2016年のニュース

世界のインフルエンザ流行について (更新19)

2016年10月3日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2016年9月18日までのデータに基づくインフルエンザの活動状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報で掲載されています。そのため、ここではアジア地域で記載されている詳細情報のみを追記し、これらを除く地域については要約のみを記載しています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

 南米温帯地域の国々では、インフルエンザの活動にバラツキがみられ、南アフリカでは活動の高まりが続き、オセアニアではインフルエンザの活動が下がってきました。北半球温帯地域におけるインフルエンザの活動は、オフ・シーズンのレベルにありました。

南米温帯地域では、インフルエンザ・ウイルス、RSウイルスの活動が、多くの地域で低下してきました。チリでは、インフルエンザ様疾患(ILI)、検査確定インフルエンザ、RSウイルスの検出数が上昇したままでした。インフルエンザの中では、インフルエンザA(H1N1)pdm09が主体でした。インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBウイルスも同時に伝播していました。パラグアイでは、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器症候群(SARI)の患者数が上昇した状態でした。南米熱帯地域では、まだ、RSウイルスの活動は高い状態でした。
南アフリカでは、インフルエンザの検出が続いていました。主にインフルエンザA(H1N1)pdm09で、次いでインフルエンザBが検出されていました。シーズン始めには、A(H3N2)ウイルスが検出されていました。
オセアニアでは、この数週間で少しずつインフルエンザ・ウイルスの活動が下がってきました。主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスが伝播していました。オーストラリアでは、まだ高い状態ですが、活動は下がってきました。対照的に、ニュージーランドでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の割合が流行シーズンの基準値を下回りました。
カリブ海地域の国々では、ほとんどの地域でインフルエンザ及びその他の呼吸器系ウイルスの活動が低いままでした。例外的に、キューバでは、この数週間にインフルエンザBウイルスの検出数が僅かに上昇していました。中米では、インフルエンザの活動は低い状態でした。しかし、ほとんどの国で、RSウイルスによりインフルエンザ以外の呼吸器系ウイルスの活動が高い状態でした。
南米熱帯地域では、ほとんどの国で、この数週間はインフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスの活動が低下してきたか、又は、低い状態にありました。コロンビアでは、インフルエンザの活動は低いままでした。しかし、RSウイルスの活動は高まってきました。ペルーでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の同時伝播がありながらも、インフルエンザの活動は低下を続けていました。
西アジア、中央アジアおよび東アジア温帯地域では、インフルエンザの活動は低い状態でした。南アジア熱帯地域の国々では、この地域での季節性インフルエンザAウイルスとBウイルスの同時伝播を伴いながらも、インフルエンザの活動は全般的に低い状態でした。
東南アジアでは、この地域のいくつかの国で、季節性インフルエンザAウイルスとBウイルスの同時伝播を伴う活動の継続が報告されながらも、この数週間はインフルエンザの検出数が減少する傾向にありました。
アフリカの北部、中央部、西部地域において、この間に報告のあったいくつかの国では、この数週間、散発的にインフルエンザA(H3N2)の患者が報告されました。アフリカ東部では、マダガスカルで、引き続きインフルエンザBの検出が報告されていました。
北米およびヨーロッパでは、インフルエンザ・ウイルスの検出は僅かしかなく、インフルエンザの活動が低い状態でした。インフルエンザ様疾患(ILI)のレベルは、流行シーズンの基準値を下回っていました。アメリカ合衆国では、RSウイルスを優勢とする呼吸器系ウイルスの活動が高まってきました。
アジア温帯地域では、インフルエンザの活動は低い状態でした。
2016年8月22日から2016年9月18日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年9月30日 03:56:53まで)に基づき、73の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に44,178本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は2,763本で、このうち2,260検体(81.8%)がインフルエンザA型、640検体(18.2%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、246検体(12%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、1,812検体(88%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、31検体(24.6%)がB-山形系統で、95検体(75.4%)がB-ビクトリア系統でした。
2017年南半球のインフルエンザ・シーズンに対し使用するインフルエンザ・ウイルス・ワクチン構成についてのWHO説明・協議会が、2016年9月26-28日にジュネーブで開催されました。3価のワクチンには、以下の成分を含むことが推奨されていました。A/Michigan/45/2015 (H1N1)pdm09様ウイルス株、A/Hong Kong/4801/2014 (H3N2)様ウイルス株、B/Brisbane/60/2008様ウイルス株です。また、2種類のインフルエンザB型ウイルスを含む4価のワクチンには、上記の3つのウイルス株に加えて、B/Phuket//3073/2013様ウイルス株を含むことが推奨されました。(http://who.int/influenza/vaccines/virus/recommendations/2017_south/en/).

アジア熱帯地域

 アジア南部では、全体的にインフルエンザの活動は低い状態でした。その中で、インフルエンザAとB両方のウイルスが伝播していました。ネパールでは、インフルエンザA(H3N2)とBの両ウイルスともに、検出数の減少が報告されました。

 東南アジアでは、この数週間は、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)、インフルエンザBウイルス、全ての伝播をともなっていましたが、インフルエンザの検出数は減る傾向にありました。インフルエンザA(H3N2)ウイルスが伝播していたシンガポールでは、この数週間は検出数の減少が報告されました。カンボジアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)の検出数が増えてきました。インフルエンザBウイルスの伝播も加わってきました。マレーシア、フィリピンでは、A(H1N1)pdm09やA(H3N2)も検出されましたが、大半はBウイルスの検出によるものでした。一方、ラオスでは、A(H3N2)ウイルスとBウイルスの伝播をともないながらも、検出の大半はA(H1N1)pdm09でした。

出典

WHO. Influenza Update number 273. 3 October 2016
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_10_03_surveillance_update_273.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_content&view=article&id=3352%3A2010-influenza-situation-report&catid=2407%3Ainfluenza-other-respiratoryviruses&Itemid=2469&lang=en

ヨーロッパ、中央アジア
EURO: https://flunewseurope.org/