西太平洋地域におけるデング熱の流行状況 (更新10)

2016年10月18日付けで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から公表されたデング熱の発生状況の報告です。

註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため国別の比較はできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

●中国
2016年8月31日までに、デング熱患者850人が報告されました。この患者数は2015年の同時期と比べて多くなっています。

●マレーシア
第40週のデング熱患者は1,550人でした。前週の報告1,701人よりも8.9%減少しました。2016年の累積患者数は、2015年の同時期に報告された患者数94,064人と比べれば少なく、84,774人でした。また、累積死亡者数は第40週までに190人となりました。2015年の同じ時期に報告された死亡者数は261人でした。

●フィリピン
2016年8月20日までに、死亡者422人を含む101,401人のデング熱患者が報告されました。これは、2015年の同じ時期(n=87,411)と比べて16%多くなっています。

●シンガポール
第40週に、デング熱患者125人が報告されました。2016年の累積患者数(n=12,157)は、2016年の初めに患者数が多かったことから、2015年の同じ時期の累積患者数(n=7815)と比べて、55.5%多くなっています。

●カンボジア
2016年1月1日から5月17日までに、死亡者4人を含むデング熱患者1,771人が報告されました。5月には、患者168人が報告されました。死亡者はでていません。この時点では、患者数は、安定して少ない状態です。

●ラオス
2016年10月7日までに、死亡者10人を含むデング熱患者4,137人が報告されました。2016年10月1日から7日までに、新たにデング熱患者177人が報告されました。死亡者はいませんでした。患者数は2014-2015年の同じ時期よりも多くなっています。

●ベトナム
2016年7月31日までに、63省のうち44省から死亡者16人を含む46,957人のデング熱患者が報告されました。累積患者数は、2015年の同時期とよりも18.4%増加していました。また、2010-2015年の同じ時期の患者数(中央値)を比べると、累積患者数は55.5%と多くなりましたが、死亡者数は4人減りました。2016年7月には、死亡者1人を含む患者9,732人が報告されました。

●オーストラリア
2016年9月30 日現在で、デング熱患者1,760人が確定診断されました。3月以降、報告された患者数は減少傾向にあり、2011年から2015年の季節変動傾向に沿っています。

●フランス領ポリネシア
第39週には、確定患者50人が報告されました。患者50人のうち7人(14%)がデング熱1型と確認されました。

●パプアニューギニア
1月1日から9月30日までに、パプアニューギニアを旅行したデング熱患者79人が(オーストラリア)クイーンズランド州健康局(海外からの媒介性疾患に関する4半期報告書)から報告されました。これらの患者のうち、5人がデング熱1型、57人がデング熱2型、4人がデング熱3型、2人がデング熱4型でした。11人は亜型が特定されませんでした。

●ニューカレドニア
2016年9月には、デング熱患者26人が報告されました。2016年6月以降、患者数は減少してきました。

出典

WHO/WPRO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region. 18 October 2016
Dengue Situation Update Number502
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue_biweekly_20161018.pdf?ua=1[PDF形式:1.1MB]