西太平洋地域におけるデング熱の流行状況 (更新2)

2016年3月8日付けで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から公表されたデング熱の発生状況の報告です。

註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため国別の比較はできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

中国

2015年に中国で報告されたデング熱患者数は3,884人でした。患者の多くが9月から10月にかけて報告されています。2015年12月には、デング熱患者62人が報告されました。死亡者は出ていません。12月の月別患者数は11月に報告された患者数(n=470)と比べて減りました。2014年の同時期に報告された患者数(n=180)よりも少なくなっています。

マレーシア

2016年2月21日から27日にかけて、前週の2,785人よりも多い2,885人のデング熱患者数が報告されました。これは、2015年の同じ時期の患者数を上回り、2011年から2015年の中央値をも上回っていました。同じ時期において、3人のデング熱による死亡者が報告され、2016年における死亡者数は54人となりました。2015年の同じ時期に報告された死亡者数は62人でした。

フィリピン

2016年2月20日までに、死亡者65人を含む18,790人のデング熱患者が報告されました。これは2015年の同じ時期(n=16,606)と比べて多くなっています。

シンガポール

2016年2月28日から3月5日までに、前週(n=512)よりも少ない415人の患者が報告されました。過去5年間(2011-2015年)のそれぞれの同じ時期よりは、報告数が多くなっています。

カンボジア

2016年2月2日までに、562人のデング熱患者が報告されました。死亡者はでていません。患者数は、2012年から2015年に見られた患者数の動向に沿って安定しています。第6週目では、前週の102人と比較して、45人の患者が報告されました。

ラオス

2016年2月26日までに、報告されたデング熱患者数は死亡者1人を含む178人でした。2016年2月20日から26日までに、季節変動パターンに沿って新たに26人のデング熱患者が報告されました。

ベトナム

2016年1月31日までに、63省のうち38省から死亡者2人を含む13,086人のデング熱患者が報告されました。2016年に報告された累積患者数は、2015年の同じ時期の患者数と比べて多くなっています。また、2010-2014年の患者数(中央値)よりも多くなっています。2015年12 月(患者数17,033人、死亡者数8人)と比べて患者数は23.2%減少しました。

オーストラリア

2016年2月29 日現在、オーストラリアでは286人のデング熱患者が確定診断されました。これは、過去5年間(n=270)で最低数となっています。

フランス領ポリネシア

2016年2月22日から28日までに、入院患者3人を含む49人のデング熱患者が確定診断されました。患者49人のうち10人はデング熱1型であることが確認されました。2016年第1週から第8週までの患者数は、概ね流行の閾値を超えました。

パプアニューギニア

西部州ダリにあるダル病院の外来診療科には、2015年11月4日から2016年1月8日にかけて、合計170人の患者が訪れました。うちわけは、臨床診断が126人、確定診断が44人、PCR法検査により型が特定できた患者(デング熱2型)が2人でした。年齢は、6歳から35歳と12%(21/170)の5歳以下の層に分布していました。7人の重症患者が入院となりました。すべての患者が回復し、退院しています。

出典

WHO/WPRO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region. 8 March 2016
Dengue Situation Update Number486
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue-20160308.pdf?ua=1[PDF形式:680KB]