西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況について (更新12)

8月6日付けの世界保健機関(WHO)の情報による西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況です。

流行状況とサーベイランス

2014年8月2日と8月4日の間に、エボラウイルス疾患(EVD)に関して、108例の新規症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例)と45例の死亡例が、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネから報告されました。

保健部門の対応

加盟国の代表者との任務の要旨説明会が8月5日に世界保健機関(WHO)で開催されました。エボラウイルス疾患(EVD)の性質の情報にハイライトが当てられました。これに、制御のための重要な構成要素を概説すること、国のリーダーシップや治療と患者管理の改善の必要性を算入すること、伝播の鎖を同定すること、疾病の拡散を止めること、さらなる流行を避けること等、制御のための重要な構成要素の概説が続きました。重要な問題の中には、以下があります。国境を越える感染および旅行者、迅速に、安全に、かつ効率的に対応する能力と能力の限界に達しているパートナー、継続している伝播の社会経済的影響についての懸念です。

事務局長はまた、マノ河連合-コートジボワール、ギニア、リベリア、シエラレオネ-の加盟国が出席してギニアで開催された最近の会議の情報を共有しました。彼女は、西アフリカでの対応は3つの分野に焦点を当てることを概説しました。

  • 地域の内外の動きを抑える公衆衛生対策を含み、ゲケドゥ、ケネマ、フォヤを統一された区域として扱うこと。
  • ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネの現在の対策を強化すること。
  • アフリカの他の国やアフリカ地域外に国際的に広がることを抑える手順をとること。
    8月5日にコナクリの小地域エボラオペレーション調整センターSub-regional Ebola Operations Coordination Centre (SEOCC)は、以下の行動は4つの感染国で進行中であることを報告しました。
  • ギニアでは、新しい疾患の発生源が出現しており、患者管理施設が必要になるでしょう。出国スクリーニングは米国のCDCと共同で、現在コナクリで行われています。
  • リベリアでは、セキュリティの問題は政府の関与にもかかわらず、懸念され続けています。地域社会の抵抗は高いままです。
  • ナイジェリアでは、政府は初発症例の接触者の追跡調査に焦点を当てています。臨床的支援が緊急に必要で、治療センターはEVDの患者を管理するために設立されています。
  • シエラレオネでは、取り組みとして、治療センターが最も必要とされている場所の地図の作成や、設立されている場所の地図の作成が進行中です。同様の活動が検査室についても進行中です。

SEOCCはこれらおよび他の多くの対応策で国々を支援しています。

8月6日にWHOは専門家の国際緊急委員会を開催し、この流行を見直して、エボラウイルス疾患の流行は国際的な公衆衛生上の脅威となりうるすべての事象(Public Health Emergency of International Concern: PHEIC)に相当するかどうかについて、国際保健規則に従い事務局長に助言します。専門家は疫学的説明を受け、PHEICの基準が満たされているかどうかを判断します。緊急委員会は、これがPHEICであることに同意する場合は、事務局長に暫定的勧告を助言します。会議の概要は公開され、記者会見が8月8日(金曜日)に開催されます。

統計の概要

EVDに起因する新規症例と死亡例はギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネの保健省により引き続き報告されています。2014年8月2日と8月4日の間で、エボラの108例の新規症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例)と45例の死亡例が、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネから以下のように報告されました。

ギニア:新規症例が10例、死亡例が5例
リベリア:新規症例が48例、死亡例が27例
ナイジェリア:新規症例が5例、死亡例が0例
シエラレオネ:新規症例が45例、死亡例が13例

2014年8月4日の時点で、4か国のEVDに起因する累積症例数は、932の死亡例を含む1,711例となっています。症例の分布および分類は以下のとおりです。

ギニア:495症例(確定症例351例、可能性の高い症例133例、疑い症例11例)および死亡例363例
リベリア:516症例(確定症例143例、可能性の高い症例252例、疑い症例121例)および死亡例282例
ナイジェリア:9症例(可能性の高い症例0例、疑い症例2例、疑い症例7例)および死亡例1例
シエラレオネ:691症例(確定症例576例、可能性の高い症例49例、疑い症例66例)および死亡例286例

ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるエボラウイルスの確定症例、可能性の高い症例、死亡例(2014年8月4日時点)

図.エボラ出血熱の発生状況

症例の総数には、再分類や後向き調査、症例と検査結果の統合の結果により変更が加えられることがあります。疾患流行ニュースで報告されたデータは、保健省によって報告された現在入手可能な最良の情報に基づきます。

出典

WHO Global Alert and Response(GAR)
Ebola virus disease update- West Africa, 6 August 2014
http://www.who.int/csr/don/2014_08_06_ebola/en/