2015年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新21)

2015年11月2日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、総じてインフルエンザの活動は両半球ともに下がるか、低下した状態でした。わずかな国でのみ呼吸器疾患のレベルの上昇が報告されました。

北半球では、インフルエンザの活動は散発的な検出だけでオフシーズンの低いレベルが続いています。
アフリカの国からはウイルスの検出がほとんど報告されませんでした。
アメリカ大陸の熱帯地域、中米、カリブ地域では、インフルエンザの活動は低いレベルに留まっていました。例外的にキューバでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスが関与し、依然として、たくさんの重症急性呼吸器感染症(SARI)が報告されています。コロンビアでは、RSウイルスとインフルエンザA(H3N2)の検出が続いており、急性呼吸器感染症(ARI)の活動が僅かな上昇を示していました。
西アジアでは、バーレーンとカタールでインフルエンザの活動の上昇が報告されました。主なウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。
アジア熱帯地域では、全体として南アジアと東南アジアの国々でインフルエンザの活動は低い状態にあることが報告されました。例外的に、インドではインフルエンザA(H1N1)pdm09による活動の高まりが、ラオスとタイではインフルエンザA(H3N2) による活動の高まりが、続いていると報告されています。中国南部ではインフルエンザの活動が低下してきました。イランでは、主にインフルエンザA(H3N2)によるインフルエンザの検出の増加が報告されました。
南米温帯地域では、この数週間、呼吸器系ウイルスの活動が下がってきました。チリでは、インフルエンザAとRSウイルスの検出数が減ってきましたが、この数週間、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は予想されたレベルを上回っています。
南アフリカでは、インフルエンザシーズンが9月中旬までに終わり、この数週間はインフルエンザBウイルスだけが散発的に検出されました。
オーストラリアでは、インフルエンザの活動が下がってきました。検出される最近のインフルエンザウイルスは、インフルエンザAとBウイルスがほとんど同じ割合でした。

2015年10月5日から10月18日までのデータが、FluNet(協定世界時間2015年10月29日 13:35:26現在)に基づき、77の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、52,564本を超える検体が検査されました。インフルエンザウイルスが陽性となった検体は1,431本で、このうち1,140検体(79.7%)がインフルエンザA型、291検体(20.3%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、375検体(46.2%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、437検体(53.8%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、61検体(72.6%)がB-山形系統で、23検体(27.4%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北半球の国々では、インフルエンザの活動はオフシーズンの低いレベルにあります。カナダでは散発的にインフルエンザA(H3N2)ウイルスが検出され、アメリカ合衆国ではRSウイルスの活動が高まってきました。

ヨーロッパ
 インフルエンザの活動は、散発的にインフルエンザが検出されるだけのオフシーズンのレベルで、低い状態にあります。

西アジア
 バーレーンとカタールでは、この数週間、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09と、それより少ない数のA(H3N2)ウイルスに伴い、インフルエンザAの検出数の増加が報告されました。

熱帯地域

中米、カリブ海、南米の熱帯地域
 カリブ海、中米、南米熱帯地域の国々からは、この期間にインフルエンザの活動は全体的に低い状態か下がりつつあることが報告されました。キューバでは、例外的に、インフルエンザA(H1N1)pdm09の活動とRSウイルスの検出の増加に伴い、依然としてたくさんの重症急性呼吸器感染症(SARI)患者が報告されています。コロンビアでは、この数週間、急性呼吸器疾患(ARI)の活動が昨年のこの時期に見られたレベルを僅かに上回っています。南米の熱帯地域ではインフルエンザウイルスの検出は低いレベルでしたが、コロンビアでは活動の持続的な増加によるとみられるRSウイルスの活動も僅かに上昇していました。コロンビアでは、この数週間、インフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出数も僅かですが増加しています。

アフリカ熱帯地域
 アフリカ東部と西部で、数少ない国ですが、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2) およびインフルエンザBのウイルス検出によるインフルエンザの活動が報告されました。

アジア熱帯地域
 アジア南部では、この期間に全体的にインフルエンザの活動はレベルが下がるか低い状態にあることが報告されました。

 インドでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスによる活動の高まりが続いていました。

 イランでは、10月初め以降、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスによる、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスも伴うウイルスの検出の報告が続いています。

 香港では、インフルエンザの活動は低い状態でした。中国南部では、インフルエンザの活動は下がってきました。主にインフルエンザA(H3N2)が検出されています。

 東南アジアのラオスでは、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスによるインフルエンザの活動の僅かな増加が報告されました。数は少ないですが、僅かにインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBも検出されています。タイでも、この数週間、主にインフルエンザA(H3N2)によるインフルエンザウイルスの僅かな増加が起きています。しかし、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は安定した状態に留まっています。

南半球の温帯地域

南米温帯地域
 南米温帯地域では、8月にピークに達した後に全体として減少を続け、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動は下がる又は低い状態でした。今シーズンは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)の同時流行によるインフルエンザA型ウイルスが優勢で、インフルエンザBの検出は僅かでした。RSウイルスの検出も、6月にピークに達した後は全般に減少してきました。

 チリでは、8月から9月初旬までの急激な増加とピークを迎え後、この数週間もインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が予想レベルを上回っています。重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動も8月に活動が高まっていたときに比べると、下がってきました。インフルエンザウイルスとRSウイルスの検出数は両方ともに、この数週間で減ってきました。検出されるインフルエンザウイルスでは、インフルエンザBの割合が少しずつ増えてきています。

アフリカ南部
 南アフリカでは、第38週から第43週に散発的にインフルエンザBウイルスの検出がみられたものの、9月半ばでインフルエンザのシーズンは終わりを迎えました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアでは、季節性インフルエンザの活動は8月半ばにピークに達した後は低下してきました。すべての地域で、インフルエンザの活動は安定し低下したレベルにあることが報告されています。例外的に、サウスオーストラリアでは活動が拡大を続けていることが報告されています。全国的には、昨シーズンと同様に、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が下がり続けています。検出されるインフルエンザウイルスの中では、インフルエンザAとBウイルスはだいたい同じ割合でした。

出典

WHO. Influenza Update number 249. 2 November 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_11_02_surveillance_update_249.pdf?ua=1