2015年のニュース

世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新23)

2015年11月30日 WHO(原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、インフルエンザの活動は両半球ともに総じて低い状態でした。

アジアの中央部と東部、ヨーロッパ、アフリカ北部、北アメリカでは、インフルエンザの活動が散発的に検出されるだけで、オフシーズンの低いレベルが続いていました。
西アジアでは、バーレーンとカタールでインフルエンザの活動の増加が報告されました。主なウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。
アフリカの国からはインフルエンザウイルスの検出はほとんど報告されませんでした。
アメリカ大陸の熱帯地域、中米、カリブ地域では、キューバを除いて、インフルエンザの活動が低いレベルにありました。
アジア熱帯地域では、全体として南アジアと東南アジアの国々でインフルエンザの活動は低い状態にあることが報告されました。例外的に、インド、ラオス、タイでは引き続き、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09による活動の高まりが報告されています。
南米温帯地域では、この数週間、呼吸器系ウイルスの活動が下がってきました。現在は、主にインフルエンザBウイルスが検出されています。いくつかの国では、呼吸器疾患の指標の変動が報告されました。
オーストラリアと南アフリカでは、散発的にインフルエンザの検出が報告されているのみです。
2015年11月2日から11月15日までのデータが、FluNet(協定世界時間2015年11月26日 13:12:07現在)に基づき、84の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に75,360本を超える検体が検査されました。インフルエンザウイルスが陽性となった検体は1,663本で、このうち1,125検体(67.6%)がインフルエンザA型、538検体(32.4%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、393検体(48.5%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、417検体(51.5%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、168検体(71.5%)がB-山形系統で、67検体(28.5%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北半球の国々では、インフルエンザの活動がオフシーズンの低いレベルでした。カナダ全土でインフルエンザA(H3N2)ウイルスが検出されました。一方、アメリカ合衆国ではこの数週間はRSウイルスの活動が高まってきました。

ヨーロッパ
 
インフルエンザの活動は、散発的にインフルエンザが検出されるだけのオフシーズンのレベルで、低い状態でした。

西アジア
 
バーレーンとカタールでは、この数週間、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09と、それに続く僅かなA(H3N2)ウイルスの検出に伴い、インフルエンザAの検出数の増加が報告されました。オマーンでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBが入り混じって報告されていますが、インフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出は僅かでした。

熱帯地域

中米、カリブ海、南米の熱帯地域
 
カリブ海、中米、南米熱帯地域の国々からは、この期間にインフルエンザの活動は全体的に低い状態か下がりつつあることが報告されました。キューバでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)、RSウイルスの検出数の増加に伴い、依然としてたくさんの重症急性呼吸器感染症(SARI)患者が報告されています。ニカラグアでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数の増加が見られました。コロンビアでは、この数週間、RSウイルスの活動とインフルエンザA(H3N2)ウイルスの流行が続いていたために、急性呼吸器疾患(ARI)の活動が昨年のこの時期に見られたレベルを僅かに上回りました。

アフリカ熱帯地域
 
アフリカ東部と西部では、いくつかの国でインフルエンザの活動の低下が報告されました。検出されたウイルスはインフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2) でした。

アジア熱帯地域
 
アジア南部では、この期間は全体的にインフルエンザの活動レベルが下がるか低い状態にあったことが報告されました。

 インドでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスによる活動の高まりが続いていました。

 イランでは、数週間前からインフルエンザの検出数の増加が報告されてきました。インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスが主で、A(H3N2)とBも何件か報告されています。

 香港では、インフルエンザの活動は低い状態でした。中国南部では、インフルエンザの活動は下がってきました。主にインフルエンザA(H3N2)が検出されています。

 スリランカでは、インフルエンザの検出数の増加が報告されてきました。流行しているウイルスは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。

 東南アジアのラオスでは、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスを検出しながらも、インフルエンザの活動の僅かな減少が報告されました。数は少ないですが、インフルエンザBも検出されています。タイでは、数週間前と比べてインフルエンザの検出数が増加してきました。主にインフルエンザA(H3N2)が検出され、続いてインフルエンザBが検出されています。一方、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は少しずつ低下してきました。

南半球の温帯地域

南米温帯地域
 南米温帯地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動、並びに呼吸器系ウイルスの検出数はほとんどの国で下がってきました。

 チリでは、この数週間はインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が下がってきました。しかし、まだ予測レベルを上回っています。パラグアイでは、ILIの活動が流行シーズンの警戒レベルを超えるところまで高まってきました。ウルグアイでは、重症急性呼吸器感染症(SARI)による入院と集中治療室(ICU)への入院がわずかに増加しました。しかし、これらの変化はインフルエンザの活動の変化とは関係ないことは明らかでした。アルゼンチン、チリ、ウルグアイでは、インフルエンザの活動は、主にインフルエンザBウイルスによるものでした。

アフリカ南部
 
南アフリカでは、散発的にインフルエンザBウイルスの検出がみられたものの、インフルエンザのシーズンは9月半ばで終わりました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアでは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB が散発的に検出されるだけで、インフルエンザの流行シーズンの活動は終わりました。ニュージーランドでは、最近、インフルエンザの活動は報告されていません。

出典

WHO. Influenza Update number 251. 30 November 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_11_30_surveillance_update_251.pdf?ua=1