西太平洋地域におけるデング熱の流行状況 (更新5)

 2016年5月31日付けで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から公表されたデング熱の発生状況の報告です。

 註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため国別の比較はできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

  • 中国
     2016年4月30日までに、デング熱患者121人が報告されました。過去4年間(2012-2015)の同時期と比べると、2016年に中国で報告されたデング熱患者数は増加しています。
  • マレーシア
     2016年4月17日から4月23日にかけての週に、デング熱の患者数は前週の1,854人から減って、1,607人となりました。(しかし)これは、2015年の同じ時期の患者数を上回りました。同期間に2人のデング熱による死亡者が報告され、2016年における死亡者数は94人となりました。2015年の同じ時期に報告された死亡者数は120人でした。
  • フィリピン
     2016年4月2日までに、死亡者126人を含む33,748人のデング熱患者が報告されました。これは、2015年の同じ時期(n=24,927)と比べて多くなっています。
  • シンガポール
     2016年5月8日から21日までに、新たに429人の患者が報告されました。2015年の同じ時期よりも、報告数が多くなっていますが、年初以降、患者数は着実に減っています。
  • カンボジア
     2016年1月1日から5月17日までに、死亡者4人を含むデング熱患者1,771人が報告されました。5月には、患者168人が報告されました。死亡者はでていません。この時点では、患者数は、安定して低い状態です。
  • ラオス
     2016年5月20日までに、死亡者6人を含むデング熱患者583人が報告されました。2016年5月6日から5月20日までには、新たに死亡者3人を含むデング熱患者141人が報告されました。
  • ベトナム
     2016年2月29日までに、63省のうち39省から死亡者7人を含む16,967人のデング熱患者が報告されました。2016年に報告された累積患者数は、2015年の同じ時期の患者数と比べて多くなっています。また、2010-2014年の同じ時期の患者数(中央値)よりも多くなっています。2016年2月の患者数は2016年1月(患者数13,086人、死亡者数2人)と比べて30%少なくなっている(原文どおりに記載)ものの、死亡者は5人増えています。
  • オーストラリア
     2016年5月31日現在、オーストラリアでは1,044人のデング熱患者が確定診断されました。5月に報告された患者数は2016年の他の月よりも少なくなっており、全般的に2011年から2015年の季節変動傾向に沿っています。
  • フランス領ポリネシア
     2016年5月9日から22日までに、入院患者11人を含む75人のデング熱患者が確定診断されました。患者75人のうち17人で、デング熱1型であることが確認されています。
  • パプアニューギニア
     5月17日現在、報告された患者数は減ってきています<情報源:パプアニューギニア国立健康部局>。パプアニューギニアを旅行した3人の患者の1人がデング熱3型であったことが、(オーストラリア)クイーンズランド州健康局から報告されました。

出典

WHO/WPRO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region. 31 May 2016
Dengue Situation Update Number492
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue_biweekly_20160531.pdf?ua=1[PDF形式:446KB]