2015年のニュース

中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)に関するIHR緊急委員会第8回会議でのWHOの声明

2015年2月5日 WHO (原文[英語]へのリンク

 2015年2月5日付けのWHOメディアセンターから発表によりますと、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)に関するIHR緊急委員会第8回会議が、国際保健規則(2005)に則った事務局長の召集により2015年2月4日中央ヨーロッパ時間12時から3時間にわたって開催され、委員及び専門家アドバイザーらによってテレビ会議を使って討議されました。

 WHO事務局は、データの更新と最近の症例と伝染パターンの説明を含む疫学的および科学的解明の評価に関する資料を提供しました。オーストリア、オマーン、カタール、サウジアラビア、トルコの各国は、データの更新と自国におけるMERS-CoVの評価に関する資料を提供しました。

 委員会は、MERS-CoV感染症患者が発生し続けていることに言及しています。疫学的なパターンは、サウジアラビアの中ではほとんどが散発例と地域社会や医療従事者の中での集団発生例で、持続的なヒトからヒトへの感染の証拠は見つかっていません。国外で発生した少数例は旅行者の中から報告されています。メッカの巡礼(Hajj)に関連する患者は一切報告されていません。

 委員会は、さらに感染予防と制御への対策が強化されているにもかかわらず、なおも医療従事者の間での感染が起こっていることに言及しています。

 委員会は、感染パターンにほとんど変化が現れていないけれども、全体の状況と国際的な感染拡散の可能性は懸念として残っていることを強調しています。加えて、このウイルスの拡散に関連する兆候をより確かに監視するために、たくさんの国でのサーベイランスの増強が必要とされています。研究からの追加情報も感染とその伝播のリスク要因をより深く理解するために必要とされます。特に、流行国から出される症例対照研究の研究結果は、直ぐにでも必要とされています。

 委員会は、これまでに発してきたアドバイスが妥当であり続けていることを改めて表明するとともに、流行国に対して以下のことを求めました。

MERS-CoV感染症の変異、ラクダに対する疫学的サーベイランスの強化、加えて、ヒトに対するサーベイランス、ヒトと動物との感染伝播への理解における重大なギャップへの取り組みを慎重に監視すること

基本的な感染予防と制御への対策、これらの対策における教育の増強に対して、特に、医療従事者の間で実行する努力を強化し続けること

MERS-CoVに関するリスクの情報伝達を通して、一般市民、医療の専門家、政策担当者に強い意識を与え続けること

動物とヒトの健康分野での分野間の共同研究、合同での活動を強化すること

国際保健規則(2005)で要求されているように、適切な時間と方法の中で、MERSを評価し管理するために必要な全ての関連情報をWHOと共有すること

 委員会は国際的な懸念に関する公衆衛生緊急事態(PHEIC)としての条件はまだ満たされていないことを全会一致で結論付けました。事務局長は、委員会の助言および現在利用可能な情報に基づき、この委員会の評価を受理しました。事務局長は委員会の会議での提言に対して謝意を表明しました。

 WHOの事務局は、委員会のメンバーとアドバイザーに対し、引き続き定期的に更新情報を提供していきます。緊急委員会は必要な状況と判断されたときに再召集されます。

出典

WHO: Media Center News, Statements. 5 February 2015
WHO statement on the Eighth Meeting of the IHR Emergency Committee concerning MERS-CoV
http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2015/8th-mers-emergency-committee/en/