2017年のニュース

世界のインフルエンザ流行の状況 (更新9)

 2017年5月15日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2017年4月30日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報でも掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域では、インフルエンザの活動の低下が続いていました。(一方)南半球温帯地域では、いくつかの国でインフルエンザの活動が流行シーズンの警戒レベルに達しましたが、全体としては低い状態で留まっていました。
2017年4月17日から4月30日までのデータが、FluNet(協定世界時間2017年5月12日 06:57:21まで)に基づき、103の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に79,447本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は7,736本で、このうち2,683検体(34.7%)がインフルエンザA型、5,053検体(65.3%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザA型ウイルスの亜型では、642検体(45.1%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、782検体(54.9%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、396検体(51.8%)がB-山形系統で、369検体(48.2%)がB-ビクトリア系統でした。

南半球の温帯地域諸国

 南半球温帯地域では、この数週間で、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。チリでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高まりを続け、流行シーズンの警戒レベルを超えました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 カリブ海地域の国々と中米では、呼吸器系ウイルスの活動は低調でした。
 南米熱帯地域では、ほとんどの地域でインフルエンザが低い状態でした。ボリビアだけは、この数週間、インフルエンザの活動が高まってきていました。(検出されるのは)主にA(H3N2)ウイルスでした。その他の呼吸器系ウイルスの活動も、全体的に低い状態でした。コロンビアからは、引き続き、RSウイルスの活動の高まりが報告されました。

アフリカ
 西アフリカでは、コートジボワール、マリ、セネガル、シエラレオネから、インフルエンザの活動が引き続き報告されました。インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBビクトリア系統が、同地域では伝播していました。東アフリカでは、マダガスカル、モーリシャス、タンザニアから、インフルエンザの活動が報告されました。この地域では、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBウイルスが検出されました。

熱帯アジア
 南アジアでは、この数週間で、インフルエンザの活動が低下してきました。ブータンでは、インフルエンザBウイルスが頻繁に検出され、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動の報告が続いていました。インドでは、引き続き、インフルエンザA(H1N1)pdm09が報告されました。イランとスリランカでは、活動レベルは低いものの、インフルエンザBが検出されました。
 東南アジアでは、インフルエンザの活動は低調ではあるものの、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザA(H1N1)pdm09が伝播していました。シンガポールでは、この数週間、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動レベルの上昇傾向が報告されました。

北半球の温帯地域

北米
 北米では、全体的にインフルエンザの活動が低下してきました。カナダとアメリカ合衆国では、一部でインフルエンザBウイルスの割合の増加が報告されました。メキシコでは、活動レベルは低いですが、全てのタイプ(型)およびサブタイプ(亜型)のインフルエンザが検出されました。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、地域全体で、インフルエンザの活動が低いレベルに下ってきました。ヨーロッパ北部と東部でも、主に検出されていたインフルエンザBウイルスの数が減ってきました。ヨーロッパ南西部では、ほとんどインフルエンザの活動が報告されなくなりました。

北アフリカ
 北アフリカでは、インフルエンザの活動が低い状態に留まっていました。チュニジアとモロッコでは、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスの検出が散発的に報告されました。

西アジア
 西アジアでは、インフルエンザの活動が減少を続けていました。この地域では、インフルエンザB型ウイルスが検出されました。ジョージアでは、急性呼吸器感染症(SARI)のレベルが低下を続けており、アルメニアでは、落ち着いた状態でした。

中央アジア
 中央アジアでは、全体的に、呼吸器系疾患の指数が低いレベルにありました。この間に、インフルエンザ・ウイルスの検出は、ほとんど報告されませんでした。

東アジア
 東アジアでは、季節性インフルエンザの全てのタイプ(型)およびサブタイプ(亜型)が報告され、この地域ではインフルエンザの活動が続いていました。中国南部では、インフルエンザの活動が依然として高く、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザBビクトリア系統が検出されました。中国北部では、この数週間、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスの検出数が減ってきました。韓国では、引き続きインフルエンザBウイルスの検出が報告されました。

出典

WHO. Influenza Update number 289. 15 May 2017
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2017_05_15_surveillance_update_289.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports
ヨーロッパ事務局
EURO: http://www.flunewseurope.org/
東地中海地域事務局
EMRO: http://www.emro.who.int/surveillance-forecasting-response/surveillance-news/influenza-monthly-update-april-2017.html
西太平洋地域事務局
WPRO: http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/Influenza