2017年のニュース

世界のインフルエンザ流行の状況 (更新18)

2017年9月18日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2017年9月3日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報でも掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域では、インフルエンザの活動は低調なレベルにとどまっていました。(一方)南半球温帯地域と南アジア並びに東南アジアの一部の国では、高いレベルでインフルエンザの活動の報告が続いていました。中米、カリブ海沿岸諸国の数か国でも、引き続き、インフルエンザの活動が報告されました。世界全体では、インフルエンザA(H3N2)ウイルスが趨勢となっていました。
2017年8月21日から9月3日までのデータが、FluNet(協定世界時間2017年9月15日 04:53:57まで)に基づき、79の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に42,603本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は5,268本で、このうち4,609検体(87.5%)がインフルエンザA型、659検体(12.5%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザAウイルスのサブタイプ(亜型)では、3,243検体(84.3%)がインフルエンザA(H3N2)、602検体(15.7%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、137検体(67.2%)がB-山形系統、67検体(32.8%)がB-ビクトリア系統でした。

南半球の温帯地域諸国

 南半球温帯地域では、インフルエンザの活動が、太平洋地域、南米、アフリカ南部でピークを迎えたようでした。
 南米温帯地域では、インフルエンザとRSウイルスの活動は、ほとんどの地域で鎮まる傾向にありました。チリとパラグアイでは、インフルエンザの活動が警戒レベルよりもやや上回った状態でした。全体として、重症急性呼吸器感染症(SARI)とインフルエンザ様疾患(ILI)の指標が下がってきました。
 太平洋地域では、インフルエンザA(H3N2) ウイルスが優勢で、これにインフルエンザBウイルスが続き、季節性インフルエンザの活動が高まりを続けていました。オーストラリアでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が、地域毎にばらついていますが、国全体では高いレベルに留まっていることが報告されました。全体として、活動は昨年と同様の傾向ですが、規模がやや大きくなっています。ニュージーランドでは、インフルエンザの活動と呼吸器疾患の指標が下がり続け、警戒レベルを下回りました。A(H3N2)ウイルスとインフルエンザB-山形系統ウイルスが検出されています。全体として、流行の規模は過去の流行期を下回っていました。ニューカレドニアでは、この数週間、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスの検出数がこの数週間でピークを迎えた後、インフルエンザの活動は下がってきました。
 アフリカ南部では、南アフリカ共和国でインフルエンザの活動が上限に達したようでした。流行期のほとんどで検出されるのはインフルエンザA(H3N2)ウイルスでしたが、この数週間はインフルエンザBウイルスが優勢となってきました。インフルエンザの検出率に基づくと、インフルエンザの流行は、ここ10年と比べて穏やかで、肺炎となる割合は、ここ6年間と比べて低くなっていました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 カリブ海地域と中米の国々では、全般的に、呼吸器系疾患の指標とインフルエンザの活動が低調でした。しかし、RSウイルスの活動がいくつかの国で高まってきました。キューバでは、この数週間、インフルエンザの活動が下がってきました。しかし、ニカラグアでは、まだ高いレベルに留まっています。
 南米熱帯地域では、インフルエンザの活動とその他の呼吸器系疾患の活動ともに、低調な状態にとどまっていました。

アフリカ
 西アフリカでは、ガーナ、トーゴ、セネガルで、引き続き、インフルエンザの活動が報告されています。この地域では、すべての亜型の季節性インフルエンザが伝播していました。アフリカ中央部と東アフリカからは、インフルエンザの検出が僅かな国で報告されただけでした。(その中で)中央アフリカ共和国からはインフルエンザBウイルスが、エチオピアからはインフルエンザA(H3N2)ウイルスが、ケニアからはすべての亜型のインフルエンザ・ウイルスが、マダガスカルからはインフルエンザBウイルスが、それぞれに検出されました。

熱帯アジア
 南アジアでは、インフルエンザA(H1N1) pdm09ウイルス検出の報告が続いていました。ブータンでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスの検出を伴い、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の指標が高いレベルで報告されました。いくつかの報告によれば、ネパールでは、インフルエンザの活動が下がってきたようでした。
 東南アジアでは、インフルエンザの活動が高いレベルで報告されました。この地域では、すべてのインフルエンザの亜型が報告されています。タイでは、すべてのインフルエンザの亜型の伝播を伴い、インフルエンザの活動が高まっていました。ミャンマーでは、インフルエンザA(H1N1) pdm09ウイルス検出の報告が続いていました。カンボジアとラオスでも、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザA(H3N2)ウイルスが、それぞれに検出され、ここ数週間、検出数が増加してきました。中国南部では、インフルエンザ様疾患(ILI)とインフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出数が多い状態です。一方、香港では、インフルエンザの活動が鎮まってきたことが報告されました。

北半球の温帯地域

北米
 全体として、インフルエンザ・ウイルスの活動は低い状態でした。この数週間は、アメリカ合衆国でRSウイルスの活動が高まっていました。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、僅かなインフルエンザの活動の報告、または活動がないことが報告されました。

北アフリカ
 北アフリカでは、インフルエンザの検出は報告されませんでした。

西アジア
 西アジアのオマーンとカタールでは、この数週間、インフルエンザA(H1N1) pdm09ウイルスとインフルエンザA(H3N2)ウイルスの伝播を伴いながら、インフルエンザの活動が少し高まっていました。

中央アジア
 中央アジアでは、ウイルスの検出についても呼吸器系疾患の指数についても情報更新はありませんでした。

東アジア
 東アジアでは、インフルエンザの活動は低調でした。

出典

WHO. Influenza Update number 298. 18 September 2017
http://www.who.int/entity/influenza/surveillance_monitoring/updates/2017_09_18_surveillance_update_298.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports

ヨーロッパ事務局
EURO: http://www.flunewseurope.org/

東地中海地域事務局
EMRO: http://www.emro.who.int/images/stories/csr/Bulletin_EMRIB_August_2017.pdf?ua=1

西太平洋地域事務局
WPRO: http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/Influenza