2010年11月09日更新 ウズベキスタンからの帰国者に回帰熱が発生しました。

回帰熱は自然界に生息するダニやシラミに刺されることで感染する病気です。ダニ媒介性回帰熱は全世界に存在しますが、現在の流行地は北米西部、中南米、イベリア半島、地中海、小アジア、中央アジア、アフリカなど地域的です。国内では、ここ数十年、患者の発生は報告されていません。

症状は、発熱、頭痛、筋肉痛などですが、症状があらわれる期間と、それら症状が無くなる期間が交互にみられ、それを数回繰り返すのが特徴的です。

平成22年11月6日(土)奈良県奈良市より、ウズベキスタンからの帰国者が回帰熱に感染したと発表がありました。

患者は奈良県在住の20歳女性で、9月に1週間ウズベキスタンへ渡航していました。帰国後より、症状が現れ、11月2日に入院しました。現在、全身状態は良好です。

流行地ではダニやシラミに咬まれないように注意しましょう

・ダニやシラミの刺咬を避けるようにします。特に郊外や森林へ行く時には、防虫剤(DEET*)を使用し、衣服にも防虫剤を使用しましょう。
・ダニやシラミに咬まれた場合にはただちに医療機関を受診するようにしましょう。可能ならダニやシラミを手で触ったり、取ったりしないようにしましょう。唾液や排泄物中の病原体が皮膚や粘膜から擦り込まれヒト体内に侵入する可能性があります。

海外で症状があったり、感染が疑われるような場合には、ただちに医療機関にご相談ください。また、ご帰国の際に熱や心配な症状がある方は検疫所の担当者にお申し出ください。

*DEET もっとも一般的な防虫剤の成分です。日本で販売されているものは、濃度が低いものが多く、1時間ごとぐらいに塗る(スプレーする)必要があります。海外で売られている虫除け剤には、DEETの濃度が高いものが多く、持続性がより長いです。説明書をよく読んで使用してください。小児に使用できるかどうかについては十分にご確認ください。

日本語仮訳文を見る