デング熱診断報告と管理、公衆衛生対策の強化、流行時の協調・支援、コミュニケーションの向上を中心とした、国のデング行動計画を策定し、対策に取り組んでいます。

ニューカレドニア

2013年9月以降、4月8日までに、154人のデング熱患者が発生しました。2013年に24人、2014年1月に16人、2月に58人、3月には56人、4月には24人発生しています。地域における高レベルの活動性とジカウイルス感染患者の増加に対し、アルボウイルスのサーベイランス及び公衆衛生対策が見直され、強化されています。ニューカレドニア発生の事例からは、デングウイルス1型(輸入例1例から分離)に加え、デングウイルス3型が患者から分離されています。

フランス領ポリネシア

デング熱患者は、毎週減少し続けています。2014年3月28日の時点で、患者の合計数は1,865人で死亡者1人です。2014年の第一四半期以降、数は減少しており、1月に146人、2月に127人、3月に102人発生しています。デングウイルス1型とデングウイルス3型が共に分離されています。


デングウイルス3型は、大洋州諸国の人口の大部分に感受性があるようで、最近この地域で検出されています。また、デングウイルス1型も流行しています。デングウイルス3型は、この約20年間、南太平洋州では発生していませんでしたが、いくつかの国・地域において、再流行しています。WHOは、特に血清型の循環に関して地域の状況を注意深く監視しています。

2014年4月8日更新

図.デング熱報告症例数

出典

WPRO:Dengue Situation Updates,8 April 2014
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/DengueSituationUpdates/en/