太平洋における症状・疾患サーベイランス報告

2015年51-52週および2016年2-4週に報告されたWHO西太平洋地域事務局(WPRO)のサーベイランス情報をまとめて掲載いたします。

  1. 註1発生時期に時間差がありますので、詳細は原文でお確かめください。
  2. 註2[ ]の数字は報告週です。

太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告システム(PSSS)では、伝染性感染症の発生を示唆する情報の報告をしています。データは、急性発熱と発疹、下痢、インフルエンザ様疾患、遷延性の発熱の4つの症状群について、太平洋地域の23か国200以上の医療施設から収集されています。PSSSは、伝染性感染症に対する極めて貴重な早期警報ツールとしての、また、太平洋諸島の地域と国々、WHO、太平洋共同体のようなその他の国際機関との間で定期的に連絡をとる機構制度としての役目を果たしています。

概要

  • 急性発熱と発疹:パラオ[52,3,4]、フランス領ポリネシア[3,4]
  • 下痢:ソロモン諸島[51,52,2,3]、マーシャル諸島[4]、トンガ[2,4]
  • インフルエンザ様疾患:ソロモン諸島[4]、ニューカレドニア[51]
  • 遷延性発熱:ソロモン諸島[4]

疾患別の発生状況

デング熱

【フィジー】北部地域で多くの患者が発生しており、今年初めから確定患者55人が報告されました[3]。2016年1月24日の週にもデング様疾患の患者数の増加が報告されています[4]。
【キリバス】2016年1月3日から24日までに、デング様疾患疑いの患者117人がみられました[4]。
【パプア・ニューギニア(PNG)】現在も流行が続いており、Daru(ダル)で11月4日から2016年1月8日までに患者170人がみられました[3]。

ジカ熱

【トンガ】2016年1月17日から24日までの報告で、ジカ熱疑いの患者数が増加していました。ニュージーランドのLabPlus研究施設に送られた検体9本のうち2本からRT-PCR法検査でジカウイルスに陽性の結果が出ました[4]。

急性発熱と発疹

【アメリカ領サモア】12月から2016年1月にかけて患者数の増加が報告されています。検体が確認検査のために検査施設に送られています[4]。
【パラオ】3人の患者が水疱瘡と診断されました[52]。

下痢

【ソロモン諸島】流行は、Honiara(ホニアラ) 市とGuadalcanal(ガダルカナル)で発生しています。患者の約70%は乳児と5歳未満の子どもです。患者は、水様性下痢、発熱、嘔吐、腹痛を示しています。第51週において、流行に関連する可能性のある死亡者1人の調査が始まりました。予備検査では、この流行はロタウイルス感染症による可能性を示しています。検体は、確認のために疾病制御検査施設のあるフィジーのセンターに送られました。合同会議が12月18日に招集され、行動計画が作成されました[51]。第2週では、いくつかの地域では患者数が増加しているものの、国内の流行は拮抗した状態となりました[2]。この週も、子ども4人と大人2人の6人が流行中に下痢症状で死亡したことが報告されました[2]。これらの死亡者では、死亡原因がロタウイルス胃腸炎によるものかを判別するための調査が続けられています[2]。第3週では、調査では新たに5人の死亡者を認めたものの患者数に明らかな減少傾向がみられました。この流行中に報告された合計死亡者数17人となりました[3]。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、早目に医療機関を受診してください。
  • また、帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関を受診してください。受診方法については検疫所や保健所でも相談することができます。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典