2017年のニュース

世界のインフルエンザ流行の状況 (更新22)

2017年11月13日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2017年10月29日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。今回から北半球の流行期に備えて、北半球での報告が先に記載されています。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報でも掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域では、インフルエンザの活動は低調なレベルにとどまっていました。南半球温帯地域と南アジア並びに東南アジアの一部の国では、インフルエンザの活動の低下傾向が報告されました。中米、カリブ海沿岸諸国の数か国でも、僅かながらインフルエンザの活動が報告されました。世界全体で検出されるインフルエンザの大半は、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスが占めていました。
2017年10月16日から10月29日までのデータが、FluNet(協定世界時間2017年11月10日 04:06:39まで)に基づき、101の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に92,033本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は4,088本で、このうち2,954検体(72.3%)がインフルエンザA型、1,134検体(27.7%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザAウイルスのサブタイプ(亜型)では、318検体(13.8%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、1,985検体(86.2%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、485検体(81.1%)がB-山形系統、113検体(18.9%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。しかし、まだ低い状態に留まっています。この数週間は、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスが検出されました。呼吸器系疾患の指標は、メキシコで流行期のレベルに、アメリカ合衆国で流行期を下回るレベルにありました。カナダは、例年の傾向を辿っていました。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、インフルエンザの活動は低い状態でした。この数週間は、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスが検出されました。

北アフリカ
 北アフリカからは、インフルエンザの検出は報告されませんでした。

西アジア
 西アジアでは、全体的に、インフルエンザの活動は低い状態でした。(その中で)カタールでは、インフルエンザの活動が高い状態にありました。(ここでは)すべての季節性インフルエンザの型が流行していました。

中央アジア
 中央アジアでは、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタンで、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の指標が少しずつ上昇してきました。

東アジア
 東アジアでは、全体的に、インフルエンザの活動は低い状態でした。中国北部では、この数週間、インフルエンザA(H3N2)の検出が少しずつ増えてきました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 カリブ海地域と中米の国々では、全般的に、呼吸器系疾患の指標が下がり、インフルエンザの活動が低調でした。しかし、いくつかの国ではRSウイルスの活動が高いままでした。コスタリカとエクアドルでは、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスが伝播し、インフルエンザの活動が高まってきていました。

南米熱帯地域では、全体として、インフルエンザとRSウイルスの活動が低調な状態にとどまっていました。コロンビア、ベネズエラ、ペルーでは、インフルエンザA(H3N2)の検出の報告が続いていました。ブラジルでは、引き続き、インフルエンザBウイルスの検出数が減ってきていました。ペルーでは、この数週間、5歳未満の子どもの急性呼吸器感染症(ARI)と肺炎が増え続けていました。

アフリカ
 西アフリカでは、コートジボワール、ガーナ、マリ、シエラレオネで、インフルエンザの検出が報告されました。この地域では、インフルエンザA(H1N1) pdm09とインフルエンザA(H3N2)が伝播していました。アフリカ中央部のカメルーンでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高まり、インフルエンザA(H1N1) pdm09とインフルエンザA(H3N2)の検出が報告されました。中央アフリカ共和国では、インフルエンザBの検出が報告されました。東アフリカでは、インフルエンザの活動は、ほとんど、もしくは全く報告されませんでした。

熱帯アジア
 南アジアでは、全体的に、インフルエンザの活動は低い状態でした。インドでは、この数週間はインフルエンザA(H1N1) pdm09ウイルスとインフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出数が減ってきました。

 東南アジアでは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBが頻繁に検出されてはいますが、インフルエンザの活動が下がり続けていました。カンボジアでは、インフルエンザA(H3N2)ウイルス(の検出)を伴いながらも、第40週にピークを迎えたようでした。ラオスでは、インフルエンザの活動とインフルエンザ様疾患(ILI)が下がってきました。

南半球の温帯地域諸国

 南半球温帯地域では、全体的にインフルエンザの活動が低下してきたようでした。

 南米温帯地域では、インフルエンザとRSウイルスの活動が、ほとんどの地域で鎮まる傾向にあり、呼吸器疾患の指標は低い状態でした。ウルグアイでは、この数週間のうちにRSウイルスの活動と重症急性呼吸器感染症(SARI)の指標がピークを迎えた後に下がってきました。チリでは、インフルエンザの陽性率が、この数週間で増えてきました。主に、インフルエンザBウイルスが検出されました。パラグアイでは、インフルエンザ様疾患(ILI)が流行期のレベルを上回った状態でした。

 太平洋地域では、インフルエンザA(H3N2) ウイルスが優勢で、これにインフルエンザBウイルスが続いていましたが、季節性インフルエンザの活動は低下傾向が続いていました。オーストラリアでは、全体として、インフルエンザ様疾患(ILI)とインフルエンザの活動の低下傾向が報告されました。ニューカレドニアでは、インフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出が優勢で、インフルエンザの活動が高い状態で留まっていました。フィジーでは、この数週間、散発的にインフルエンザBウイルスの検出が報告されました。

 アフリカ南部では、南アフリカ共和国で低いレベルのインフルエンザの活動が報告されました。最も頻繁に検出されるのはインフルエンザBウイルスでした。

出典

WHO. Influenza Update number 302. 13 November 2017
http://www.who.int/entity/influenza/surveillance_monitoring/updates/2017_11_13_surveillance_update_302.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports

ヨーロッパ事務局
EURO: http://www.flunewseurope.org/

東地中海地域事務局
EMRO: http://www.emro.who.int/health-topics/influenza/regional-situation-update.html

西太平洋地域事務局
WPRO: http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/Influenza