2015年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新10)

2015年6月1日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で、インフルエンザの活動は2015年初めのピーク時から低いレベルへと減ってきました。

北米では、インフルエンザの活動が弱まり、オフ・シーズンの水準に近づきつつあります。しかし、インフルエンザの活動がゆっくりと静まる中で、この数週間インフルエンザBが増加しています。
ヨーロッパでは、インフルエンザの活動が低いレベルにあることを報告している全ての国で、活動は低下を続けています。今シーズンはインフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、この数週間はインフルエンザBが優勢な状態でした。
北部アフリカでは、インフルエンザAウイルスが優勢なインフルエンザの活動ですが、全体的に弱まってきている、もしくは弱い状態にあります。
西アジアでは、主にインフルエンザAウイルスが影響していたインフルエンザの活動は、全体として、弱まってきている、もしくは弱い状態にあります。
アジア温帯地域では、インフルエンザの活動は、ほとんどの国で弱まってきている、もしくは弱い状態にあります。
アメリカとアジアの熱帯地域では、インフルエンザの活動は、ほとんどの国で弱まってきている、もしくは弱い状態にあります。しかし、スリランカではインフルエンザの活動が高まっています。
南半球では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの水準にとどまっています。
2015年5月3日から5月16日に対するデータが、FluNet(協定世界時間2015年5月28日12:00)に基づき83の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から、集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、39,635本を越える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は2,980本で、このうち1,044検体(35%)がインフルエンザA型、1,936検体(65%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、359検体(46.6%) がインフルエンザA(H1N1)pdm09、412検体(53.4%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、155検体(95.1%)がB-山形系統で、16検体(4.9%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北米では、インフルエンザの活動は全体的に弱まってきています。しかし、最近の数週間におけるインフルエンザBの増加が活動のゆっくりした弱まり方に起因しています。

 カナダでは、全体としてはインフルエンザの活動は弱まってきています。しかし、まだカナダ中央部、ニューファンドランドの一部では基準レベルを越えています。検出されるウイルスはインフルエンザBが優勢です。

 アメリカ合衆国では、いくつかのシーズン遅くのインフルエンザBの流行を伴いながらも、インフルエンザの活動は弱まってきています。肺炎とインフルエンザ関連の死亡率は警戒レベルを下回りました。

 メキシコでは、インフルエンザAとインフルエンザBの両方ともに検出率(全体で3%)が減ってきています。急性呼吸器感染症(ARI)の活動が、低いレベルを維持し、人口10万人あたり328人と減ってきています。肺炎の活動は低下してきていますが、人口10万人あたり2人で、まだ基準レベルを上回っています。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、インフルエンザの活動の強さが低いレベルにあることを報告している全ての国で、インフルエンザの活動が低下を続けています。インフルエンザ検体の陽性率は低下し、警戒レベルである10%を下回り、底値に返りつつあります。インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)の流行がまだ残るものの、優勢なウイルスはインフルエンザBでした。

 東ヨーロッパでは、全体として、インフルエンザの活動は弱まってきている、もしくは弱い状態にあります。

北アフリカ及び中東
 北アフリカと中東では、インフルエンザの活動はほとんどの国と地域で弱まってきました。ほとんどの国で、インフルエンザAの活動が優勢でした。

西アジア
 西アジアでは、インフルエンザの活動はほとんどの国で弱まってきています。この地域全体で優勢なウイルスはインフルエンザAです。バーレーンではまだインフルエンザの活動が残っていますが、ピークは過ぎてきました。

中央アジア
 中央アジアでは、いくつかの国でこの数週間はインフルエンザBが優勢となる低いレベルでのインフルエンザ活動が報告されています。

東アジア
 東アジアでは、インフルエンザ活動が全ての地域を通して極めて低いレベルまで落ちています。僅かにインフルエンザBの活動が残るものの、ほとんどの国でシーズンの終わりを迎えています。中国北部からの報告では、陽性として検出される検体がわずか数件のところまでインフルエンザの活動が低下してきています。検出されるのは、主にインフルエンザBでした。日本と韓国でも散発的にインフルエンザBの活動が報告されました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 全体として、カリブ地域、中央アメリカ、南米熱帯地域では、インフルエンザの活動がほとんどない状態が続いています。グアテマラで5月初めからインフルエンザA(H3N2)の活動が僅かに増えたことを含め、少数の国から僅かなインフルエンザの活動が報告されたのみです。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカでは、西アフリカを除いてインフルエンザの活動は低調であることが報告されています。コートジボアールでは、この数週間、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)ウイルスの両方が流行っており、インフルエンザの活動が増加していることが報告されています。ガーナでは、インフルエンザの活動が弱まってきていますが、まだ、A(H3N2)とA(H1N1)pdm09ウイルスが優勢で警戒レベルを上回っています。

アジア熱帯地域
 アジア熱帯地域では、インフルエンザの活動とインフルエンザ様疾患(ILI)の患者は、インフルエンザAの活動の増加が報告されているスリランカを除いて、低下してきています。中国南部からの報告では、優勢であったインフルエンザBによるインフルエンザの活動が低下してきています。香港でも、シーズンを通して優勢であったインフルエンザAとシーズンの終わりに僅かながら検出されたインフルエンザBによる散発的な報告が行われたのみです。

南半球の温帯地域諸国

 南半球では、報告のあるほとんどの国でインフルエンザの活動はオフ・シーズンのレベルにとどまっています。南アフリカでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢のインフルエンザの活動の増加が報告されています。オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザの活動はまだシーズン基準レベル以下にありますが、インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)およびB型ウイルスが出回っていることが報告されています。

出典

WHO. Influenza Update number 238. 1 June 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_06_01_surveillance_update_238.pdf?ua=1