2015年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新12)

2015年6月29日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、北半球ではインフルエンザの活動が2015年初めのピークから低いレベルへと下がってきました。一方、南半球では活動が高まってきました。

北米では、インフルエンザの活動はこの数週間は主にインフルエンザBを検出しながらも、低い状態です。
ヨーロッパでは、この数週間は主にインフルエンザBを検出しながらも、低い状態です。
北部アフリカでは、今シーズンを通してインフルエンザAが優勢でしたが、現在では、ほとんどの国で低レベルにとどまっています。
西アジアでは、インフルエンザの活動がこの数週間低いレベルでとどまり弱まり続けていることが、ほとんどの国で報告されました。
アジア温帯地域では、インフルエンザの活動は低レベルにとどまっています。
アメリカ大陸熱帯地域では、低レベルながらもインフルエンザAが検出されるペルー以外では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの低レベルにとどまっていることが、ほとんどの国で報告されています。
アジア熱帯地域では、この数週間、香港、シンガポール、中国南部、ベトナム、スリランカで、インフルエンザAウイルスの流行によるインフルエンザの活動の高まりが報告されています。
南半球では、インフルエンザの活動が、まだ低レベルにとどまっていますが、ほとんどの国で高まりつつあります。南アフリカでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)ウイルスが同時に流行し、この数週間はインフルエンザの活動が高まっていることが報告されています。
2015年5月31日から6月13日に対するデータが、FluNet(協定世界時間2015年6月25日12:05)に基づき53の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から、集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、23,577本を越える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は1,620本で、このうち1,117検体(69%)がインフルエンザA型、503検体(31%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、172検体(22.8%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、582検体(77.2%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、69検体(83.1%)がB-山形系統で、14検体(16.9%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北米では、インフルエンザの活動は全ての国で低レベルまたはオフ・シーズンのレベルにあることが報告されています。その中では、僅かにインフルエンザBウイルスが検出されています。カナダでは、全体としてはインフルエンザの活動が予想レベルをやや上回っていますが、前回の報告よりは減ってきています。アメリカ合衆国では、インフルエンザの活動はさらに低下し、国が定めるインフルエンザ活動の基準を下回る状態にとどまっています。メキシコでは、インフルエンザの検出が減り、急性呼吸器感染症(ARI)の活動は低いレベルにとどまっています。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは全ての地域で、インフルエンザの活動がオフ・シーズンのレベルにあります。ほとんどの国で報告が減り監視が弛められています。

北アフリカ及び中東
 北アフリカと中東では、報告のある全ての国でインフルエンザの活動が低レベルにとどまっています。今シーズンを通じて、ほとんどの国でインフルエンザAの活動が優勢でしたが、いくつかの国ではインフルエンザBも流行していました。

西アジア
 
西アジアでは、ほとんどの国でインフルエンザの活動が弱まってきています。インフルエンザA(H1N1)pdm09の活動が優勢でしたが、シーズンを通してインフルエンザA(H3N2)やインフルエンザBも流行していました。

中央アジア
 中央アジアでは、この数週間、ほとんどの地域でオフ・シーズンのレベルながらインフルエンザBが検出されていますが、大半の国でインフルエンザの活動は低レベルと報告されています。

東アジア
 東アジアでは、インフルエンザ活動は低レベルにとどまっています。韓国、日本、中国北部でインフルエンザBの活動が僅かにみられます。一方、モンゴルでは、この数週間は少ないながらもインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBが報告されています。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 全体として、カリブ地域、中央アメリカ、南米熱帯地域では、インフルエンザの活動は全くないか、ほとんどない状態が続いています。しかし、この数週間、いくつかの国で僅かにインフルエンザの検出が増加してきています。ペルーでは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザA(H1N1)pdm09の活動が高まってきました。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカでは、インフルエンザの活動の高まりが報告される西アフリカのいくつかの国を除いて、全ての地域でインフルエンザの活動が低レベルにあることが報告されています。コートジボワールでは、インフルエンザの活動が高まってきました。ガーナでは、インフルエンザA(H3N2)とA(H1N1)pdm09ウイルスさらにインフルエンザBウイルスの同時流行にともない、前回の報告以降、インスルエンザの活動の高まりが報告されています。

アジア熱帯地域
 アジア熱帯地域では、インフルエンザの活動の高まりがいくつかの国で報告されています。スリランカでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスによってインフルエンザの活動が増しています。香港では、インフルエンザ様疾患(ILI)や入院率の上昇とともにインフルエンザの検出数の増加が報告されています。インフルエンザA(H3N2)が優勢で、インフルエンザBの活動はほとんど報告されていません。中国南部では、主にインフルエンザA(H3N2)によりインフルエンザの活動が高まってきていますが、僅かながらインフルエンザB(山形系統)も検出されています。ベトナムでは、この数週間、インフルエンザの活動がやや高まってきています。シンガポールでは、この数週間、インフルエンザA(H3N2)、A(H1N1)pdm09およびインフルエンザB の同時流行によるインフルエンザの活動の高まりが報告されています。

南半球の温帯地域諸国

 南半球では、インフルエンザの活動が南アフリカ以外は低いレベルにありますが、報告されるほとんどの国で高まりつつあります。南アフリカでは、この数週間、インフルエンザの活動がインフルエンザA(H3N2)とA(H1N1)pdm09の同時流行によって高まっています。オーストラリアでは、インフルエンザ様疾患(ILI)のレベルが低い状態にはありますが、高まってきています。インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBの同時流行が報告されています。ニュージーランドでは、全体として低調ですが、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきています。インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBが同時流行しており、僅かにA(H1N1)pdm09も検出されています。南アメリカ温帯地域では、インフルエンザの活動はこの時期としては予想されるレベルにとどまっています。この地域では、RSウイルスが増加し、優勢となっています。パラグアイでは、インフルエンザA(H3N2)が増加しています。太平洋諸国のいくつかの国では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は低い状態にありました。

出典

WHO. Influenza Update number 240. 29 June 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_06_29_surveillance_update_240.pdf?ua=1