2018年のニュース

世界のインフルエンザの流行状況(更新2)

2018年2月5日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2018年1月21日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報に掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域では、インフルエンザの活動が高まった状態が続いていました。一方、南半球温帯地域では、活動が非流行期のレベルにありました。世界全体では、検出されるインフルエンザの大半が、インフルエンザAで占められていました。しかし、このところの数週間で、インフルエンザB(ほとんどがB-山形系統)の割合が多くなってきました。
これまでのところ、(流行)シーズンが始まった国々の大半では、この数年間と比べて、インフルエンザ様疾患(ILI)が中等度レベルであると報告されており、高いレベルに達した国は僅かでした。しかし、いくつかの国では、これまでのインフルエンザ(流行)シーズンの最大レベルや(それを)超えるレベルに達した入院やICU入院が報告されています。WHOは、既にインフルエンザが流行している国や、そのシーズンに入った国に対し、適正な患者の管理、感染制御への対策の遵守、リスクの高い人々への季節性インフルエンザ・ワクチンの接種など、必要な対策を講じることを勧告しています。
2018年1月8日から1月21日までのデータが、FluNet(協定世界時間2018年2月1日 18:02:14まで)に基づき、101の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に277,231本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は88,612本で、このうち52,213検体(60.1%)がインフルエンザA型、35,399検体(39.9%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザAウイルスのサブタイプ(亜型)では、9,745検体(50.3%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、9,642検体(49.7%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、7,778検体(90.8%)がB-山形系統、786検体(9.2%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 この地域では、全体的にインフルエンザ・ウイルスの活動が高い状態でした。カナダでは、インフルエンザとインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高まりを続け、今年のこの時期としては予想されるレベルを超えていることが報告されました。インフルエンザAの検出が優勢でした。しかし、この数週間、インフルエンザBの検出数の増加が続き、この7シーズンのうち、週毎の観測数がこの時期としては最高値に達しました。アメリカ合衆国では、インフルエンザの活動が高まりを続けていました。インフルエンザA(H3N2)ウイルスが、最も多く検出されました。インフルエンザで入院する累積患者数の割合が最高レベルに達し、これまでの7シーズンの同じ時期に観測されたレベルを上回ったとみられることが報告されました。カナダとアメリカ合衆国では、インフルエンザ患者とインフルエンザの関係する入院患者の多くが、65歳を超える成人で占められました。メキシコでは、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスが検出されており、インフルエンザ陽性の呼吸器検体が増え続けていました。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、ほとんどの国で、インフルエンザの活動が高い状態にありました。活動は、ヨーロッパ北部と南西部で高く、一部の国ではピークに達していました。ヨーロッパ東部では、増加が始まりました。インフルエンザB(主に山形系統)が最も多く検出されました。インフルエンザAウイルスのうち検出されるサブタイプは、国によって、さまざまでした。インフルエンザの検出数が、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、スイスでは減ってきたようでした。しかし、活動は高い状態が続いています。英国(英国、北アイルランド)では、インフルエンザ様疾患(ILI)が中等度のレベルでした。しかし、インフルエンザA(H3N2)とB-山形系統の蔓延によって、入院の指数は高いレベルに達していました。

北アフリカ
 北アフリカのアルジェリア、エジプト、モロッコでは、インフルエンザの検出が多い状態でした。一方、チュニジアでは、減ってきました。アルジェリアとチュニジアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢で、エジプトとモロッコでは、インフルエンザBが優勢でした。

西アジア
 西アジアでは、いくつかの国でインフルエンザの活動の高まりが報告されました。イラクとイスラエルでは、インフルエンザA (H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザBウイルスが優勢で、インフルエンザの検出数の増加が報告されました。ヨルダンでは、インフルエンザA (H1N1)pdm09ウイルスの検出数が減ってきたようでした。

中央アジア
 中央アジアでは、インフルエンザの活動が僅かに高まってきました。しかし、地域全体としては低い状態に留まっていました。

東アジア
 東アジアでは、地域全体にわたり、インフルエンザの活動が高まりを続けていました。中国南部では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高まりを続けていましたが、中国北部では下がってきたようでした。主にインフルエンザB-山形系統ウイルスが、次いでインフルエンザA (H1N1)pdm09ウイルスが検出されました。香港では、インフルエンザ様疾患(ILI)による受診割合が急激に増加したことが報告されました。(ここでは)インフルエンザBが最も頻繁に検出されました。朝鮮民主主義人民共和国では、インフルエンザA (H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動が報告されました。モンゴルでは、インフルエンザ様疾患(ILI)と入院患者のうちの肺炎の割合が減ってきたようでした。しかし、インフルエンザB-山形系統の検出数は高い状態にありました。韓国では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が下がってきたようでした。しかし、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスの検出数は高い状態に留まっていました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 カリブ海地域と中米の国々では、呼吸器疾患の指標とインフルエンザの活動が、全体的に低い状態でした。ジャマイカではインフルエンザAの活動の僅かな高まりが、グアテマラとハイチではインフルエンザBの活動の高まりが、プエルトリコではインフルエンザAとB両方の活動の高まりが、報告されました。

 南米の熱帯諸国では、いくつかの例外を除き、インフルエンザ、RSウイルスの活動、呼吸器疾患の指標ともに、全体的に低い状態でした。エクアドルでは、重症急性呼吸器感染症(SARI)とインフルエンザの活動が高まりを続けており、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスが優勢なことに伴い、警報レベルを上回っていました。

アフリカ
 西アフリカでは、地域全土にわたり、インフルエンザの活動の報告が殆どないか、全くない状態でした。アフリカ中央部では、今回入手できた更新データはありませんでした。東アフリカでは、マダガスカルで、インフルエンザの活動の高まりが報告されました。

熱帯アジア
 南アジアのイランとパキスタンでは、インフルエンザの活動が高まりを続けていました。イランではすべての型の季節性インフルエンザが、パキスタンではインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が検出されました。この数週間、地域全体にわたり、インフルエンザBの検出数が増えてきました。

 東南アジアでは、ほとんどの国で、インフルエンザの活動が低いレベルにあることが報告されました。シンガポールでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザB-山形系統ウイルスの検出数が増えてきました。

南半球の温帯地域諸国

 南半球温帯地域では、全体的に、インフルエンザの活動が非流行期のレベルに留まっていました。

出典

WHO. Influenza Update number 308. 05 February 2018
http://www.who.int/entity/influenza/surveillance_monitoring/updates/2018_02_05_surveillance_update_308.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports

ヨーロッパ事務局
EURO: http://www.flunewseurope.org/

東地中海地域事務局
EMRO: http://www.emro.who.int/health-topics/influenza/regional-situation-update.html

西太平洋地域事務局
WPRO: http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/Influenza