年別のニュース
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2015年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新15)

2015年8月10日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、北半球ではインフルエンザの活動は低いレベルでとどまっていますが、南半球ではいくつかも国で活動が高まってきていました。

北米とヨーロッパでは、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルで、散発的に検出されるのは主にインフルエンザBでした。
報告が行われたアフリカのほとんどの国では、インフルエンザの活動は低いレベルにとどまっています。例外的に、セネガルではインフルエンザBの検出が増えてきました。
アメリカ大陸の熱帯地域/中米、カリブ地域では、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルにあると報告されました。キューバでのみ、インフルエンザA(H1N1)pdm09とパラインフルエンザウイルスの検出数で増加が報告されています。
西アジアおよびアジア温帯地域では、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルです。その中で、西アジアでは主にインフルエンザBがみられ、同時にインフルエンザA(H1N1)pdm09もみられます。
アジア熱帯地域では、南アジアの国々で主にインフルエンザA(H3N2)によるインフルエンザの活動の高まりが報告されましたが、弱まってきています。東南アジアでは、活動は低いレベルにあります。しかし、ラオスとベトナムではインフルエンザの活動は高まっていることが報告されました。
南米温帯地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、インフルエンザの活動は弱まってきました。全体的に、インフルエンザの活動は、ここ数年に比べると低いレベルです。
南アフリカでは、この数週間インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)が優勢でしたが、インフルエンザの活動は弱まってきました。
オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBの両方が流行しており、インフルエンザの活動は高まっています。
2015年7月13日から7月26日までのデータが、FluNet(協定世界時間2015年8月6日 12:04:14)に基づき、69の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、29,591本を超える検体が検査されました。インフルエンザウイルスが陽性となった検体は2,699本で、このうち2,242検体(83.1%)がインフルエンザA型、457検体(16.9%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、61検体(2.7%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、2,232検体(97.3%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、143検体(91.1%)がB-山形系統で、14検体(8.9%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 インフルエンザの活動は、北米のすべての国でオフシーズンの低いレベルにとどまっていました。カナダでのインフルエンザ様疾患(ILI)の活動、またメキシコでの肺炎の活動は、今年のこの時期としては予想されるレベルを若干上回ったままです。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、全ての地域でインフルエンザの活動は低いレベルでした。このオフシーズンの時期、大半の国が報告数を減らすか、休止するか、しています。

北アフリカ
 北アフリカの国々では、インフルエンザの検出数が低いレベルとなった5月中旬以降、報告を休止しています。

西アジア
 西アジアの国々では、引き続き、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルにあることが報告されました。このシーズンの始めにはインフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢でしたが、この数週間はインフルエンザA(H1N1)pdm09とB型ウイルスが同程度となりました。

中央アジア
 中央アジア地域では、前回の報告以降、インフルエンザの検出数とインフルエンザ様疾患(ILI)の患者は少ないかみられない状態でした。

東アジア
 東アジアの国々では、インフルエンザの活動レベルが低い又は弱まってきていることが報告されました。活動レベルが低いまま、主にインフルエンザA(H3N2)と、インフルエンザB(山形系統)がみられました。中国北部では、前回報告時の僅かな活動の増加の後、インフルエンザの検出数は減りました。日本、モンゴル、韓国は、全ての国がインフルエンザの活動が低いレベルにあることを報告しました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 全体として、カリブ海の国々、中米、アンデスの一部地域では、いくつかの例外を除いて、この数週間はインフルエンザとRSウイルスの検出数が少ないか減少傾向にあることが報告されました。キューバでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とパラインフルエンザウイルスが高いレベルにあり、それに伴ってインフルエンザ様疾患(ILI)や重症急性呼吸器感染症(SARI)の患者数は増加していることが報告されました。ペルーでは、この数週間はインフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)およびRSウイルスの検出に伴い、インフルエンザの活動がやや増加しました。ペルーでは、この数週間は小児で急性呼吸器感染症の活動が高まっています。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカ東部および中央部の国々では、インフルエンザの活動は低いレベルにあることが報告されました。その中では、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)およびB型が同時に流行していました。セネガルでは、インフルエンザの活動は低いレベルのままですが、主にインフルエンザBによるインフルエンザの検出数増加が報告されました。

