世界のインフルエンザ流行について (更新22)

2016年11月14日 WHO(原文[英語]へのリンク[PDF形式:677KB]

WHOから発表された2016年10月30日までのデータに基づくインフルエンザの活動状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報で掲載されています。そのため、ここではアジア地域で記載されている詳細情報のみを追記し、これらを除く地域については要約のみを記載しています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

南半球温帯地域のインフルエンザの活動は、オフ・シーズンのレベルに戻りました。北半球温帯地域のインフルエンザの活動は、まだ高くなく、オフ・シーズンのレベルにとどまっていました。

  • 南米温帯地域では、インフルエンザ・ウイルスとRSウイルスの活動が地域全体で下がってきました。
  • アフリカ南部とオセアニアでは、インフルエンザの活動がオフ・シーズンのレベルとなりました。
  • アフリカ各国からは、この間、インフルエンザの活動がほとんど報告されませんでした。セネガルとケニアからはインフルエンザAウイルスの検出が、コートジボワールからはインフルエンザBウイルスの検出が報告されました。
  • カリブ海地域の国々では、インフルエンザ・ウイルスもその他の呼吸器系ウイルスも活動は低い状態でした。例外的に、キューバではインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBウイルスの検出が続いていました。
  • 中米では、インフルエンザの活動は低い状態でした。しかし、RSウイルスが、いくつかの国で主たるウイルスとして伝播していました。
  • 南米熱帯地域では、呼吸器系ウイルスの活動が低い状態でしたが、フランス領ギアナでは、僅かにインフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出数が増えていました。
  • 南アジア熱帯地域では、インフルエンザの活動は低い状態でした。
  • 東南アジアでは、インフルエンザの検出数の減少傾向が観測されました。但し、ラオス、タイ、カンボジアでは、インフルエンザの活動が引き続き報告されました。中国南部でも、インフルエンザの活動の高まりが報告されました。報告は、主にインフルエンザA(H3N2)でした。
  • アジア西部では、インフルエンザの検出数は少ない状態でした。
  • 北米およびヨーロッパでは、インフルエンザの活動はインフルエンザ・ウイルスの検出数とインフルエンザ様疾患(ILI)のレベルが流行期の警戒レベルを下回っており、低い状態でした。アメリカ合衆国では、RSウイルスの活動の報告が続いていました。
  • 2016年10月17日から2016年10月30日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年11月11日 04:49:00まで)に基づき、85の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に65,111本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は2,215本で、このうち1,866検体(84.2%)がインフルエンザA型、349検体(15.8%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、73検体(5.3%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、1,306検体(94.7%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、15検体(30%)がB-山形系統で、35検体(70%)がB-ビクトリア系統でした。

アジア熱帯地域

全体的にアジア南部でのインフルエンザの活動は低い状態でした。

東南アジアでは、この数週間は、インフルエンザA(H1N1)pdm09、A(H3N2)、インフルエンザBウイルス、全ての伝播をともなっていましたが、全体としてはインフルエンザの検出数は減少傾向でした。例外的に、ラオス、タイ、カンボジアでは、インフルエンザの活動の報告が続いていました。中国南部でも、インフルエンザの活動が高まっていました。報告は、主にインフルエンザA(H3N2)でした。

出典

WHO.Influenza Update number276. 14November2016
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_11_14_surveillance_update_276.pdf?ua=1[PDF形式:677KB]

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]

ヨーロッパ、中央アジア

EURO:https://flunewseurope.org/