デング熱の流行状況 -西太平洋地域(更新19)

2017年9月26日付けで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から公表されたデング熱の発生状況の報告です。

註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため国別の比較はできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

  • カンボジア
    2017年9月19日までに、デング熱の疑い患者2,299人が報告されました。デング出血熱、デング・ショック症候群を含めたデング熱患者の数は、2014年から2016年まで過去3年間の同じ時期の数値と比べて、少なくなっていました。
  • 中国
    2017年8月31日までに、デング熱患者1,477人が報告されました。この患者数は、2012年以降、同じ時期に報告された患者数よりも多くなっています。また、例年の傾向を辿っています。
  • ラオス
    2017年9月15日までに、デング熱患者8、550人が報告されました。死亡者も11人報告されています。第37週には、デング熱患者391人が報告されました。今年報告されたデング熱患者数は疫学上の警報レベル(標準偏差の2倍)を超えており、デング熱の活動が活発になっています。首都ビエンチャンでは、死亡者2人を含む2,839人の患者がでました。デング熱の患者数は増加する傾向です。患者数はこれまでの年(2010-2013年)よりもかなり多くなっていますが、この増加の傾向は、季節変動に沿った、予想されるものです。
  • マレーシア
    第38週(2017年9月17日から23日まで)に、デング熱患者1,050人が報告されました。患者数は、第37週と比べて、19.1%減りました。2017年第38週までに、デング熱の累積患者数は69,254人(死亡者156人を含む)となりました。一方、2016年の同じ時期の患者数は81,523人(死亡者182人を含む)でした。
  • フィリピン
    2017年1月1日から9月2日までに、国内で76,391人のデング熱患者が報告されました。この患者数は、2016年の同じ時期(139,937人)と比べて、45.4%少なくなっていました。2017年には、9月2日までに死亡者が413人報告されました。
  • シンガポール
    2017年1月から9月16日までに、デング熱患者2,018人が報告されました。これは、2013年以降の同じ時期に報告された患者数よりも少なくなっていました。第37週には、患者53人が報告されました。2017年に報告された患者数は、過去5年の同じ時期に報告された患者数よりも少なくなっていました。
  • ベトナム
    2017年9月13日までに、死亡者29人を含むデング熱患者124,986人が報告されました。2016年の同じ時期と比べた累積患者数は43.9%多く、死亡者も10人に増えました。患者の多くは南部(49%)から報告されましたが、急激な患者数の増加が北部(昨年の同じ時期に比べてほぼ31倍)でみられました。特に、ハノイでは、約28,158人の患者がみられました。患者は前年よりもかなり多くなっていますが、現在は減少が続く傾向がみられています。
  • オーストラリア
    2017年9月26日までに、デング熱の検査確定患者773人が報告されました。報告された患者数は、これまでの年(2012-2016)の同じ時期に報告された患者数よりも少なくなっていました。
  • フランス領ポリネシア
    2017年第35週から第36週までに、確定患者27人が報告されました。これらの患者のうち21人(77.8%)がデング熱1型と確認されました。患者12人(44%)が15歳未満の子どもでした。
  • ニューカレドニア
    2017年9月17日までに、デング熱患者4,499人が報告されました。第16週以降、患者数は減ってきています。

出典

WPRO/ WHO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region. 26September2017
Dengue Situation Update Number526
http://www.wpro.who.int/entity/emerging_diseases/dengue_biweekly_report_20170926.pdf?ua=1[PDF形式:1.1MB]