2016年のニュース

WHOがジカウイルス対策を強化へ- 東南アジア

 2016年9月30日に公表されたWHO東南アジア地域事務局(SEARO)の情報によりますと、タイにおいて小頭症児2例でジカウイルスに関連することが確認されたことから、WHOはWHO東南アジア地域事務局を通じて関係各国にジカウイルスの予防、発見、対策に強い意志で行動するように促しました。

 WHO東南アジア地域事務局事務局長Poonam Khetrapal Singh 博士は、次のように述べています。

 「ジカウイルス感染症は、妊娠女性とその胎児の健康と福祉にとって大きな脅威です。各国は地域全体でジカウイルスの感染伝播を予防し、発見し、対応するために対策を強化し、それを続けなければなりません。」

 タイでジカウイルスが関係する小頭症事例2例が確認されました。これにともない、新生児が胎内でジカウイルスに曝露されていた場合、この他にも神経障害が発生する可能性がでていきいます。

 Khetrapal Singh 博士は、次のようにも述べています。

 「タイの担当当局は、ジカウイルスの発見と対応のために活動を始めています。タイ国民の真摯な姿勢は、タイ国民の健康と福祉に対する保健当局の責任感を強め、競って陽性例を報告してきています。」

 最近、WHO東南アジア地域におけるジカウイルスの存在は、タイ、インドネシア、モルディブ、バングラデシュから報告されていました。

 国際的な懸念に対する公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)が2月に宣言されて以来、WHOは、ジカウイルスと先天性障害の調査活動の強化、媒介する蚊の調査と制御・駆除活動の強化、検査処理能力の向上、リスク情報の伝達と注意喚起の強化、地域住民の活動への参加の奨励に対し、この地域で各国とともに取り組んできました。現在、全ての国が、ジカウイルスの検出試験の実施、並びに小頭症事例の評価と確認に対する検査・処理能力を保持しています。

 公的な取り組みに加えて、WHOは、家の持ち主や地域活動のグループにも蚊の駆除の最前線に立つことを促してきました。Khetrapal Singh 博士は、こうも述べています。

 「蚊の個体数を減らす管理をすることは、ジカウイルスの伝播を減らすだけでなく、デング熱やチクングニア熱などの蚊によって媒介される疾患の伝播を減らすためにも重要です。行政の取り組みとともに、家の持ち主には、雨どい、植木鉢、スペアタイヤや廃タイヤに溜まった澱み水を捨て、家庭内のゴミはプラスチックの袋に密閉して処分することが勧められています。」

 「WHOは、妊娠女性だけでなく、その他の住民にも、蚊が人との接触を嫌うように長袖で、明るい色の服を着用し、防虫剤を使用し、睡眠を蚊帳の中で取り、如何なる場所も可能な限りドアや窓を確りと閉めることを勧めています。」

 WHOは、入手できている情報に基づく限り、ジカウイルスの伝播が発生している国や地域との貿易や渡航に制限を加えることを勧めてはいません。(しかし)ジカウイルスが流行している地域へ旅行する人は、蚊に刺される機会や性交渉によるジカウイルスの伝播の可能性を軽減するために、潜在するリスクや適正な対応策についての最新のアドバイス情報を入手しておくことが必要です。

 妊娠女性には、ジカウイルスの流行が続いている地域には旅行しないことが勧められるべきです。ジカウイルスが流行している地域に住んでいる、又はそこから帰ってきた妊娠女性の性交渉のパートナーは、妊娠期間中は性交渉を控えるか、より安全な方法で性生活を過ごす必要があります。

 ジカウイルスの伝播が活発な地域では、WHOは、正確な情報でのカウンセリングで、妊娠するかどうか、いつ妊娠するのかについて、情報に基づいた選択ができるように、女性には避妊の全ての方法が伝えられることを勧めています。WHOは、妊娠を望むか否かに関わらず、伝播が活発な地域から戻ってきた男女には、6か月間は、より安全な方法で性生活を過ごすか、性交渉を控えることを勧めています。

出典

SEARO. Press release. 30 September 2016
WHO calls for stronger measures against Zika as Thailand confirms disease-related microcephaly
http://www.searo.who.int/mediacentre/releases/2016/1641/en/