2016年のニュース

世界のインフルエンザ流行について (更新16)

2016年8月22日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2016年8月7日までのデータに基づくインフルエンザの活動状況です。3月末以降、アメリカ大陸およびヨーロッパ地域からの報告が各地域のサイト情報で掲載されるようになりました。そのため、今回はアジア熱帯地域の詳細情報のみを追記し、これらを除く地域については要約のみを記載しています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご覧ください。

要約

 南半球温帯地域の国々では、インフルエンザの活動にバラツキがみられました。この数週間、南アフリカでは着実に活動が高まってきました。一方、オセアニアのほとんどの国では活動がまだ低い状態でした。北半球温帯地域におけるインフルエンザの活動は、オフ・シーズンのレベルにありました。

南米温帯地域では、チリとパラグアイで、インフルエンザ様疾患(ILI)および重症急性呼吸器症候群(SARI)の指標が高く留まっていました。インフルエンザの活動は、チリでは高まりを続け、パラグアイでは高く留まっていました。しかし、ウルグアイからのインフルエンザの活動の報告はありませんでした。チリとパラグアイでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBウイルスとが同時に伝播していました。アルゼンチンでは、インフルエンザの活動が低下してきました。インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器症候群(SARI)の活動は今以上に高まる傾向はありませんが、高いままの状態でした。南米熱帯地域では、RSウイルスの活動が高い状態にありました。
アフリカ南部温帯地域の国々では、インフルエンザ様疾患(ILI)による患者で、インフルエンザの検出数が増え続けています。最近は、主体がインフルエンザBウイルスからインフルエンザAウイルスに移ってきました。肺炎の患者では、最近に報告されたものと比較して、RSウイルスの検出割合が下がってきました。
オセアニアでは、インフルエンザ・ウイルスの活動が少しずつ高まってきましたが、まだ、全体としては低い状態でした。インフルエンザA(H3N2)ウイルスが主体であったオーストラリアとニューカレドニアでは、この数週間は、A(H1N1)ウイルスも検出され、インフルエンザの活動は高まってきていました。ニュージーランドでのインフルエンザの活動レベルは、年間のこの時期としては低い状態でした。
カリブ海地域の国々では、インフルエンザとその他の呼吸器系ウイルスの活動は引き続き低い状態でした。いくつかの国では、重症急性呼吸器症候群(SARI)の患者数および入院患者数が少しずつ減ってきましたが、キューバでは、この数週間は重症急性呼吸器症候群(SARI)の患者数が少しずつ増えてきました。
(中米の)パナマでは、インフルエンザ以外の呼吸器系ウイルスの検出数が、増えてはいませんが高い状態です。コスタリカでは、インフルエンザの活動性は低いままでしたが、RSウイルスが主体となって他の呼吸器ウイルスの活動が増えてきていました。
南米熱帯地域では、ほとんどの国で、この数週間はインフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスの活動が低下してきたか、低い状態に留まっていました。コロンビアでは、重症急性呼吸器症候群(SARI)の活動が低下を続け、昨年の同時期と同じレベルとなりました。エクアドルとボリビアでは、引き続きインフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数が減ってきました。ペルーでは、先週、主体となっているインフルエンザBによってインフルエンザの活動が高まっていますが、RSウイルスを中心に他の呼吸器系ウイルスの検出数は減ってきました。ブラジルとエクアドルでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09が低い状態で活動していました。
南アジア熱帯地域では、インフルエンザAとインフルエンザBが同時に伝播しながらも、総じてインフルエンザの活動は低い状態でした。
東南アジアでは、インフルエンザAとインフルエンザBが同時に伝播していることで、この数週間、インフルエンザの検出数が増えてきました。
アフリカの北部温帯地域と中央部熱帯地域では、全体的にインフルエンザの活動が低い状態でした。この間に報告のあった国では、アフリカ西部では主にインフルエンザA(H3N2)の検出が、アフリカ東部と北部では主にインフルエンザBウイルスの検出が、それぞれに報告されました。
北米およびヨーロッパでは、インフルエンザの活動が低い状態でした。その中で、インフルエンザBが検出されました。インフルエンザ様疾患(ILI)のレベルは、流行シーズンの基準値を下回りました。
アジア温帯地域では、インフルエンザの活動が低い状態でした。
2016年7月25日から2016年8月7日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年8月19日 04:04:59まで)に基づき、50の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に31,890本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は1,654本で、このうち1,096検体(66.3%)がインフルエンザA型、558検体(33.7%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、319検体(32.9%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、652検体(67.1%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、70検体(35.7%)がB-山形系統で、126検体(64.3%)がB-ビクトリア系統でした。

アジア熱帯地域

 アジア南部では、全体的にインフルエンザの活動が低い状態でした。その中で、インフルエンザAとB両方のウイルスが伝播していました。ネパールでは、インフルエンザA型(H3)とBウイルスの検出数増加の報告が続いていました。

 東南アジアでは、インフルエンザの検出数が増えてきました。その中でインフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)、およびインフルエンザBウイルスの何れもが検出されました。シンガポールでは、インフルエンザA(H3N2)の検出数が高く留まっていました。カンボジアとタイでは、僅かにA(H3N2)とBウイルスを検出しながら、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数の増加が報告されました。フィリピンでは、何本かインフルエンザA(H1N1)pdm09やA(H3N2)を検出しながら、Bウイルスの検出数が減ってきました。ベトナムでは、この数週間、AウイルスとBウイルスの両方が伝播していました。

出典

WHO. Influenza Update number 270. 22 August 2016
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_08_22_surveillance_update_270.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_content&view=article&id=3352%3A2010-influenza-situation-report&catid=2407%3Ainfluenza-other-respiratoryviruses&Itemid=2469&lang=en

ヨーロッパ、中央アジア
EURO: https://flunewseurope.org/