米国で発生している変異型のインフルエンザウイルスについて(2012年9月10日)

 2011年8月以降、米国では変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルス(H3N2v)に感染した人が確認されています。豚に接触した後に感染したほか、限定的な人‐人感染によって感染したことがわかっています。人‐人感染が持続的に起こっている証拠はありませんが、インフルエンザウイルスは変異をして、広範囲に広がる可能性があります。これまでのところ、このウイルスに関連した病気の重症度は季節性インフルエンザと同じです。成人はこのウイルスに対して既に免疫を持っているかもしれませんが、小児には免疫がありません。

 2012年9月7日に公表されたCDCの情報によりますと、今年7月以降に報告されたH3N2vの感染者数は10州で296人になりました。2011年8月以降、米国で確認されたH3N2vの感染者数は309人です。これまでに、16人が入院し、1人が死亡しています。死亡したのは複数の基礎疾患を有する高齢者で、農業フェアで豚に直接接触していたと報告されています。

※ 年、州別の感染者数は、 最新ニュースをご覧ください。

 なお、ミネソタ州では、H3N2vとは異なるH1N2の変異型ウイルス(H1N2v)に感染した人が3人報告されました。H1N2vは、通常、人ではなく、豚の間で伝播しています。しかし、稀ですが、過去にもこのウイルスに感染した人が確認されています。感染した人は、ミネソタ州のフェアで豚との接触がありました。1人は入院しましたが、3人とも回復しました。

 季節性インフルエンザの予防と同様に、いつも、手洗いや咳エチケットなどの衛生習慣を実行することが重要です。小児、妊婦、65歳以上の高齢者、持病などによってからだの抵抗力が落ちている人は、動物が周囲にいる時には、特に注意が必要です。病気のようにみえる動物や病気の動物との濃厚接触は、できるだけ避けてください。また、インフルエンザのような症状がある人は、豚との接触を避けてください。

最新ニュース:米国で発見された変異型のインフルエンザウイルスについて(更新8)

 2012年9月10日掲載