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世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新17)

2015年9月7日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、南半球ではインフルエンザの活動が続いています。オセアニアでは増加し、南米温帯地域ではピークを迎え、南アフリカでは活動が弱まってきました。

北半球の国々では、全体的に呼吸器系ウイルスの活動が低い状態にとどまり、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルが続いています。インフルエンザA型が散発的に検出されています。多くの国がオフシーズンの間は調査活動の数を減らす体制をとっています。
アフリカ東部では、インフルエンザの活動が報告された国からは、主にインフルエンザA型が検出されています。アフリカ西部では、全体的にインフルエンザの活動が弱まっています。ガーナでは主にインフルエンザBが、コートジボワールでは主にインフルエンザA型が検出されています。
アメリカ大陸の熱帯地域、中米、カリブ地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)や重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動が高いレベルにあるキューバを除いて、インフルエンザの活動は低いレベルにあります。キューバでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスの検出が関係しています。
アジア熱帯地域では、インドで主にインフルエンザA(H1N1)pdm09の活動による活動の小さな増加が報告されているものの、南アジアと東南アジアの国々では全体的にインフルエンザの活動が低いレベルにあることが報告されています。中国南部では、主にインフルエンザA(H3N2)によりインフルエンザの活動がまだ高い状態です。
南米温帯地域では、呼吸器系ウイルスの活動が依然として上昇しているチリを除いて、インフルエンザ様疾患(ILI)や重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動は低いか、総じて弱まってきています。この地域では、インフルエンザAが優勢でした。
南アフリカでは、インフルエンザの活動は弱まってきました。この数週間は主にインフルエンザBが検出されました。
オーストラリアでは、インフルエンザA(H3N2)の検出に続いてインフルエンザBが検出されれるようになり、インフルエンザの活動は現在も高まり続けているようです。ニュージーランドでは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBの流行が8月第2週にピークを迎えたもようです。
2015年8月10日から8月23日までのデータが、FluNet(協定世界時間2015年9月7日 14:18:56現在)に基づき、77の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、32,226本を超える検体が検査されました。インフルエンザウイルスが陽性となった検体は4,246本で、このうち3,219検体(75.8%)がインフルエンザA型、1,027検体(24.2%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、326検体(12.2%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、2,350検体(87.8%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、126検体(92%)がB-山形系統で、11検体(8%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

 北半球の国々では、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルにあります。多くの国がオフシーズンの間は調査活動を休止するか、調査活動の数を減らす体制をとっています。

熱帯地域

中米、カリブ海、南米の熱帯地域
 
カリブ海の国々、中米、アンデスの一部地域では、この期間、インフルエンザとRSウイルスの活動が低いか下がりつつあることを報告しています。例外的にキューバでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスが原因で、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)が高いレベルにある状態が続いています。

アフリカ熱帯地域
 アフリカ東部では、インフルエンザの活動を報告している国は少数しかありません。モザンビークでは主にインフルエンザA(H1N1)pdm09が検出され、ザンビアではごく僅かのインフルエンザAが報告されました。

 アフリカ西部の国々は、インフルエンザの活動の低下を報告しています。その中で、ガーナではインフルエンザB(山形系統)ウイルスが、コートジボワールではインフルエンザAウイルスが報告されています。

 アフリカ中央部でデータが報告された国では、カメルーンからこの数週間で僅かながらインフルエンザAウイルスの検出が報告されました。

アジア熱帯地域
 アジア南部では、この期間、総じてインフルエンザの活動レベルが低いか下がりつつあることが報告されました。

 インドでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09による僅かな活動の増加が報告されました。最近の数週間はインフルエンザBも報告されています。香港では、インフルエンザの活動は低くとどまっています。

 中国南部では、主にインフルエンザA(H3N2)の流行に、僅かにインフルエンザBの流行が加わり、活動レベルが上昇を続けていることが報告されています。

 東南アジアでは、この数週間、全体的にインフルエンザの活動が低いか下がりつつあることが報告されました。しかし、ラオス、タイ、シンガポールでは、主にインフルエンザA(H3N2)によるインフルエンザ陽性検出率の僅かな増加が報告されています。

南半球の温帯地域

南米温帯地域
 南米温帯地域では、チリを除いて、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動が低いか、総じて下がってきています。全体として、今シーズンのインフルエンザの活動は昨シーズンと比べて穏やかでした。インフルエンザAが優勢で、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が同時に流行していました。

 チリでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09に伴い、RSウイルスの活動が緩やかに増加しています。インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の患者数が増えていますが、昨シーズン以下のレベルにとどまっています。

アフリカ南部
 南アフリカでは、この数週間、インフルエンザの活動が弱まりつつあることが報告されています。この期間は、同時に流行するインフルエンザA(H3N2)を伴い主にインフルエンザBが優勢でした。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアでは、この期間、全国で活動の変化を伴いつつインフルエンザの活動が増加し続けていることが報告されています。インフルエンザB(山形系統)が優勢で、インフルエンザA(H3N2)も流行していました。今シーズンのインフルエンザワクチンは流行していた遺伝子株とよく一致していたようでした。しかし、検査されたインフルエンザBウイルスの約4分の1は、クィーンズランド州やニューサウスウェールズ州などそれ以上に推奨された3価のインフルエンザワクチンに含まれていない系統でした。

 ニュージーランドでは、この数週間、インフルエンザの活動は、主にインフルエンザA(H3N2) とインフルエンザBウイルスにより8月第2週にピークを迎えていました。インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は流行を示す平均曲線の上にとどまり、重症急性呼吸器感染症(SARI)も増加を続けています。

 フランス領ポリネシアと太平洋の島々では、この数週間はインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が、クック諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、ニューカレドニア、トケラウ、トンガ、バヌアツで高まってきています。フィジーでは、8月第3週に全部でインフルエンザB陽性の患者8人が報告されました。

出典

WHO. Influenza Update number 245. 7 September 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_09_07_surveillance_update_245.pdf?ua=1