アジア熱帯地域
 アジア南部では、インフルエンザの活動の低下と検出数の減少が報告されました。ブータン、インド、イランでは、インフルエンザの活動が低いレベルまたは低下した中で、この数週間はインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBがみられました。

 中国南部では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が低下してきました。インフルエンザの検出数は高い状態でしたが、減り始めました。主なウイルスはインフルエンザA(H3N2)でしたが、同時に僅かにインフルエンザB(山形系統)も流行していました。

 香港では、インフルエンザの活動が6月後半から7月初めにピークを過ぎ、さらに、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が低下しインフルエンザの検出数が減りました。主にインフルエンザA(H3N2)でしたが、インフルエンザBも僅かに流行していました。

 スリランカでは、インフルエンザの活動は低下したレベルを維持しています。主に流行していたウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 全体として、東南アジアの国々では、インフルエンザの活動が低いまたは低下してきていることが報告されました。ラオスでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動とインフルエンザ検出数の増加が報告されました。主にインフルエンザA(H3N2)ですが、インフルエンザB(山形系統)も僅かに流行していました。ベトナムでは、この数週間は主にインフルエンザA(H3N2)に伴うインフルエンザの活動の高まりが報告されました。シンガポールでは低い状態にとどまっていますが、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスを検出しています。

南半球の温帯地域

 全体として、オーストラリアとニュージーランドを除き、南半球ではインフルエンザの活動が弱まってきました。

アフリカ南部
 南アフリカでは、全体的に穏やかなシーズンで、この数週間はインフルエンザの活動が低下し検出数が減少しました。過去数週間では、散発的にインフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)とB型ウイルスの検出が報告されました。RSVの活動も、この数週間は低下しました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアでは、インフルエンザの活動が低い状態ですが、この数週間で高まってきました。ここまで、今シーズンは、過去のシーズンと比べて比較的穏やかでした。インフルエンザB(山形系統)が優勢で、インフルエンザA(H3N2)も流行していました。インフルエンザA(H1N1)pdm09とB型(ビクトリア系統)ウイルスがさらに低いレベルで流行していました。

 ニュージーランドでは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBを優勢なウイルスとして、この数週間はインフルエンザの活動の高まりと検出数の増加がみられました。インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が上昇し、この数週間は流行を示す平均曲線を上回っていました。重症急性呼吸器感染症(SARI)が警戒レベルに増加し続けています。

 フランス領ポリネシアと太平洋の島々では両方ともに、この数週間はインフルエンザ様疾患(ILI)の活動は低い状態にあることが報告されています。

南米温帯地域
 南米温帯地域では、インフルエンザの活動が高い状態です。しかし、全体では過去のシーズンと比べると低いようです。シーズン中、インフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、インフルエンザA(H1N1)pdm09も流行していました。全体として、RSウイルスの活動が高い状態ですが、この数週間は下がり始めました。

 アルゼンチンとブラジルでは、インフルエンザの活動は低い状態で、RSウイルスの検出数も減っています。

 チリでは、インフルエンザとインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高くなっていましたが、低下してきました。活動は過去の数シーズンと比べると低くなっています。季節変動に伴う活動とそのピークは、前年よりも遅く発生しました。引き続き、インフルエンザA(H1N1)pdm09、 A(H3N2)とB型ウイルスが同時に流行しています。この数週間はRSウイルスが検出検体の中で優勢となっています。

 パラグアイでは、優勢なインフルエンザA(H1N1)pdm09と A(H3N2)に伴い、インフルエンザの活動が高まっていましたが、低下してきました。僅かに、インフルエンザBが流行しています。季節変動に伴うインフルエンザ様疾患(ILI)のピークが前年よりも早く来ました。RSウイルスの活動はこの数週間で減ってきました。

 ウルグアイでは、呼吸器系ウイルスの検出数は少なく活動は低いことがと報告されました。しかし、入院やICUへの収容に関係する重症急性呼吸器感染症(SARI)がこの数週間は増加してきています。

出典

WHO. Influenza Update number 243. 10 August 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_08_10_surveillance_update_243-TB_cc.pdf?ua=1