2017年のニュース

世界のインフルエンザ流行の状況 (更新11)

2017年6月12日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2017年5月28日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報でも掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

南半球温帯地域では、インフルエンザの活動がゆっくりと高まり始めました。それでも、全体的には低調な状態です。(一方)北半球温帯地域では、インフルエンザの活動は低下を続けています。世界全体では、インフルエンザBウイルスが優勢でした。
2017年5月15日から5月28日までのデータが、FluNet(協定世界時間2017年6月9日 03:31:42まで)に基づき、75の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に69,469本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は5,598本で、このうち2,798検体(50%)がインフルエンザA型、2,800検体(50%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザAウイルスのサブタイプ(亜型)では、897検体(40.1%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、1,339検体(59.9%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、216検体(38.7%)がB-山形系統、342検体(61.3%)がB-ビクトリア系統でした。

南半球の温帯地域諸国

 南半球温帯地域では、この数週間で、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。

 南米温帯地域では、この数週間、インフルエンザ様疾患(ILI)のレベルが高まりを続け、チリ、パラグアイでは、流行シーズンの警戒レベルを超えました。インフルエンザの活動はアルゼンチン、チリ、パラグアイ、ウルグアイで増え、インフルエンザA(H3N2)ウイルスが優勢でした。

 アフリカ南部では、インフルエンザの活動は低く留まっており、まだ流行シーズンの警戒レベルを下回っていました。

 太平洋地域のオーストラリア(ビクトリア州では流行シーズンの警戒レベルに到達しました)とニュージーランドでは、まだ低調な状態でした。(僅かですが)インフルエンザAとインフルエンザB、両方が伝播しています。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 カリブ海地域と中米の国々では、呼吸器系ウイルスの活動は低調でした。
 南米熱帯地域では、ほとんどの地域でインフルエンザの活動は低い状態でした。インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBウイルスが見られました。ボリビアとコロンビアでは、インフルエンザA(H3N2)の伝播を伴いながら、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。しかし、まだ流行シーズンの警戒レベルを下回っていました。

アフリカ
 西アフリカでは、コートジボワールとガーナで、僅かにインフルエンザの検出が報告されました。東アフリカでは、マダガスカルとモーリシャスで、インフルエンザの活動の高まりが報告されました。それぞれに、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスが優勢でした。

熱帯アジア
 南アジアでは、インフルエンザの活動レベルが低い状態にあると報告されました。ブータンでは、この数週間、インフルエンザA(H1N1)pdm09の頻繁な検出を伴いながら、インフルエンザ様疾患(ILI)と急性呼吸器感染症(SARI)のレベルが上昇してきました。インドでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数が減ってきました。
 東南アジアでは、この数週間、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。シンガポールでは、この数週間、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスが優勢となるに連れ、インフルエンザ様疾患(ILI)とインフルエンザの活動(レベル)が上昇を続けていました。香港では、インフルエンザ様疾患(ILI)レベルの上昇が維持され、インフルエンザの活動は、インフルエンザA(H3N2)ウイルスを優勢としながら、高まりを続けてきました。

北半球の温帯地域

北米
 北米では、全体的にインフルエンザの活動が低下してきました。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、総じて、インフルエンザの活動が低い状態でした。ヨーロッパ北部と東部では、僅かなレベルでインフルエンザBウイルスの検出が報告されました。ヨーロッパ南西部では、インフルエンザの検出は報告されませんでした。

北アフリカ
 北アフリカでは、インフルエンザの検出は報告されませんでした。

西アジア
 西アジアでは、総じて、インフルエンザの活動は低調でした。オマーンでは、インフルエンザの活動が僅かな増加を続けていました。検出されるサブタイプ(亜型)は、ほとんどがインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザBウイルスでした。カタールでは、インフルエンザの活動が少しずつ下がってきました。アルメニアとジョージアでは、急性呼吸器感染症(SARI)活動の低下が続いていることが報告されました。

中央アジア
 中央アジアでは、ウイルスの検出に関する情報更新はありませんでした。入手できた報告では、呼吸器系疾患の指数が低いことが示されていました。

東アジア
 東アジアでは、中国で全ての季節性インフルエンザのサブタイプ(亜型)が検出されましたが、総じて、インフルエンザの活動は低調でした。中国南部では、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザBビクトリア系統が検出されましたが、インフルエンザの活動は下がってきました。中国北部では、僅かに、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスの検出が報告されました。

出典

WHO. Influenza Update number 291. 12 June 2017
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_surveillance/en/

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports
ヨーロッパ事務局
EURO: http://www.flunewseurope.org/
東地中海地域事務局
EMRO: http://www.emro.who.int/surveillance-forecasting-response/surveillance-news/influenza-monthly-update-may-2017.html
西太平洋地域事務局
WPRO: http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/Influenza