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世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新13)

2015年7月13日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、南半球ではインフルエンザの活動が高まってきたか、既に高まった状態になりました。一方、北半球では低い状態が続いています。

北米、ヨーロッパ、アジア温帯地域では、散発的にインフルエンザBを検出することはあるものの、インフルエンザの活動は低く、オフ・シーズンの状態です。
アフリカ南部を除けば、インフルエンザの情報を報告した国は僅かです。これらの国では、インフルエンザの活動レベルは低いか弱まってきました。
アメリカ大陸の熱帯地域/中米、カリブ地域では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの状態にあると報告されました。一方、RSウイルスの活動が高まっています。
西アジアおよびアジア温帯地域では、この数週間、ところどころで主にインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBが報告されましたが、インフルエンザの活動自体は低いレベルでした。
アジア熱帯地域では、インフルエンザの活動が流行レベルにとどまっています。この数週間、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が同じように流行していました。
南米温帯地域では、インフルエンザの活動は低いレベルでした。一方で、RSウイルスの検出が増加しました。しかし、パラグアイではRSウイルスの検出数が既に減ってきています。
南アフリカでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)、インフルエンザBが同時に流行した状態が続いています。
オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザの活動が高まりつつあり、オーストラリアでは流行シーズンの基準を超えました。
2015年6月14日から6月27日に対するデータが、FluNet(協定世界時間2015年7月9日14:00)に基づき75の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から、集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、26,786本を越える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は1,476本で、このうち1,084検体(73.4%)がインフルエンザA型、392検体(26.6%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、230検体(39.8%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、348検体(60.2%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、62検体(96.9%)がB-山形系統で、2検体(3.1%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 全体的に、北米のインフルエンザの活動は低くオフ・シーズンのレベルでした。アメリカ合衆国とメキシコでは、インフルエンザ様疾患(ILI)と急性呼吸器感染症(ARI)の活動の低下が報告されました。しかし、メキシコでは、肺炎の活動が弱まってきたものの、例年のレベルを超えています。カナダでも、インフルエンザの活動が弱まってきたことが報告されています。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは全ての地域で、散発的にインフルエンザは検出されますが、インフルエンザの活動性は低い状態にあると報告されました。大半の国で、感染流行に関する報告を休止されるか、少なくなっています。

北アフリカ
 北アフリカでは、5月まで報告を続けていた僅かな国からも、この数週間は報告がありません。3月終わり頃の流行のピーク以降、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09が流行株として報告されていました。流行シーズンの終わりには、インフルエンザBも同時に流行していました。

西アジア
 西アジアでは、ほとんどの国がインフルエンザ陽性およびインフルエンザ様疾患(ILI)が低いレベルになったと報告しています。シーズンを通してインフルエンザA(H3N2)やインフルエンザBも流行していましたが、流行株はインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

中央アジア
 中央アジア地域では、インフルエンザの検出もインフルエンザ様疾患(ILI)も低いレベルにあることが報告されました。流行シーズンの最後の数週間は主にインフルエンザBが検出されました。

東アジア
 東アジアでは、インフルエンザ活動は低いレベルにとどまっていました。日本、中国北部、韓国では、最近の数週間はインフルエンザBが報告されています。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 アンデス山脈の一部地域、カリブ地域、中米では、呼吸器系ウイルスの活動は低い状態でした。この地域を通して、急性呼吸器疾患(ARI)および重症急性呼吸器疾患(SARI)は低い状態で予想される範囲内にとどまっています。グアテマラでは、インフルエンザA(亜型は不明)の検出が増えてきました。しかし、そのレベルは低い状態にとどまっています。ボリビア、エクアドル、ペルーでも、インフルエンザの検出の増加が報告されました。しかし、レベルは低い状態です。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカ東部および中央部では、インフルエンザのレベルは低い状態でした。一方、アフリカ西部の国々では、レベルが下がり始め、もしくは流行レベルにとどまった状態にありました。シーズン中、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09が流行していたナイジェリアでは、インフルエンザの検出数とインフルエンザ様疾患(ILI)の患者数が減ってきました。ガーナでは、この数週間に優勢であったインフルエンザB(山形系統)によってインフルエンザの活動が流行レベルを超え、高止まりした状態にあることが報告されました。

アジア熱帯地域
 アジア南部では、少数の国でインフルエンザが高いレベルにあることが報告されました。一方、いくつかの国では、この数週間にレベルが下がってきたか低い状態にあることが報告されました。

 中国南部では、この数週間、少数のインフルエンザBを含みながらも、主に高い陽性率のインフルエンザA(H3N2)が報告されました。今年の夏の流行シーズンは昨シーズンよりも早く始まりました。また、今年はこの時期に拠点病院を訪れるインフルエンザ様疾患(ILI)患者の割合が昨年よりも多くなっています。

 高いインフルエンザ陽性率が報告されている香港では、インフルエンザの活動が高いレベルのままでした。主に流行しているのはインフルエンザA(H3N2)ですが、僅かにインフルエンザBも検出されました。

 スリランカでは、インフルエンザの活動が高止まりした状態にあることが報告されています。流行のピークは過ぎたもようです。流行していた主なウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 ブータンおよびその他の国々では、インフルエンザの活動は低いレベル、もしくはレベルが下がってきたことが報告されました。これらの国で流行していた主なウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 東南アジア地域の多くの国では、インフルエンザの活動は低いレベル、もしくはレベルが下がってきたことが報告されました。シンガポールだけは例外で、インフルエンザの活動が流行レベルを超えています。流行の間、インフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、僅かながらインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBも同時に流行していました。しかし、シンガポールでのインフルエンザ様疾患(ILI)の割合が最近になって下がってきました。

南半球の温帯地域

 全体として南半球では、インフルエンザの活動が高まりつつあることが報告されました。しかし、南米温帯地域の国々では低いレベルにあることが報告されています。

アフリカ南部
 南アフリカでは、インフルエンザの活動が流行レベルを超えており、RSウイルスの検出も増加しています。インフルエンザA(H3N2)とA(H1N1)pdm09が同時並行で流行し、僅かにインフルエンザBも流行しています。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアでは、インフルエンザB(山形系統)を流行株とするインフルエンザの活動が高まってきました。インフルエンザの活動は、主に南部の州と領土内で増加しています。ニュージーランドでは、インフルエンザの活動は流行レベルを下回っていますが、少しずつ高まってきました。この数週間はインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBが同時並行で流行しています。太平洋の島々およびフランス領ポリネシアでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が低い状態にありました。

南米温帯地域
 南米温帯地域からのデータは、インフルエンザの活動が報告のある多くの国で低い状態にあることを示していました。いくつかの国ではRSウイルスの活動の高まりによってインフルエンザ様疾患(ILI)の活動も高まったことが報告されました。パラグアイでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は高まってきましたが、全体としての活動は低い状態のままでした。パラグアイでのRSウイルスの検出は減ってきました。

出典

WHO. Influenza Update number 241. 13 July 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_07_13_surveillance_update_241.pdf?ua=1