西太平洋地域におけるデング熱の流行状況 (更新9)

2016年9月20日付けで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から公表されたデング熱の発生状況の報告です。

註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため国別の比較はできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

●中国
2016年8月31日までに、デング熱患者850人が報告されました。この患者数は2015年の同時期と比べて多くなっています。

●マレーシア
第36週のデング熱患者は2,095人でした。前回の報告2,143人よりも2.2%減少しました。2015年の同時期に報告された患者数85,488人と比べれば少ないですが、2016年の累積患者数は78,077人となりました。また、累積死亡者数は第36週までに176人となりました。2015年の同じ時期に報告された死亡者数は234人でした。

●フィリピン
2016年8月20日までに、死亡者422人を含む101,401人のデング熱患者が報告されました。これは、2015年の同じ時期(n=87,411)と比べて16%多くなっています。

●シンガポール
第36週に、デング熱患者242人が報告されました。2016年の累積患者数(n=11,553)は、2016年の初めに患者数が多かったことから、2015年の同じ時期の累積患者数(n=6,811)と比べて、70%も上昇していました。

●カンボジア
2016年1月1日から5月17日までに、死亡者4人を含むデング熱患者1,771人が報告されました。5月には、患者168人が報告されました。死亡者はでていません。この時点では、患者数は、安定して少ない状態です。

●ラオス
2016年9月9日までに、死亡者9人を含むデング熱患者3,455人が報告されました。2016年9月3日から9月9日までに、新たにデング熱患者186人が報告されました。死亡者はでていません。患者数は2014-2015年の同じ時期よりも多くなっています。

●ベトナム
2016年6月30日までに、63省のうち44省から死亡者11人を含む36,639人のデング熱患者が報告されました。累積患者数は、2015年の同時期とよりも184.7%増加していました。また、2010-2015年の同じ時期の患者数(中央値)を比べると、累積患者数は102.7%と多くなりましたが、死亡者数は3人減りました。2016年6月には、死亡者1人を含む患者5,225人が報告されました。

●オーストラリア
2016年8月31 日現在で、デング熱患者1,683人が確定診断されました。3月以降、報告された患者数は減少傾向にあり、2011年から2015年の季節変動傾向に沿っています。

●フランス領ポリネシア
第35週には、確定患者35人が報告されました。患者35人のうち8人(22.9%)がデング熱1型と確認されました。

●パプアニューギニア
1月1日から6月5日までに、パプアニューギニアを旅行したデング熱患者67人が(オーストラリア)クイーンズランド州健康局から報告されました。これらの患者のうち、5人がデング熱1型、48人がデング熱2型、3人がデング熱3型、1人がデング熱4型でした。10人は亜型が特定されませんでした。

●ニューカレドニア
2016年8月には、デング熱患者56人が報告されました。2016年6月以降、患者数は減少してきました。

出典

WHO/WPRO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region. 20September2016
Dengue Situation Update Number500
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue_biweekly_20160920.pdf?ua=1[PDF形式:1.0MB]