西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況について (更新18)

8月20日付けの世界保健機関(WHO)の情報による西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況です。

流行状況とサーベイランス

2014年8月17日と8月18日の間に、エボラウイルス疾患(EVD)に関して、221例の新規症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例)と106例の死亡例が、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネから報告されました。

保健部門の対応

WHOは流行がある国々、アフリカ国内外の会社や機関、国や国際社会のリーダー達と緊密に連絡をとっています。現在、流行がある国々へのサービスを控えると決定をした会社があります。これらには航空会社や海運会社がふくまれます。これらの決定のため、国々は燃料、食料、基本的な供給をふくむ供給の不足がみられるようになりました。WHOは十分な食料と供給を保証するため、国連世界食糧計画(WFP)と協力しています。エボラウイルスの伝播に関する科学的知見によってビジネスの決定をするように、会社に求めています。

今回の流行では、EVDの大部分の症例は、ヒト-ヒト感染の結果で、家庭内や診療所、病院、葬儀で適切な感染防御や制御の方法をとらなかったことから起こっています。EVDは空気感染しないということを理解することは大切です。人々は、EVDと確定した人やEVDで亡くなった人の体液(嘔吐物、下痢、痰、血液など)と接触した結果、感染するのです。品物やサービスを流行がある国々に届ける会社がEVDに暴露するリスクは低いので、WHOは国際保健規則(IHR)にのっとり、会社や機関に必需品を供給し続けるよう奨励しています。

世界の国々は、EVDの症例を積極的サーベイランスしています。疑い症例はWHOへ報告され、いくつかの国で実際にEVDの症例かどうか系統的な検証がおこなわれています。これらの報告は、サーベイランスが機能していて、国々で対応の準備が整いつつある良い兆候です。現在まで、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ以外の国からは確定した症例はありません。

WHOの代表団は現在、流行のある国々に滞在し、戦略を計画に適合させるため国の当局や協力組織と共同作業しています。流行状態が依然高いリベリアやシエラレオネのリーダーと会合を持つ予定です。

WHOは、個人がEVDに感染したことが確認されたか、その疑いがあるか、EVD症例との接触があった場合を除いて、いかなる旅行や貿易に関する規制も適用されることを勧奨しません(接触者には、適切に防護処置を行った医療従事者や研究所のスタッフは含まれません。)。国が取るべき活動についての緊急委員会の臨時勧告については、次のサイトを参照してください。

統計の概要

ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるエボラウイルス疾患の確定症例、可能性の高い症例、死亡例(2014年8月18日時点)

図.エボラ出血熱の発生状況

症例の総数には、現在行われている再分類や後向き調査、検査結果が利用できるかどうかにより変更が加えられることがあります。疾患流行ニュースで報告されたデータは、保健省によって報告された公式情報に基づきます。

出典

WHO Global Alert and Response(GAR)
Ebola virus disease update- West Africa, 20 August 2014
http://www.who.int/csr/don/2014_08_20_ebola/en/