2011年02月18日更新 ペルーでデング熱に対する警戒警報が出ています。

デング熱は、発熱、頭痛、眼の奥の痛み、関節痛、筋肉痛、発疹、吐き気、嘔吐、出血症状などがみられる、蚊で媒介される伝染性の疾患で、熱帯・亜熱帯地方にみられます。通常は軽症で経過しますが、中には出血しやすい症状がみられる場合があり、この場合放置すると死亡する例もあります。

在ペルー日本国大使館からの報告によると、ペルー北東部ロレト州を中心にデング熱が流行しており、ペルー保健省は2011年に入っての5週間で、671人の感染が確認されたと発表しました。州別ではロレト州が530人と最も多く、マドレ・デ・ディオス州103人、サン・マルティン州24人と続いています。昨年に比べデング熱感染者が急増していることから、ペルー保健省によりデング熱感染に関する警報・注意報が次の地域に出されています。
(1)特別警戒警報(感染者が急増している地域)
ロレト州
(2)警戒警報(感染者が発生している地域)
マドレ・デ・ディオス州、アマソナス州、サン・マルティン州、ウカヤリ州、トゥンベス州、ピウラ州、ランバイェケ州、ラ・リベルタ州、カハマルカ州、アンカシュ州、ワヌコ州、フニン州、パスコ州、リマ州
(3)注意警報(現時点で感染者は発生していないが、警戒が必要な地域)
イカ州、アレキパ州、タクナ州、マケグア州、アヤクチョ州、ワンカベリカ州、アプリマック州、クスコ州、プノ州

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今後もペルー全土の州に感染が拡大する可能性がありますので、ペルーに渡航、滞在される方は、情報に注意していただくとともに以下の対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

デング熱をうつす蚊は、通常、夕暮れ時や朝方に活発に活動します。しかし、曇りの日や、室内、日陰になっている場所などでは日中でも刺される可能性があります。
・可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているかエアコンが備わった、また、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。ホテルの網戸設備が十分でないようならば蚊帳(かや)をご使用ください。蚊取り線香も有効です。
・長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
・屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物では、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書にかかれた使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合、虫よけ剤を使用する前に日焼け止めをつけてください。
・子どもとくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。デング熱が流行している地域には、マラリアなど蚊でうつる他の危険な病気も流行している場所もあり、しっかりと区別して治療を受ける必要があります。

デング熱の流行地域からのご帰国の際に、熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にお申し出ください。検疫所ではデング熱やマラリアの検査を行うことができます。簡易検査、精密検査がありますが、必要に応じて行う精密検査は結果が判明するまでに時間がかかります。結果は後ほどご連絡します。帰宅後に発症、もしくはいまの症状が軽快しない場合は、お近くの医療機関または検疫所までただちにご連絡ください。

デング熱やマラリアは隔離の対象疾患ではありませんので、検査結果が陽性でもすぐに入国できます。

万一デング熱やマラリアにかかっている場合、直接他の人にうつることはありませんが、日本国内でも発熱が続いている期間に蚊に刺されると、その蚊が他の人にうつす危険があります。症状がある間はくれぐれも蚊に刺されないようご注意ください。