2016年のニュース

世界のインフルエンザ流行について (更新14)

2016年7月25日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2016年7月10日までのデータに基づくインフルエンザの活動状況です。3月末以降、アメリカ大陸およびヨーロッパ地域からの報告が各地域のサイト情報で掲載されるようになりました。そのため、今回はアジア熱帯地域の詳細情報のみを追記し、これらを除く地域については要約のみを記載しています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご覧ください。

要約

 南半球温帯地域の国々では、インフルエンザの活動にバラツキがみられました。この数週間、南アフリカでは着実に活動が高まってきましたが、オセアニアではほとんどの国で活動が全体的に低い状態でした。北半球温帯地域におけるインフルエンザの活動は、オフ・シーズンのレベルとなりました。

南米熱帯地域では、チリとパラグアイで、インフルエンザ様疾患(ILI)および重症急性呼吸器症候群(SARI)の指標が上がり続けていました。チリでは、インフルエンザの活動が高まり始め、パラグアイとウルグアイでは、高まった状態を維持していました。ウルグアイでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09が流行し、チリとパラグアイではこれに加えてインフルエンザBウイルスが重なり流行していました。しかし、アルゼンチンでは、(主にインフルエンザAウイルスによる)インフルエンザの活動が数週間前をピークに低下してきました。インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器症候群(SARI)の活動は高まったままですが、増えてはいません。南米熱帯地域では、RSウイルスの活動が高い状態に留まっていました。
アフリカ南部温帯地域の国々では、インフルエンザ様疾患(ILI)での受診者の間で、インフルエンザの検出数が増えていました。検出されたのは、主にインフルエンザBウイルスと、次いでA(H3N2)ウイルスでした。
オセアニアでは、インフルエンザ・ウイルスの活動が僅かに高まってきましたが、まだ弱い状態でした。オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の検出数が今年のこの時期としては低い状態でした。
カリブ海地域の国々では、総じて呼吸器系ウイルスの活動は低い状態でした。いくつかの国では、重症急性呼吸器症候群(SARI)の患者および入院患者が僅かに増加してきており、特に、キューバでは、インフルエンザBの検出数が低いレベルながら続いていました。
中米のエルサルバドルでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出によるインフルエンザの活動が続いていました。パナマでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数が減少してきましたが、インフルエンザ以外の呼吸器系ウイルスの検出数は増加してきました。コスタリカではRSウイルスの活動が続いていました。
南米熱帯地域では、この数週間、全般的に呼吸器系ウイルスの活動が低下したか、低い状態に留まっていました。その中で、検出されたのは主にインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。コロンビアとボリビアでは、この数週間で、インフルエンザA(H1N1)pdm09の活動がピークを迎えたようでした。そのピークはこの数年のピークよりも高いレベルでした。コロンビアでは、急性呼吸器症候群(ARI)や重症急性呼吸器症候群(SARI)の活動が弱まってきましたが、前年と比べて高い状態に留まっていました。エクアドルでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数が減ってきました。ブラジルとペルーでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の活動は低い状態に留まり、ブラジルではSARIの指標が下がってきました。
南アジア熱帯地域では、総じてインフルエンザの活動は低い状態でした。この地域で検出されたのはインフルエンザAとインフルエンザBの同時伝播でした。
アフリカの北部温帯地域と中央部熱帯地域では、全体的にインフルエンザの活動が低い状態でした。この間に報告のあった国では、アフリカ西部では主にインフルエンザA(H3N2)の検出が、アフリカ東部と北部では主にインフルエンザBウイルスの検出が、それぞれに報告されました。
北米およびヨーロッパでは、インフルエンザの活動が低い状態でした。その中で、インフルエンザBが検出されていました。インフルエンザ様疾患(ILI)のレベルは、流行シーズンの基準値を下回りました。
アジア温帯地域では、インフルエンザの活動が低い状態でした。その中で、インフルエンザBが検出されていました。
2016年6月27日から2016年7月10日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年7月22日 04:17:11まで)に基づき、65の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に44,063本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は2,366本で、このうち1,571検体(66.4%)がインフルエンザA型、795検体(33.6%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、601検体(57.2%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、450検体(42.8%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、105検体(34%)がB-山形系統で、327検体(66%)がB-ビクトリア系統でした。

アジア熱帯地域

 アジア南部のインフルエンザの活動は、インフルエンザBウイルスを検出しながら全体として低い状態でした。ネパールでは、この数週間、インフルエンザBの検出数の増加が報告されました。東南アジアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)、およびインフルエンザBウイルスの何れもが検出されながらも、インフルエンザの検出数は減ってきました。インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)、 Bウイルスの何れもが報告されるベトナム、およびインフルエンザA(H3N2)と Bウイルスが報告されるシンガポールでは、この数週間、検出数のさらなる増加が報告されました。

出典

WHO. Influenza Update number 267. 25 July2016

http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_07_25_surveillance_update_268.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_content&view=article&id=3352%3A2010-influenza-situation-report&catid=2407%3Ainfluenza-other-respiratoryviruses&Itemid=2469&lang=en

ヨーロッパ、中央アジア
EURO: https://flunewseurope.org/